中日・松坂に救いの手を差し伸べた森監督の言葉とは?

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松坂大輔 プロ野球 広島 中日 試合前 練習

【プロ野球広島対中日】試合前練習 松坂大輔=2018年4月1日広島市南区・マツダスタジアム 写真提供:産経新聞社

昨日決勝戦が行われた、春の選抜高校野球。今年は大阪桐蔭高校が史上3校目の「春連覇」を成し遂げて幕を閉じましたが、ちょうど20年前の今頃、1998年の4月8日に行われた春のセンバツ・決勝戦でマウンドに立っていたのが、神奈川・横浜高校のエース・松坂投手でした。相手は、大阪の関大一高。松坂は3対0で関大一高打線を完封、みごとチームを全国制覇へと導きます。この年は、夏の甲子園も制して、春夏連覇を達成したのはご存じの通りです。

あれから20年……「怪物・松坂」は、プロ20年目の今シーズン、新天地・中日ドラゴンズで、新たなスタートを切ることになりました。

2006年限りで、西武ライオンズを退団し、ボストン・レッドソックスに入団。晴れて長年の夢だったメジャーリーガーとなった松坂ですが、2ケタ勝利を挙げたのは、最初の2シーズンだけ。以後は低迷が続き、インディアンス傘下のマイナー球団、ニューヨーク・メッツを経て、2014年のオフ、3年12億円の大型契約で、福岡ソフトバンクホークスに移籍。久々に日本球界復帰を決めたのです。

ところが、日本復帰1年目の2015年、松坂はピッチャーの生命線である右肩に違和感を感じ、戦線を離脱。翌2016年は、シーズン終盤の消化試合・楽天戦に1試合だけ登板しましたが、大乱調で1イニングに5点を奪われ、ノックアウト。去年は一度も公式戦で投げられず、結局ソフトバンクでは、3年間でたった1試合に登板しただけで、退団することになりました。

「さすがの怪物・松坂も、もう終わりだな」

という声も聞こえてくる中、救いの手を差し伸べたのが、中日ドラゴンズでした。実は、森繁和監督は、松坂が西武ライオンズに入団したときの、ピッチングコーチでした。

プロのピッチャーのイロハを叩き込んでくれた恩師が

「うちに来ないか? 死に水はとってやる」

と誘ってくれました。松坂に断る理由などなく、キャンプイン直前に沖縄で行われた入団テストに合格。年俸は単年でわずか1500万円。「背番号99」で再スタートを切ることになりました。

ソフトバンク時代に、調整を急いで失敗した経験から、今シーズンは決して焦らず、オープン戦で、徐々に投球回数を増やしていった松坂。そしてついに今日、KOされた楽天戦以来、およそ1年半ぶりに1軍のマウンドに立つことに。しかも先発マウンドとなると、12年前の西武時代以来のことです。

一昨日、練習を終えた後、

「それなりに緊張感が出てきている」

と語った松坂。おそらく、肩に負担をかけないよう、投げては登録抹消、を繰り返すと思いますが、松坂効果か、去年は巨人戦でも閑古鳥が鳴いていたナゴヤドームが、昨日はほぼ満員の大盛況。今日も恐らく、満員になると思われます。

昨日やっと、シーズン初勝利を挙げたドラゴンズですが、5年連続Bクラスに沈んだチームを立て直すには、若手たちの奮起が不可欠です。

20歳の若さで開幕投手に抜擢された小笠原、また柳ら若手投手が、苦しみながら再び先発のマウンドに立つ「元怪物」を見て、何を感じるのでしょうか?

4月5日 飯田浩司のOK! Cozy up!「スポーツアナザーストーリー」

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