災害報道で重要なラジオの役割とは?

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1923年9月1日に10万人以上の死者・行方不明者を出した『関東大震災』が発生。
災害についての認識を深め、災害に対処する心構えを準備するための日として9月1日が「防災の日」に制定されています。

そこで9/2(土)ニッポン放送「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」では、「防災特集」を行いました。

災害報道で重要なラジオの役割とは?

ゲストに元NHK解説委員でNPO法人「防災情報機構」会長の伊藤和明さんをお迎えしてお話を伺いました。

増山)伊藤和明さんは1930年生まれ。現在86歳。

辛坊)え、30年生まれ!?関東大震災から7年後ですか?

伊藤)正にそうですね。

辛坊)1945年が終戦だから第二次大戦の記憶はハッキリあるんじゃないですか?

伊藤)もちろんありますよ。食料もなくて、大変な思いをした子供のときにね。

辛坊)生き証人ですが、今日は「防災」の話という事で…元々専門が東大の理学部地学科ですか。

伊藤)当時NHKは、教育番組の拡張期で科学番組を作るとなりまして、地球サイエンスの出身者がいなかったので声がかかったんですよ。

飯田)会長をされている「防災情報機構」はどんな理念で設立したんでしょうか?

伊藤)大きな災害になると行政ができることは限界があるので民間の力を活用しなければいけないということで「防災士」を育成しようと立ち上げたんです。いまでは防災士は10万人以上になっています。

飯田)災害報道をこれまでご覧になってきていかがですか?

伊藤)正しい情報をいかに迅速に伝えるかが、当たり前ですがメディアの役割だと思うんですね。興味本位ではなくて今何が起きているかをきちんと伝えるのが大事だと思うんですね。その中で特に大事なのは「ラジオ」の役割ですよ。大きな災害が起きますとテレビは全国向けに放送します。ところがラジオは、災害が起きた地域で何が問題なのかを被災地向けに伝えるというのが非常に重要で、そこら辺の役割分担はきちんとやるべきだと思いますね。

飯田)東日本大震災当時、ラジオ福島がまとめた冊子があったりコミュニティFMの方に話を聴くと、裏が取れない情報もあったけれど有益だと思ったものに関しては、ラジオで流していたと話してましたが裏取りが出来ないものも流したほうがいいのでしょうか?

伊藤)それは、情報の仕組みにもよると思いますね。

辛坊)それは難しいかもね…。阪神大震災の時に、キャスターをやっていて、情報が結構入ってくるんだけど裏が取れないんだよね。どうするかっていうと、一度電話をもらって、もう一度、コチラから電話をしてアクセスすると。で、コチラから同じ人物にアクセスして、確認できた情報は仮の裏取りが出来たという事で放送したけれど、でも、混乱時って電話が切れちゃうのよ…。結局、かなりの情報は捨てたんだよね…。デマを流す方が怖かったからね。コレは難しいよね。

飯田)そうすると、基本は行政の出した情報が中心になっていくんですかね?

伊藤)そうですね。いかに正しい情報を、正確に伝えるかが重要なんですね。それから、大きな災害になるほど、一番被害が大きい場所の情報が伝わって来ないんです。そこをどうするかがこれからの問題でしょうね。

来週9/16(土)の「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」はゲストに読売新聞特別編集委員の橋本五郎さんをお迎えします!

辛坊治郎ズームそこまで言うか!
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 13:00~15:00

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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