茨城県知事選~現職の橋本知事を支えてきた茨城県政のドンとは?

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8/28(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

自公推薦の大井川氏が初当選
7:10~ やじうまニュースネットワーク:コメンテーター 須田慎一郎(ジャーナリスト)

大井川和彦

茨城県知事選 第一声を上げる新人の大井川和彦氏=2017年8月10日午前、JR水戸駅南口 写真提供:産経新聞社

内閣改造後初めての大型地方選挙

大井川茨城県知事)県民の声をしっかり受け止め、これからの新しい茨城県の扉をしっかり開いていきたいと。

茨城県知事選挙は自民公明両党が推薦する候補が初当選しました。安倍政権は内閣改造後初の大型地方選挙を制した形ですが、今後の政権浮揚に繋がるかどうかは不透明です。

畑中デスク)今回の知事選で当選したのは自民公明両党推薦の大井川和彦さん53歳。経済産業省出身で元IT企業の役員という肩書を持ちますが、大井川さんが49万7,361票を獲得いたしまして、次点の橋本昌さん71歳、現職の知事におよそ7万票の差をつけて当選しました。
大井川さんは7選を目指す橋本さんを念頭に置いて、多選禁止条例の制定を公約にいたしました。ただ選挙戦では自民党から岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、野田聖子総務大臣、小泉進次郎筆頭副幹事長が相次いで応援に入りました。
自民党といたしましては内閣改造後初めての大型地方選挙ということで、是が非でも負けられない選挙というわけだったのですが、このメンバーを見てみますとポスト安倍勢ぞろいという構図にも見えます。敗れた橋本さんですが「県政が中央の戦争に巻き込まれてしまった」という恨み節も放っておりました。
今回は保守分裂選挙ということにはなりましたが、大井川さんと橋本さんの2人で得票率は9割近くに達しておりました。保守王国健在ともいえるかもしれません。民進党は自主投票だったということもありまして、むしろ野党の不甲斐なさも浮き彫りになった選挙ではなかったかと思います。


中央と茨木県政で対立、7選目指した橋本氏の後ろ盾とは?

須田)茨城は完全な保守王国でここ最近のニュースにほとんど登場しませんが、茨木県政にはドンがいます。東京都議会の内田茂さんみたいな人で山口武平さんという方です。内田さん以上に力を持っていて、敗れた橋本元知事の後ろ盾に山口さんが付いていたからこそ、橋下さんが好き勝手に7選を目指したというところがあります。

高嶋)相当の高齢のようですね。

須田)もう90歳を超えていますからね。実は山口武平さんは茨木県選出の国会議員の公認権も牛耳っていた状況もあり、国政にも大きな影響を持っていました。8年前ほどから橋本・山口体制が中央政界と対立関係を深め、茨城県政が言うことを聞かなくなってしまった。何とかこれを打ち破ろうとしてこれまで戦ってきたということが実状でして、ようやくこれに終止符を打つことができました。

高嶋)なるほど。茨城独特の構図もあるということですね。


10月22日に青森・新潟・愛媛で補選!自民党の弔い合戦

高嶋)10月22日には3つの選挙区で補選があります。ちょっと詳しいところを畑中デスクに話してもらいます。

畑中)青森4区、新潟5区、愛媛3区と。この3つの選挙区で10月22日に補欠選挙が行われます。トリプル補選と言われまして、これがどのような勝敗になるかによって、安倍政権の解散戦略にも影響を与えるのではないかと見られています。

高嶋)それぞれがそこにいた議員さんが亡くなっているのですね。

須田)自民党の現職議員ですから、3議席とも自民党ですね。

高嶋)だから弔い合戦になっている。

須田)本来だったら3選全勝が望まれるところですが。今の内閣支持率を見ますと、一体どれくらいの取りこぼしで収まるのかというところでしょうけど。これが1勝2敗になると政権の命運も終わりに近づいてくるのではないかと言われかねない状況です。

高嶋)青森4区、新潟5区、愛媛3区。自民党が一番厳しいところはどこですか?

須田)それぞれ厳しいでしょうけど、青森ですかね。

高嶋)木村太郎氏が当選した青森ですか。新潟の長島忠美氏のこともびっくりしましたね。

須田)新潟の場合は、新潟県知事選と参議院選挙も大敗を期していますから。ここは何とか食い止めたいところだと思います。

高嶋)愛媛は白石徹氏の次男の白石寛樹氏の両立が決定していると。まだちょっと揺れ動いているようですけど。

須田)この補選の結果、動向次第では解散総選挙も早まってくるのではないかという見方も出てきています。


解散総選挙は来年4月以降か?

高嶋)所説ありまして、新聞を読んでいるだけでもいくつか出てきます。例えば9月下旬。

畑中)臨時国会の冒頭で解散ですね。他には10月22日のトリプル補選に合わせて解散総選挙の投票日にしてしまう説。来年3月の2018年度の予算成立直後。さらに来年9月の党の総裁選挙で安倍さんが勝利する前提になりますけど、3回目の勝利をした後に内閣支持率上げ潮ムードで解散に打って出ようと。

高嶋)よくなることを信じてね。これはぎりぎりまで追い込まれると良いことがないように思えますが。

須田)そうですね。来年12月に現職の衆議院議員は任期満了になります。ところが来年の1月から3月は、何が何でも予算案の審議を最優先にしなければならない。年度内に成立させなければならないということで事実上選挙ができません。そうすると4月以降というスケジュールになってきますが、4月以降だとほぼ任期満了。過去に任期満了で自民党は勝ったことがありません。まあ2回しかありませんでしたが。

高嶋)なるほど。あのロッキード事件の三木武夫さんの尾を引いて戦後唯一の任期満了選挙は大敗だったと。麻生さんもぎりぎりで解散して大負けして、民主党の鳩山政権が誕生した。さて、予想するのは酷ですけど、安倍さんの腹のうちはどうでしょうか。

須田)年明け以降、春以降になると思います。ほぼほぼ任期満了に近い形で選挙が行われるのではないかと。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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