今後の人生を豊かにする不動産の終活

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今後の人生を豊かにする不動産の終活

高嶋)人生の終わりに向けた活動、いわゆる「終活」。話題になっているのが、不動産の終活。最近使っていない故郷の土地なども含めて、どういう風にしていけばいいのか? そこで、今朝は、「不動産の終活」について野村不動産アーバンネットの伊東秀二(いとう・しゅうじ)さんに伺います。一番多い相談は?

伊東)今、お持ちになっている、使っていない不動産ですよね。「未利用地」と呼ぶのですが、「これをどうしたら、いいだろうか?」というのが多いですね。国土交通省のデータでは、14人に1人、およそ7%の方が未利用地をお持ちだそうです。

高嶋)どんなところに持っているんですかね?

伊東)地方だけでなく、都心部でも使っていない土地が結構あるんですね。

高嶋)あら、もったいないですね。

伊東)相続してそのまんま。どうしていいか、わからないというのが多いんです。例えば、もう生活の拠点は関西なんだけども、親が東京圏に住んでいて、そちらの家が空き家や空き地になってしまっている。まず、その方が今後どうされたいか? その方自身も高齢になっているケースもままありますので、ケースごとに、アドバイスはさせていただいています。

今後の人生を豊かにする不動産の終活

高嶋)亡くなっちゃったから、不動産が出てきたりするケースもあるかと思うんですけど。

伊東)日本でも所有者不明の土地が結構あって、問題になっています。相続登記していないというケースもありますし、それから何となく書類上はここにあるってなっているんですけど、それがどこだかわからないという例もあるんですよね。日本の場合は不動産を表すものは地番というもので、特定するんですけれども、これ地番と住所は違うんです。土地がわかっていても境界がわからないとかですね。実は道路に面していなかったとか。あるいは隣から越境があったとか。色んな土地がございます。まず、活用しようと思っても、そこを片付けなくてはいけない土地というのが結構あるんですよね。

高嶋)大変ですね。

伊東)もちろん測量は専門の方がやられるんですけど、所有者自身がこういった事を理解されていない事があるんですよね。まず、ご自身がどういうところに不動産を持っていて、どういう評価であって、相続の時にどれくらいかかるのかを把握されておくべきなんじゃないかなと思います。

今後の人生を豊かにする不動産の終活

高嶋)次に多いケースは?

伊東)土地を持っているんだけれども、いつか何かやろうと思って、そのままになっているというケースがあります。これももったいないです。例えば、お父様の世代では「アパートをやりたい」とお考えでも、結構、その子供の世代の方はアパートとか不動産投資に興味がないという方が多くて、だったら、タワーマンションが欲しいみたいなケースが多くなっていまして、親と子の間でギャップがあるんですよね。

高嶋)おじいちゃんが残してくれたアパートが老朽化して、解体するだけでも、お金がかかるというような。

伊東)不動産を管理するのが嫌だから、放置しているような事もあるんですよね。

今後の人生を豊かにする不動産の終活

高嶋)それで、もう1つ。今居住している、例えば、年をとって、自宅と土地というものがある場合の話なんですが、遺産相続の件で、今度の国会で提出されるという「居住権」というものが出てきました。あれは何ですか?

伊東)40年ぶりに民法が大きく変わるという事で、今までは「所有権」という考え方しかなかったんですが、この中に「居住権」という新しい考えが加わります。お金で金銭的に評価しようという事にしたんですね。例えば、残された高齢の奥様は相続の時に「居住権」を選択する事で、その家には住み続ける事が今後出来るようになるかと思います。

高嶋)今までは遺産相続のために、分割しなくてはいけないので、2分の1しかもらえませんので、土地や家を売らなくてはいけなかった。そういったケースでも売ったにしても、権利が息子に移ったとしても、お母さんは家に居住する事は権利として、出来る。そういう事ですか?

伊東)例えば、相続評価で2千万円の土地建物。今までは所有権で2千万円という評価だったんですが、今後は、例えば、そのうち、1千万円が「所有権」で、もう1千万円が「居住権」。これをお母さんとお子さんで相続し合うという事が可能になったんですね。所有権がAさん、居住権がBさんが可能になるという意味ですね。

今後の人生を豊かにする不動産の終活

高嶋)対象の方は多いですよね。

伊東)ただ、今の家にそれほど固執する方だけではないような気がします。まだまだ皆さん、元気なので、この機会に売却して、もっと便利なところに引っ越すという方も多いと思います。

高嶋)部屋数減らして、小さくても便利なところにね。

伊東)そういう相談が非常に多いです。終活というと、死をイメージされるかもしれませんが、今後の人生を豊かにする為に、不動産を見直されるのはいいかもしれません。

1月26日(金)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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