錣山親方(元関脇・寺尾)のアダ名がシコ名となった注目の力士とは?

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阿炎政虎 関 堀切洸助

大相撲力士、堀切、本名=堀切洸助、2015年1月28日撮影 写真提供:共同通信社

いよいよ今度の日曜日・11日に初日を迎える、大相撲春場所。大阪で行われる春場所は、別名「荒れる春場所」とも言われます。先場所、平幕優勝を果たして一気に関脇まで昇進した栃ノ心関は、大関を狙って、今場所も連覇を目指します。

さて、今度の春場所で、ぜひ注目していただきたい若手力士がいます。元関脇・寺尾の錣山親方の弟子で、東前頭七枚目、いま23歳の阿炎政虎関です。

実はこの「アビ」というのは、錣山親方の昔のアダ名でした。師匠は「阿修羅のように強く、炎のように燃えて戦ってほしい」という願いを込めて、このとっておきのシコ名を愛弟子に付けました。

阿炎は埼玉県出身。恵まれた体格を活かし、初土俵から2年足らずで 十両に昇進。その後、幕下に落ちるなど足踏みが続きましたが、再び関取の座を取り戻し、今年の初場所でついに新入幕を果たすと、いきなり2ケタ勝利! 10勝5敗の好成績で、新入幕ながらなんと敢闘賞を受賞したのです。

得意は師匠・元寺尾譲りの「突き押し」ですが、阿炎関の魅力はそれだけではありません。まず、なかなかの師匠譲りの男前であること。そして、長い手足を活かした、仕切り前の「四股」の美しさにも定評があります。

長ーい足を、つま先までピンと張った状態のまま、頭の上まで高々と掲げると、ピタッと動きを止める。そしてそのまま、微動だにしない。

これは普段から体幹を鍛えていることの証しであり、遠藤関などと並んで、角界でも屈指の美しい四股と言われています。よく「四股は相撲の基本」と言いますが、「四股がいい感じで踏めたら、その日はいい相撲が取れる」と、阿炎関自身も、その日の調子を見るバロメーターにしているようです。

そしてもう一つの魅力が、その天真爛漫なキャラクター。特に報道陣の前だと、気のいい阿炎関は、新入幕の会見で「目標は、三賞独占です!」とブチ上げたり、ついリップサービスをしてしまう。

初場所では初日、大栄翔関に負けましたが、取組後のコメントは、

「これで三賞が遠のいた」

記者たちも

「阿炎のところに行けば、何か面白いコメントを言ってくれるぞ」

と彼の周りに集まるようになり、初場所では、取組後にいつも支度部屋で報道陣に囲まれていましたが、これは、新入幕の力士としては異例のことです。

本人いわく

「自分は小心者なので、大口を叩いて自分を盛り上げているんです」

初場所でも「新入幕で三賞を獲る」と宣言して、本当に敢闘賞を獲ったのだから、大したものです。

何かと不祥事やゴタゴタが続いた相撲界ですが、有言実行の男・阿炎関が春場所、いったいどんな大口を叩いて、場所を盛り上げてくれるのか? 期待しましょう!

3月8日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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