金正恩「今回の発射はグアム牽制するための意味深長な前奏曲だ」

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8/31(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
ミサイル発射は継続予定、各国の対応は
7:11~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

参院外交防衛委員会

閉会中審査で、北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議が採択された参院外交防衛委員会=2017年8月30日午後、国会・参院第24委員会室 写真提供:産経新聞社

北朝鮮のミサイルは今後も日本列島の上空を飛来?

北朝鮮の朝鮮中央テレビは昨日、一昨日発射しました新型の中距離弾道ミサイル火星12の発射訓練の映像を放送しました。この発射を視察しました金正恩朝鮮労働党委員長は、「今後も太平洋を目標に弾道ミサイル発射訓練を頻繁に行い、戦力の実践化近代化を推し進めるべきだ」と指示を出しました。「今回の発射は、米韓合同指揮所演習への対抗措置の序章にすぎない」、「グアムを牽制するための意味深長な前奏曲だ」とも述べまして、グアム沖への発射計画も取り下げていないことをほのめかしています。

また北朝鮮の朝鮮中央通信は、今回の発射訓練について「日韓併合から107年となった一昨日29日に合わせて行われたのだ」と指摘しまして、アメリカだけでなくてそれに追従する日本に対する警告の意味も込められていることを忘れてはならないと、このように強調しています。

韓国の中央日報は、今回のミサイル発射につきまして「アメリカの衛星が北朝鮮の東倉里(トンチャンリ)にあるミサイル発射場での動きを事前に捉え、韓国の情報当局に伝達していた」と報じております。アメリカの衛星はミサイルに液体燃料を注入する様子だとか、車両の動きなどを捉えていたということです。

一方安倍総理大臣は昨夜11時半過ぎ、アメリカのトランプ大統領と電話で再び会談しました。会談後安倍総理は記者団に「圧力を高め、北朝鮮が政策を変えていくために連携したい」と強調しました。今後の対応でトランプ大統領と完全に一致したと述べていますが、内容については明らかにしていません。

そのトランプ大統領のほうは30日、ツイッターで「対話は解決策ではない」と述べています。トランプ大統領は「アメリカは25年に渡って北朝鮮と対話し、金をゆすり取られてきた」とも書き込んでいるます。現在は話し合いや交渉の段階ではないという見方を示し、圧力を一層強める姿勢を強調したとも取られています。ただ、アメリカのマティス国防長官の方は「外交的な解決策が尽きることは無いんだ」と記者団に述べておりまして、引き続き平和的解決に努力する考えを強調しています。

安倍総理は昨日の午前中には韓国の文在寅大統領ともおよそ20分電話会談しまして、国連安保理でのさらに強い制裁決議採択に向け、連携していくことで一致しました。ただ文在寅大統領のほうは、一昨日の発射された日に「今日も挑発があったが、必ず南北関係の大転換に繋げなければならない」と、こう述べておりまして、相変わらず、平和的解決を強調しています。

高嶋)グアムに撃たない代わりに日本列島の上空を飛来するというね、太平洋へ撃ちこむというような、これをまたやるぞというようなことを平気で言っているのですが。

山本)またJアラートが鳴り響く状態でしょうね。


本土着弾の可能性が出てきて焦るアメリカ、悠長な韓国

高嶋)例えばアメリカならアメリカ、その本気度っていうのはどの程度の物なのか、つまり人によっては「いやいや、アメリカ本土は脅かされない限り、そりゃグアム島もアメリカには違いないけれども、本土、ワシントンだとかそういったところに確実に狙いをつけて核弾頭を落とせるようなことにならない限り、アメリカは本気出さないよ」と言う人もいるわけですよね。

山本)それは基本的に正しいと思いますね。今ここでアメリカがかなりトーンが強くなってきたのはやっぱりアメリカの本土に届くかもしれない、それが思ったより早く届きそうだ、というところになってきたのでやっと本気になってきたと。そこは間違い無いんだと思います。ですから従前日本はもう北の持ってるミサイルも、既に射程圏内には入ってしまってますから。これは我々はもう戦略的な問題として捉えてたんですけど、アメリカもここにきて、まだかろうじて西海岸届くかどうかっていうとこですけれど、これが東海岸まで届いてしかも確実に撃てて、しかも固体燃料使って、っていうことになると大変具合が悪い。で、本気になってきたわけです。
軍事抑止の用意してるっていうのはそれは脅しでも何でもなくて、米軍は必ず用意をしているわけで。ダンフォード統合参謀本部議長の東アジア歴訪っていうのは準備をしていることをお忘れなくっていうメッセージです。ですがここにきての外交をどうすんだというところが頭の痛いところですね。つまりトランプさん、安倍総理と2日続けて電話協議っていうのは正に異例中の異例なんですけれど、逆に言えばそう簡単に打つ手としてはクリアなもんじゃない、ということを示してもいるわけですよね。そこへ持ってきて、なんですか韓国は、1日遅れで?しかも会談わずか20分で?対話?寝言言ってんじゃないですよ。

高嶋)韓国とはなんかこう全てに渡って、話は交じり合うということは無くて。実に、考えると、韓国、文在寅さんでしょ?アメリカ、トランプさんでしょ?どっち向いても、左を向いても右を向いてもですね……。

北朝鮮 ミサイル 発射

【北朝鮮がミサイル発射】防衛省に配備されているPAC3=2017年8月29日午前、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

日本はどこに頼るべきか

山本)まあいい役者ですね(笑)。

高嶋)トランプ大統領の口というのは、極めて信頼ができないという風になりますよね。これそうするとどこまで行ったらアメリカが、いわゆるレッドラインというか、本気でキレるというか、そういう風に日本を守ろうとするのか。それから日本列島をまたいでICBMがバンバン来るようにもしなったら、例えば今の第7艦隊だとかああいうところにイージス艦だとかやれ何だとかっていうそういう防御態勢みたいなものでね、どれぐらい守ってくれるかっていう。連携プレイですね。日本はどっちかっていうと、どう比べたってアメリカの力が無かったら守り切れないですよね。

山本)日本の防衛ってことについてやっぱりこれはもう日本自身でどれだけやるかっていうことを考えなきゃいけないわけで。もちろんアメリカとの協調っていうのも大事なんですけども。まあレッドラインがどこかっていうところは判断色々ありますけれど、少なくとも同盟国、それから米軍の出先の西太平洋の基地ですね。これに脅威が及ぶようなことがもしあったとしたら完璧なレッドラインですよね。ですから北の数をもって繰り返し、しかもこれだけ高い頻度で撃ってくるっていうのはこれはもうどっかで歯止めを掛けなきゃいけない。


射程に覆われる日本国、信頼できる連携が必要

高嶋)結局他の国は、言っちゃなんだけど他人事なんですよ。

山本)そうなんですよ。

高嶋)トランプさんだって、日米安全保障条約、例えば色んなところね、範囲内だとか、尖閣のときなんかも言いましたけども。じゃあ事が起きた時に、命を的にと言ったら変だけども、真剣になって日本を助けてくれるのかって言ったら、「そんなのやるわけないだろ」っていう人もいるんですよね。ということは北朝鮮がどんなに危うくても、日本列島だけなんですよすっぽりこう覆われてんのが。

山本)覆われて脅威をちゃんと感じてる国はと。

高嶋)その割に日本人平気ですけどね、まだね。韓国もっと平気だからね、不思議ですけど。

山本)あれは不思議ですね(笑)。いずれにしてもアメリカっていった場合にトランプさんがもちろん大統領だから重要なんですけれど、マティスですとか、要するにアメリカの政権の中に入っている軍人出身の人々、安全保障を担当している人々。結局入れ替わってしまったんですけど、この人達はまだ比較的っていうか、大変現実をよく見て物を考えているように受け止められますので。そういうアメリカの中の信頼に足る部分ときちんと話をして、有事になったらどうすんだ、ということも睨みながら、その前に外交対応どういうことができるんだということを、話の出来る部分ときっちり話をしなきゃいけない。じゃないとトランプさん個人がツイッターに振り回されていたり、それからアメリカの役職の中実は空席だらけなんですね新政権になって。

高嶋)だからそのへんっていうのはきっと日本政府も百も承知なんでしょうね。

山本)その中でどうやって組み立てていかなきゃいけないか。

高嶋)北朝鮮とアメリカが表沙汰にならないけど色々やってるって話がありますけど。

山本)接触はしてるのは事実のようですね。

高嶋)どんな展開してるかっていうのは入ってきてますか。

山本)まあアメリカ人捕まったりしてますからね。とりあえずそこからってことなんですけど。ただ気が許せませんね当分の間。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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