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2018年9月10日
フォトジャーナリスト・佐々木延江さん (2)

フォトジャーナリストの佐々木延江(ささき・のぶえ)さんをゲストにお迎えしてお送りした後編。

今回は、取材でのエピソードについて伺いました。

 

佐々木さんは、ソルトレイク冬季パラリンピックから、数々のパラスポーツの大会を取材して来られましたが、中でも印象に残っているのは、2002年に北九州で開催された、車いすバスケットボールの世界選手権(ゴールドカップ)だと話します。

世界ナンバーワンとも称されるカナダのパトリック・アンダーソン選手の華麗なプレーを初めて見て、車いすバスケットボールというスポーツの面白さを感じると同時に、その中の”ヒーロー”というのは、こんなにすごいのかと衝撃を受けたといいます。

パトリック・アンダーソン選手は、カナダ代表としてパラリンピックに出場し、シドニー・アテネ・ロンドンの3大会で金メダル、北京大会では銀メダルを獲得したレジェンド。

音楽活動などのため、車いすバスケットボールプレイヤーとしての活動を休んでいた期間もありましたが、東京2020大会に向け、再び、カナダ代表としてコートに戻ってきました。

 

パトリック選手は、6月にカナダ代表として来日し、車いすバスケットボールの国際親善大会『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』(MWCC) に出場しました。

“ファンのメディア”ーNPO法人「国際障害者スポーツ写真連絡協議会」(パラフォト)代表を務める佐々木さんが注目していたのは、パトリック選手がこれからカナダをどういうふうに押し上げていくかということ。

この大会でカナダは苦戦を強いられましたが、戦いぶりを通して、今後、選手全員が強くなっていく可能性を感じ、東京2020パラリンピックまでに、どのようにチームビルディングをして、どのようにプレーを育てていくのか、これからも見ていきたいと語りました。

そして、MWCCといえば、日本代表が全勝優勝したことが大きな話題になりましたが、これについては「日本の勝ち方というのがどんどん証明されていった大会だった」と振り返りました。

 

東京2020パラリンピックまで、あと2年。

佐々木さんは、これまでご自身が現地で見て来たパラリンピックの感動が、日本にやってくることに期待すると同時に、この開催が、その後の社会を作っていくためのエンジンになるだろうと話しました。

 

最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい “Going Upな一言” を伺いました。

『 Stay Hungry, Stay foolish 』

2005年にスティーブ・ジョブズが、アメリカ・スタンフォード大学で行ったスピーチの最後に語ったこの言葉を胸に刻んでいるそうです。

 

次回のゲストは、パラパワーリフティングのマクドナルド山本恵理選手です。

どうぞお楽しみに!

2018年9月4日
フォトジャーナリスト・佐々木延江さん (1)

今回のゲストは、フォトジャーナリストの佐々木延江(ささき・のぶえ)さんです。

 

佐々木さんは、NPO法人『国際障害者スポーツ写真連絡協議会』(通称・パラフォト)の代表を務めていらっしゃいますが、パラフォトとは「パラリンピックをはじめとする障害者スポーツを、楽しみ、知り、伝える“ファンのメディア”」。

2000年のパラリンピック・シドニー大会の時から活動を始め、2001年にNPO法人となりました。

当時、パラリンピックやパラスポーツ情報のほとんどは、テレビや新聞等のマスメディアによるもの。

そんな中、今や自分たちが見たものや、面白い、楽しいと思ったことを直接伝える時代なんじゃないか、ならば、自分たちでメディアを作ってしまおうということでパラフォトの活動を始めたそうです。

 

パラフォトを始める前は、グラフィックデザインの仕事をしていたという佐々木さん。

パラスポーツとの出合いは、地域の福祉局の取材で、アルペンスキーの選手に会ったことがきっかけでした。

「勉強不足だった」と自らを語る佐々木さんは、障害のあるアスリートの取材と聞き、障がい者=車いすと思い込んで、どんな方が来ても大丈夫なようにと、車いすで乗れるタクシーを用意したのです。

颯爽と現れた選手は、車いすではなく義足。

歩くのに不自由はありませんでしたが、タクシーが待っていたので、一応乗ったものの、1分くらいで、取材場所に到着してしまい、選手に「歩いてくればよかったね。そうしたら話せたよね」と言われて、はっとしたのを今でも鮮明に覚えているといいます。

いざ取材となっても、何を聞けばいいのか、怪我のことを聞いてもいいのか…と、おどおどしていると、その選手が「僕が滑っているところの写真見ますか?」と言い、一枚の写真を差し出しました。

そこに写っていたのは、風をきって雪原を片脚で滑り降りてくる姿。

(これは、“スポーツ”の写真だ)

大きな衝撃を受けた佐々木さんは、その時初めて、“スポーツ選手”としての取材をしなくてはいけないと理解し、それと同時に、何もわかっていなかった自分が恥ずかしくなった、と当時を振り返りました。

 

そこから、新たなメディアを立ち上げようという思いに至ったのが、1998年の長野パラリンピックの頃。

『なんとなくパラリンピック』というブログを立ち上げた、システムエンジニアの方に声をかけられたことがきっかけでした。

“ファンの視線”を持つその方は、アイススレッジホッケー(現・パラアイスホッケー)が好きで、その方と一緒に佐々木さんも取材をするようになりました。

選手が考えてることはこうじゃないか、ああじゃないか、というような話をしながら取材をする中で、マスコミでニュースとして伝えられていることだけではなくて、選手の側に立ち、ファンとして伝えるメディアがあってもいいんじゃないかと思ったそうです。

そのような思いが形となり、 “ファンのメディア”をコンセプトにした独自のメディアーパラフォトが設立され、現在に至ります。

佐々木さんはこれまで、パラフォトの活動を通して、数々のパラスポーツの現場を見てこられました。

その取材でのエピソードについては、また次回、お届けします。どうぞ、お楽しみに。

 

佐々木延江さんのリクエスト曲:エントリー・オブ・ザ・フレーム (ロンドンパラリンピック表彰式のテーマソング)

2018年8月29日
2018車いすバスケットボール世界選手権レポート(最終)

8月16日から26日まで、ドイツ・ハンブルクで開催された『2018車いすバスケットボール世界選手権大会』

 

女子優勝チームは、今大会『全勝』という圧倒的強さを見せつけた、オランダ

 

男子優勝チームは、決勝でアメリカを破り、パラリンピック・世界選手権を通して、初の世界チャンピオンに輝いた、イギリス

 

エキサイティングで熱い戦いが繰り広げられた、11日間。

次の世界大会は、2年後の東京2020パラリンピックです。

この興奮と感動を、ぜひ間近で感じましょう!!

 

最後に。

戦いを終えた、車いすバスケットボール男子日本代表・藤本怜央選手と古澤拓也選手。

日本から、たくさんの応援、ありがとうございました!!