民法見直し~「相続」以外に改正すべきこととは?

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1/17(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

遺産の家を「所有権」と切り離し「居住権」を盛り込む改正要綱案
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

民法見直し~「相続」以外に改正すべきこととは?

民法の相続分野を見直し~配偶者に「居住権」を新設

民法の相続分野の見直しを進めている法制審議会の部会は、残された配偶者が遺産となった家に住み続けられる居住権を盛り込んだ改正要綱の案を了承した。高齢の配偶者の住む場所を確保する為、子供が家の所有権を受け継いで売却しても住み続けることができるようにする。

法務大臣の諮問機関である法制審議会の部会が昨日民法の相続分野を見直す要綱案をまとめました。今回は高齢化が進む中、残された配偶者に生活資金を確保しやすくしようというのが狙いで、夫婦の一方が亡くなった場合残された配偶者がそれまで住んでいた家に住むことができる権利「居住権」を新たに設けることが特徴です。

夫婦で済んでいた家が遺産に含まれる場合、所有権とは切り離して配偶者が終身か一定期間の居住権を取得して建物に登記することを可能にします。民法では配偶者に遺産の取り分は原則全体の2分の1なのですが、家については土地・建物のこれまでの評価額よりも安い居住権だけを相続することによって、その分預貯金など他の遺産が多く相続できるようにします。居住権があれば仮に子供が家の所有権を受け継いで売却したとしても今までの家に住み続けることができるわけです。

また結婚している期間が20年以上の夫婦の場合には、配偶者が家を生前贈与あるいは遺言で与えていた場合には遺産の対象から除外するという案も盛り込んでおります。

評価額が高い自宅を相続しますと、残る遺産の分割で得られる預貯金などが少ないと結局自宅も手放さなければいけないという恐れもあり、居住権を設定していれば所有者が変わっても住むことが可能というところが大きなポイントになっています。

民法見直し~「相続」以外に改正すべきこととは?

少子高齢化社会に対応した改正要綱だが遅すぎた? “事実婚”など新たなライフスタイルに合わせてもっと早く法改正が必要

高嶋)住宅の権利というのを「所有権」と「居住権」に分割すると。そして今の時代本当に超高齢化になっていますから、母親なら母親の生活を守るという。

高嶋)これは今度の国会に出るのですか?

森田解説委員)そうですね。通常国会に今度民法改正案を提出する方向です。

高嶋)年金も70歳から取れるようにというので、4割増みたいなことも考えているようですけども、やはり元気なシルバーというか、なるべく現役を長く続けられて健康で人生を全うするような方向に何とか持って行きたいという。病人ばかりだと金が掛かってしょうがないですからね。この辺はなかなかいい考えだと思うのですけど。

鈴木)良いことですよ。良いことですけど、あえて言うともう遅いくらいですよ。つまり少子高齢化なんていうのは“今”ではなくとうの昔から分かっているわけですよね。
これが深刻な問題だし社会構造から経済からガラッと変えてしまうというのは予想できる。その為の備えというのはそのときになってからでは遅いわけで、少しでも早く取り組まなければいけない、そういうのもひとつあると私は思うのですね。生活の多様化とかいろいろとあるのだけど、少子高齢化に対して政治家はもっと早くこういうことをやるべきだった。これだけじゃ無いと思うのですよ。
しかも土地と自宅をしっかり持っている方だけではないわけですよ。今はやはり独り暮らしの高齢者の方も含めてそういう人たちは例えばこの話は全く関係無い。でもその人たちはその人たちで介護や年金も含めた社会保障という形でも備えていかなければいけない。
こんな案もいろいろと国会でありますけど、もう最優先で少子高齢化に関しての政策や法改正も取り組んでいかないといけないことですよね。

高嶋)まあ大豪邸で何百坪もあって、それで1人で住んでいても良いというのはおかしな感じですけど。それだったら処分して小さい家を建ててとか。
あとは嫁・姑とか、この頃は私の世代と違って旦那の母親と一緒に暮らすということはほとんど無いじゃないですか。昔だとその家を後で貰えるからというようなニュアンスがあったじゃないですか。

鈴木)今のやつもそうだけど、例えば価値観も形態も全然変わって来ている中で事実婚というのもあるじゃないですか。法律的には一緒にならないけども本当に長い間支え合うという、そんな社会のスタイルもどんどん増えて来ている。でも事実婚には今回のケースは入っていないですよね。だからやはりもっと早くあらゆることに対応している形に法律を変えていかないと駄目ですよね。

高嶋)もうすぐ通常国会ですけど、森友・加計学園問題ばかりやっていないでこういう問題こそ真剣に討論して欲しいです。

鈴木)最優先なのですよ。本当に先を見通してやる、こういうことがやはり今の政治に一番必要なことだと思いますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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