放送局・放送日時
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『2018車いすバスケットボール世界選手権大会』
これまで、イタリア、トルコ、ブラジル、スペイン戦を戦った男子日本代表。
最後の試合となるオランダ戦(9位ー10位決定戦)が8月25日に行われました。
会場に訪れた日本応援団の応援にも一段と力が入ります。
日本は、岩井孝義(いわい・たかよし)選手、鳥海連志(ちょうかい・れんし)選手、古澤拓也(ふるさわ・たくや)選手、秋田啓(あきた・けい)選手、宮島徹也(みやじま・てつや)選手という、ここ4試合とは違うスターティングラインナップで臨みました。
第1Q、日本は、古澤選手が繋ぎ、秋田選手が次々とシュートを決め、15対13でリード。
第2Q、序盤に4点を許してからは、取っては返され、取られては返しのシーソーゲームに。25対29のビハインドで前半を終えます。
第3Q、オランダが6点を入れ、25対35と引き離されそうになりますが、2分を過ぎたあたりから相手に1点も与えることなく、日本の連続得点。最後は古澤選手の3ポイントシュートが決まり、37対35と逆転します。
第4Q、両チーム一歩も譲らず、緊迫した展開が続きます。
53対52という場面で、日本がファウル。フリースロー2本を与えます。
オランダはこれを確実に決め、53対54。
試合時間、残り1分。
日本応援団の声援がひときわ大きく会場に響きます。
秋田選手から鳥海選手にボールが渡り、ゴール下からシュート。
ボールはネットをくぐり、55対54!
日本は、見事に最後の試合を勝ちきりました!!
この日は、東京2020パラリンピック開幕までちょうどあと2年となった8月25日。
試合を終えて、藤本怜央選手は「この日に勝てたというのは、あと残り2年という”スタート”を切れたと思います。この世界大会が終わったら、次の世界大会は2年後。まさにこの日がスタートになるので、あと2年、この勝ちを忘れずに、そしてこの大会を忘れずに、精一杯努力していきたいなと思います」と語りました。
世界選手権、日本は9位で大会を終え、順位だけを見ると『ベスト4以上』という目標には遠く及びませんでしたが、日本代表の戦いぶりは、間違いなく世界にインパクトを与えました。
そして、選手たちの言葉からは、日本のバスケが世界に通用するという自信、『日本人らしさ』で戦うことの手応えとプライドが感じられました。
車いすバスケットボール日本代表、次なる戦いの舞台は、10月にインドネシアで開催される、アジアパラ競技大会。
金メダルを目指す日本代表に、熱き熱きエールを送りましょう!!
車いすバスケットボールの諸岡晋之助(もろおか・しんのすけ)選手を迎えてお送りした2回目。
諸岡選手は、車いすバスケットボールの普及活動にも積極的に取り組んでいます。
昨年末からは、日本車いすバスケットボール連盟が行なっている『いすばすプロジェクト』のサポートスタッフとして活躍しています。
『いすばすプロジェクト』は、スポーツが持つ可能性を伝え、障害がある人ない人の共生社会を目指すことを目的とした活動で、主に、車いすバスケットボールの体験会や講演等を行なっています。
これまで、東京都内の小学校や中学校、8〜9校くらいを訪れたという諸岡選手。
体験会に参加した子供たちは、競技用車いすの操作を楽しんだり、シュートが届かなくて悔しがったり・・・純粋に車いすバスケットボールを楽しんでいるといいます。
聞くところによると、諸岡選手は子供達に大人気!
子供達が「モロちゃん、モロちゃん」と寄ってきて、なんと、サイン攻めに合うこともあるそうです。
ある学校での体験会で、諸岡選手は子供からこんな言葉をかけられました。
「いいことかどうかわからないんですけど、『足怪我したら僕も車いすバスケやろうかな』って言ってくれたのが、良くも悪くもすごく嬉しかったです。楽しい競技だというのがわかってもらえたっていうところが、すごく印象に残っています」
この話を聞いて、鈴木亮平さんは、
「それって子供だからでた言葉かもしれないけど、障害を負うっていうことは絶望ではなくて、その先に楽しいこともあるし、だからこそ頑張れる何かがあるんだぞっていうのは、パラスポーツを観てて思うことでもあるんですよね。これ(体験会)がきっかけになって試合を見て、活躍しているお兄さんたちを見ると、障害を持つっていうことは何もできなくなることとは全然違うことなんだぞっていうことを知ることができるのは、パラスポーツの意義でもあると思うんですよね」と話していました。
さて、プレーヤーとしての諸岡選手には、大きな大会が控えています。
それが、9月8日(土)と9日(日)に愛知県豊田市で開催される『TOYOTA U25 日本車いすバスケットボール選手権大会2018』
この大会は、25歳未満の選手、もしくは、30歳未満で車いすバスケットボールの経験が3年未満の選手が出場する大会です。
「『勝ちたい』っていう貪欲な気持ちで来てる人が多いので、すごく熱い試合が多いです。試合以外では、みんな歳が近いので、けっこうアットホームな雰囲気もあったりします」
諸岡選手の話から、若い選手たちの大会ならではの様子が伝わってきます。
今大会での目標について「チームとしてはベスト4以上、個人としてはベスト5に選ばれること」と話す諸岡選手。
「チームとして、監督の指示に従って、やるべきことをやって勝っていきたいと思うし、個人としても負けたくないっていう気持ちがすごく強いです。自分の力を試せる大会でもあると思うし、ここに向けて努力してきてるっていう部分もあるので、そこを出せたらいいなと思ってます」と、意気込みを語りました。
今後の目標は、「日本代表になって、日本を背負って活躍すること」。
「(東京2020大会まで)あと2年という少ない時間ではあるんですけれども、しっかりと自分の実力を出し切って、日本代表に食い込めるように、頑張っていきたいなと思っています」
東京2020パラリンピックにかける思いを、力強く述べました。
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい “Going Upな一言” を伺いました。
『継続は力なり』
「ありきたりだとは思うけど、一番難しいことを頑張りたい」と、この言葉に込めた思いを語ってくれました。
諸岡晋之助選手のリクエスト曲 : 美影意志(みかげいし) / UVERworld
ドライブしている時やリラックスしたい時に聞く曲だそうです。
ドイツのハンブルクで開催されている『2018車いすバスケットボール世界選手権大会』
男子は、8月21日(大会6日目)からトーナメント戦に突入しました。
準々決勝進出をかけた戦いの相手は、リオ2016パラリンピック銀メダルのスペイン。
円陣を組み、「アグレッシブにいこう!」「コミュニケーションをしっかり取ろう!」と、ひとつひとつ、みんなで確認して試合に臨みます。
日本は、立ち上がりから、アグレッシブなプレーと硬いディフェンスで第1Qを14対10とリード。
第2Qではスペインが勢いに乗り、日本はわずか5得点しか奪えず、19対26で前半を終えます。
第3Qで巻き返しを図るも、強豪・スペインの流れは止められず、29対44。その差は広がっていきます。
会場には『スペイン快勝』という空気が漂い始めます。
しかし、ここから、日本の猛反撃が始まります!
第4Q、2分半過ぎに、香西宏昭(こうざい・ひろあき)選手がミドルシュートを決めると、日本は、鳥海連志(ちょうかい・れんし)選手、藤本怜央(ふじもと・れお)選手のショットが次々と決まります。
大事な場面で、キャプテン豊島英(とよしま・あきら)選手がフリースロー2本をきっちり決め、独走から得意のレイアップシュートを決めるなど、日本は一気に連続17得点を挙げ、試合時間残り3分で、48対48の同点に。
会場のボルテージが最高潮に上がります。
スペインが2点を入れると、香西選手がレイアップで2点を返し、50対50。
しかしそこで、スペインに再び得点を許し、50対52。
残り時間 23.1秒。
ここで、日本がタイムアウトを取ります。
同点、あるいは逆転を狙い、気持ちをひとつにします。
観客が固唾を飲んで見守る中、香西選手がボールをキープしたまま、時間をフルに使い、じっくりゴールを狙います。
そして、最後の望みをかけて、香西選手から放たれたボールは・・・
ネットを揺らすことなく試合終了を告げるブザーが鳴り、50対52で試合を終えました。
あと一歩力及ばず、『ベスト4以上』への道はここで閉ざされてしまいましたが、及川晋平(おいかわ・しんぺい)ヘッドコーチは試合後、「自分たちのプランの中で充分に戦える手応えを掴んだ」と話し、「負けて終わってがっかりしている時間も暇もないし、悲しんでる余裕もない。今必要なことは、うまくなること、強くなることだけ。結果は、”東京”で取ればいい」と語りました。
世界選手権、日本の最後の試合は、8月25日(現地時間)に行われる、オランダとの9位ー10位決定戦。
日本からハンブルクへ、熱きエールを送りましょう!!