日本は独自に北朝鮮との外交戦略を立てるべき

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3月28日 FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

したたかな外交能力を持つ金正恩氏
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

金正恩 訪中 北朝鮮 中国 要人 車列 オートバイ

北朝鮮要人を乗せたとみられる車列を先導するオートバイ=2018年3月27日(共同) 写真提供:共同通信社

金正恩委員長が電撃訪中~故・金正日も、南北首脳会談前に訪中

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が搭乗していると見られる列車が、中国・北京に到着しました。故・金正日総書記も初の南北首脳会談の前に訪中をしており、4月以降に控える韓国、また米との首脳会談を前に、改めて中国の後ろ盾を置くことが目的とみられます。

高嶋)4月に南北首脳会談が予定されています。5月末までの米朝首脳会談というのもある。今日の新聞を読んでいると、昨日の金正恩朝鮮労働党委員長の中国訪問というのは、父である金正日さんが何度かしていた訪中のときと、状況が非常によく似ているとか。金正日さんも2000年6月にあった初の南北首脳会談を前にした同年5月末に列車で訪中しました。
金正恩という人は、北朝鮮を建国した祖父の金日成に似せてわざと太り、2重アゴにして、同じようなメガネをかけて。「そのうち、今度は首の後ろにこぶを作るのでは?」とか言われていますが、この頃どうも評価があがっていて、「やるな!」みたいな感じになってきていますが、鈴木さんはどうみますか?

鈴木)「やるな」というのは、賞賛ということではなく、したたかだな、ということだと思います。核ミサイル開発を脅しで使い、最近では平昌オリンピック前後からのアプローチですね。そして、その延長線上に、今度は米朝首脳会談や南北会談がある。それで、「いざ」と思ったら、ポッと電撃的に中国に行く。列車に乗っていたのは金正恩と見られています。

高嶋)手がかりとしては韓国メディアがこぞって、決めつけて言っていますよね。

鈴木)そうですね。これからアメリカや韓国と会談するときに、丸裸ではなく、ちゃんと中国という後ろ盾を置いて、交渉に入っていく。そういう意味では、手続きをしっかりと踏まえて、なかなかしたたかというか。そんな感じはありますね。

日本は独自で北朝鮮との外交戦略を立てる必要がある

高嶋)中国も北朝鮮に「怒っている」という報道がありました。そう言いながらも、重大な会談を目前にすると、電車に乗って仁義を切りに行く。

鈴木)中国がこれだけ厳戒態勢をとって受け入れたということですからね。そう言う意味では、したたかだと思います。
それで思うのは、「日本はどうするのか?」という話です。僕が思うにトランプや、日本側にいる人たちです。トランプ大統領にしても、文大統領にしても、やはりそれぞれの国の事情、国益で、嫌な言い方ですが勝手に動きます。結局、彼らがどう動くかは分からないわけですよ。
特にトランプは一晩変わるとどう動くか分からない。だから、そういう人と北朝鮮問題を連携して一緒にやっていても、いつハシゴを外されるか分からない。そういうことが去年からずっとあったと思います。だから、日本独自に北朝鮮の出口戦略を立てるべきじゃないかな、と。これは安倍さんの外交側近も言っていたし、他の議員も言っていました。

高嶋)でも鈴木さんは、「ちょっと安倍さんはハシゴを外され気味。それから例の鉄鋼とアルミの関税についても、日本は例外にならない。だけど、日米首脳会談でひょっとして……」みたいなことを仰っていましたよね。

鈴木)4月に日米首脳会談があるでしょう。ある意味では、「鉄鋼の関税を例外にする」みたいなことを、トランプ大統領が言うと、またお土産を渡される。

高嶋)トランプさんは「100%共にいる」と言いながら、けっこう袖にされているみたいです。安倍さんも何となく元気なさげに見えますが、もしそんなことになれば、「やはりお友達だったのね」となる。

鈴木)そういうことに振り回されず、安倍さんはもっとしたたかに外交をやるべきと思いますけどね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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