ゲーム業界 ガラパゴス化からの脱出!

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番組に色々頂くメールの中で、おばあちゃんがね、孫から「今年はサンタさんに任天堂スイッチを頼んでほしい」と言われた。そのおばあちゃん、何のことかよくわからなかったけれども、孫に言われたので、探したけれども、まったく手に入らない。どうしたらいいでしょう? なんていメールを頂きました。

ことしの大ヒット商品、任天堂スイッチ。ファミコンと同じ、ソフトを差し込んでゲームをする機械。家のテレビにつなげてゲームを楽しむこともできれば、機械そのものに液晶画面がついているので、TVなしで楽しむことも可能。29,980円(税抜き)。

今回の「任天堂スイッチ」は、ファミコン以上と言われるほど入手困難。任天堂は今年の夏に、公式ホームページにて「品薄のお詫び」を発表。ことしの秋から冬にかけて増産すると発表したものの、未だまったく手に入らない。

各、家電量販店では入荷と共に先着販売ではなく、抽選販売を行っている。また任天堂の公式ネットショップでも、限定予約受付を行っているものの、毎回、その予約ですら、ネットの回線は全くつながらない。

ゲーム業界 ガラパゴス化からの脱出!

そこには、最近何かと問題の「転売屋の存在」があると言われています。インターネットの普及、オークションサイトの登場により誰もが「転売できる」そんな時代になってしまった。いまや一般人が「任天堂スイッチ」を買い占めてオークションで、高値で販売。さらにAmazonで「任天堂スイッチ」と検索すると普通に販売されていますが、定価ではなく、「4万円~5万円」とプレミア価格で中古業者が販売しています。

そんな任天堂スイッチは今年の3月3日、日本だけではなく、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、香港などで同じ日に、同時に発売されました。実はこの「世界、同時発売」というのがポイントなんだそうです。

ファミコンは日本発売から2年後にアメリカで発売。その後、順々に海外へ。世界の主要国で、同時に発売されるというのは、かなり稀なんだそうです。

最新の発表によると、12月の段階で、世界で1千万台を突破! この勢いにのって12月1日、韓国でも発売が開始されましたが、即完売! 価格は36万ウォン(およそ3万5,500円)。さらに、あくまでも噂ですが、いよいよ来年には中国で発売されるのではないか? と、言われています。

ゲーム業界 ガラパゴス化からの脱出!

ちなみに中国は、今や日本を抜く、ゲーム大国。「テンセント」という中国のゲーム会社、ご存知ですか? ことしの11月、中国企業初、時価総額5,000億ドルを超えました。あのフェイスブックを抜いて世界5位の企業になった。1位はアップル。2位はアルファベット(グーグルの親会社)、3位はマイクロソフト。4位はアマゾン。5位がこの「テンセント」、ちなみに6位はフェイスブック。7位はアリババ。

「テンセント」が、起業されたのは1998年。SNSを使ったゲームや、コミュニケーションアプリなどを開発。およそ10億人のユーザーが登録されている。

11月にフォーブスが発表した世界の大富豪ランキングでは、この「テンセント」創業者のポニー・マー(46歳)は、資産額が450億ドル(およそ5兆円)を突破しアリババのジャック・マーを抜いてアジア1位になった(世界では17位)。

「テンセント」は、これまでにも日本のゲーム会社バンダイナムコや、カプコン、セガなどとも業務提携しています。その「テンセント」が、今年の9月、任天堂スイッチ用のゲームソフト販売を発表し世界中を驚かせました。

ゲーム業界 ガラパゴス化からの脱出!

今後、ゲーム業界は、ゲーム機本体は日本製、そしてゲームソフトは中国製、そしてアメリカ製、ヨーロッパ製などと言ったグローバル化が、進んでいくようです。

それを意識してか、今回の任天堂スイッチは、任天堂の家庭用ゲーム機で初めて、「リージョン・フリー」を行った。リージョン・フリー。聞きなれない言葉ですが、簡単に説明すると、これまで任天堂の家庭用ゲーム機は日本で買ったゲーム機(本体)では日本で買ったゲームソフトしか、遊べない仕組みだった。つまり海外版のファミコンソフトは、日本のファミコンでは遊べなかった。

しかし、今回のリージョン・フリーによって海外で購入した任天堂スイッチ用のゲームソフトを、日本で楽しむことができ、また当然、その反対もできるようになった。

これまで様々なジャンルで、日本は、スマホなどガラパゴス化によるビジネスの失敗などがありました。今後、任天堂スイッチの、リージョンフリーで、世界のゲームソフトメーカーと、日本のメーカーは切磋琢磨して競い合うことになる。

ちなみに、ゲームソフトのアカデミー賞と言われる「The Game Awards 2017」が、アメリカのロサンゼルスで12月8日に発表され、任天堂スイッチ用のゲームソフト任天堂のソフト「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が選ばれました。日本のゲームソフトが選ばれたのは、実に12年ぶりだそうです。

12月18日(月)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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