日本人の95%が知らないバクテーを食べてみました!【ひろたみゆ紀・空を仰いで】

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「郷に入っては郷に従え」という言葉がありますが、その土地に行ったらその習慣に従うだけでなく、ぜひその土地の郷土料理を食べたいものです。

住んでいる人にとっては故郷の味ソウルフード!
全国各地、世界中にも数多あるソウルフード。

そのうち日本人の95%が知らないと言われるシンガポールのソウルフード「肉骨茶・バクテー」の専門店が、この春、日本に初上陸しました。

その名も『新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー
シンガポールの名物料理といえば、シンガポールチキンライスやチリクラブなどが有名ですよね。バクテーは知る人ぞ知る通のソウルフードなのだそうです。

肉骨茶…肉に骨にお茶ってどんな料理なのでしょう?

肉と骨…骨付きの豚肉を様々な香辛料や漢方、たっぷりのニンニクと共に煮込んでコショウを効かせたもので、豚肉と漢方のエキスで滋養たっぷりです。
茶はスープの意味だそう。看板の茶の文字に、喫茶店だと思って入って来るお客様もいらっしゃるそうですよ。

新加坡肉骨茶,シンガポールバクテー

新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー

バクテーは、シンガポールでは、朝食をはじめ、ランチ・夕ご飯、おやつ、そして日本のラーメンのようにお酒のシメとしても食べられます。
ラーメンと違うのは、二日酔いの朝にも食べること…漢方ですものね。専門店が何軒もあります。

もともとは、中国からマレー半島に入ってきた移民たちの味。
マレーシアでもソウルフードですが、シンガポールとは少し違いがあるようです。
マレーシアは濃い色が出る漢方や中国の醤油を使っているので黒っぽく、シンガポールのバクテーはクリアな出汁の色です。
黒バクテーに白バクテーと呼ぶ人もいるそうです。
レシピを伝えた中国人の出身地が違うためだと言われています。
ちなみにシンガポールは広東省、マレーシアは福建省だとか。

シンガポールのバクテーの味に魅せられ、日本にも専門店を出そうと『新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー』が作られました。

バクテーはもちろん日本にはない味。
しかも、長年続く味はそのお店のもので門外不出!レシピは自分で開発するしかありません。

料理研究家の石井秀代さんは、シンガポールで何軒もの名店を食べ歩きました。
実際にその舌でどんなものが入っているのかを確かめながら。
そして味の再現のため実際に試した漢方は35種類にも上ります。
しかも0.01g単位で配合を変え、来る日も来る日もオリジナルのレシピを開発し続けたのです。
お店を出すまでに2年半が経っていました。

今は、黒胡椒・白胡椒・ニンニク・経皮・西洋当帰・八角など選び抜いた10種類以上の漢方を季節によって配合を変えて用いています。
バクテーの身上は、豚肉の旨味が引き出されたコラーゲンたっぷりのスープ。
豚肉もいろいろなところから取り寄せて試しやっとゴールにたどり着きました。

新加坡肉骨茶,シンガポールバクテー

新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー

さあ、苦労して作り上げた『新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー』オリジナルのバクテー。

そのお味はといえば…
日本に住んでいるシンガポールの方が食べて泣いてしまったこともあるそうです。
逆にシンガポールに住んだことがある日本人にとっては懐かしい思い出の味。
旅行でハマった方にとっても有難い味。
そしてこのお店で初めて食べてすっかり虜になってしまったリピーターさんも多いんだそうです。中には週4回通う方も。

私はバクテーの存在を知らず、こちらのお店で初めて食べました。
見た目は、がっつりスペアリブのスープ。
ニンニクもゴロゴロ見えますし、強烈なパンチのある味なのかと恐る恐る熱々のスープをひと口…

ん~…なんという滋味!暖かいスープが食道を通り胃から体全体に広がっていくような優しい深い味わい!
思わず目を閉じて体の中に意識が集中してしまいます。
何度食べても飽きない驚きの味です。
しかも、食べた後ノドが乾かないのが不思議でした。

こちらのバクテーは、セットメニューになっています。
まず、お肉の骨つき・骨なしを選びます。
そして主食は、ライス・油条(揚げパン)・ミースア(素麺のような細い麺)の中から選びましょう。
実は、この3つが少しずつ楽しめる肉骨茶満喫セットもあります。
私はやはりライスが好きですが、スープにひたした油条もジューシーで捨てがたい。

そして何と言ってもオススメしたいのが追加で頼める「春菊」です!
これには本当に感動しました。
実は私春菊が大の苦手でお鍋などに入っているといつもよけているのですが、勇気を出して口に入れたところ、なに?このふくよかな味わいはっ!!
春菊のクセのある苦味が、漢方のスープで見事に中和されてなんともいえない味わいに変化したのです。
まさか、ここで何十年来の苦手を克服できるとは思いませんでした。
大人気のパクチーも追加オーダーできますよ。肉増しもできます。

中国人が生み出し、シンガポールで育ち、日本で作られた『新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー』
あなたも是非ご賞味下さい。
シンガポールのソウルフードは、日本でも懐かしい味になりそうです。

新加坡肉骨茶,シンガポールバクテー

新加坡肉骨茶・シンガポールバクテー

新加坡肉骨茶(SINGAPORE BAK KUT TEH)
シンガポール バクテー専門店
東京都港区赤坂5-4-14
電話:080-4734-1128
営業時間:平日11:30~23:00クローズ /土日祝11:30~21:00
定休日:年中無休(不定休)

レポート:ひろたみゆ紀

ひろたみゆ紀,空を仰いで

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