韓国大統領選~文在寅新大統領が誕生・畑中報道記者レポート 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/10(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

昨夜ソウル中心部にて勝利宣言:ニッポン放送報道部畑中秀哉記者レポート
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

街頭演説に臨む「共に民主党」の文在寅候補=20170508午後韓国ソウル 写真提供:産経新聞社

街頭演説に臨む「共に民主党」の文在寅候補=20170508午後韓国ソウル 写真提供:産経新聞社


韓国大統領選挙「共に民主党」の文在寅候補が勝利~およそ9年ぶりの革新政権

昨日投票が行われた韓国の大統領選挙で、革新系で国会に最大議席を持つ「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選を確実にしました。革新政権はおよそ9年ぶりで、今日国会で大統領就任の宣誓を行います。

高嶋)もう大統領職に就いて仕事に邁進しなければいけないような、そういうことのようですが、予想通りでした。まずニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。

森田)中央選挙管理委員会によりますと、開票率68%の段階で文在寅氏の得票率が39.69%、一方保守系旧与党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補が25.94%となっています。ですからその差はおよそ14ポイントついたということになります。
文在寅氏は今日の午前中、開票終了後の中央選挙管理委員会の当選認定と同時に大統領に正式就任します。今日正午に国会で就任宣誓を行うことになっています。
また投票率は77.2%で前回をわずかに上回りまして、20年ぶりの高さということになりました。
文在寅氏は昨夜ソウル中心部で支持者を前に勝利宣言を行いました。有権者に感謝の意を示しておりました文在寅氏、一方安倍総理は昨日の深夜「共に仕事をしていくことを楽しみにしている」というコメントを発表しました。日本としては7月にドイツで開かれるG20首脳会合での場で直接日韓首脳会談を行いたい意向ですが、慰安婦問題に関する日韓合意については、再交渉には応じず履行を求めていく方針です。
ではソウルで昨夜から取材中のニッポン放送報道部畑中秀哉記者に伝えてもらいます。畑中さん。

畑中)はい、ソウルです。昨夜の文在寅氏の勝利宣言が行われましたソウル中心部の光化門(クァンハムン)広場におります。あの興奮のるつぼから一夜が明けましたけれども、現在現地は霧雨が降っておりまして、ラッシュアワーですが道行く車はまだヘッドライトを付けている車も見られます。
文在寅氏まさに余裕の勝利と、こういう結果と言って良いと思います。国営テレビのKBSが当選確実を打ったのが昨夜の11前のことでした。
開票率が9%の段階だった訳ですが、既に出口調査の数字が2位以下を大きく引き離していたことと、各地域の分析を見ましても16の地域中ほかの候補が勝った地域がわずか3つしか無かったということもありまして、日本の選挙特番ですといわゆる“ゼロ党”、開票率0%で当選確実という感じがあってもおかしくない、そんな状況だったかと思います。


文在寅氏の大統領としての課題~キーワードは“統合”

森田)昨日の文在寅氏の演説の内容ですが、どのような内容だったのでしょうか?

畑中)紺のスーツ、紺のネクタイ、にこやかながらも終始穏やかな表情で語っておりました。「新しい韓国の為に未来に向かって共に前進する」とか、あるいは「誇らしい大統領になる。私を支持しなかった国民にも遣え、統合大統領になる」とこのように述べておりました。
政策についての言及は無く、この“統合”というのがひとつのキーワードになっています。この統合の仕方というのもこの日韓関係、あるいは国際社会の在り方についても大きな影響を与えると思いますので、ここら辺は注目点かと思います。

森田)そうするとこの統合というのはそのひとつの課題となっている、今少数与党と言われていますのでその辺も意識しての発言なのでしょうかね?

畑中)そうですね。今回余裕の勝利とは言いましても先程森田さんからありましたように、得票率は40パーセント前後ということです。まあ過半数を目標にしていた数字には届かなかったということですね。
ですから場合によりますと「自由韓国党」「国民の党」などを含めますと、まさに少数の党になる可能性がある。ですからそこをどういう風に組んでいくかというのも今後のポイントになってくると思います。


国内では雇用問題の解決 国外では北朝鮮問題について対話姿勢

高嶋)畑中さん。私は一番厳しい大統領になるのではないかという、そんな予感がするのですよね。というのは、“朴槿恵(パク・クネ)憎し”で始まったでしょ、国民運動みたいに。それでその目的を国民、特に若い人を中心に果たした訳ですよね。文在寅さんになった、選ばれた。
ところが、外を見れば北朝鮮の問題がある、それからTHAAD(サード)の問題なんかもある。そして内側では非常に早いペースで高齢化が進んでいるのと、それから若い世代が非常に失業率高いですよね。経済も非常に厳しいと。これ文在寅さんどういうところから手を付けていくのか、すぐ大統領の仕事が始まるようですけど。その辺どう言われていますか?

畑中)まずは雇用問題の解決からということですけれども、これは各方法いろいろ政策を出しておりました。文在寅さんは公共部門81万人の雇用を作ると言う風に話していた訳ですけれども、やはりこれは財源をどうするのかとか、単なるばら撒きではないかというこういう声もありましたから、やはりここら辺は先に手を付けていくとは思いますけれども、かなりハードルは高いと思います。
また北朝鮮問題については、以前お伝えしたように韓国の国民の関心度は決して高くはないのですけれども、やはり対話路線に舵を切るということは主張しておりましたし、国民の方々からはやはり「公約を守って欲しい。初心を忘れずにいて欲しい」という声がありました。こういったものに北朝鮮問題が入っているとするならば、やはり今回対話路線が支持されたと言って良いと思います。
この国際社会のイニシアティブを取りたいというのがこの文在寅氏の本音だと思いますので、この対話路線が果たしてそういう風に向かうのかというのも気になるところではある訳ですね。

高嶋)畑中さん、どうもご苦労様でした。問題山積という感じで、鈴木さんはどう判断していますか?

鈴木)まあ自民党の幹部とか政府の関係者に少しお話をしましたけども、基本的には日本にとっては厳しく、今までせっかく前政権のときは時間を掛けて一歩ずつ歩んできたのだけども、またそれがご破算になる。
例えば日韓合意ももう一回覆されるとかいうことですが、実際に本当に大統領になって政権を運営ということになってくると、そこからやはりリアリズム、リアリティのあることをやっていかなきゃいけない。特に外交はそうですよね。そういうところでいまのところ日本としてはどっしり構えて、今までの路線は変えませんよということをやって、全ては政権運営始まってからひとつひとつ交渉していくと。
それで今は実は見る方向が同じ、例えば北朝鮮問題なんていうのはこれ日本と韓国は足並みを揃えて同じ方向を見る、つまり協調してやっていける話ですよね。そんなものを足掛かりにしてトップ同士の信頼関係を作っていくと、これからだということですね。

高嶋)議会内も含めて全てにまとまりを求めるというのは極めて難しいよね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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