東京郊外の人口が減少!都心は増加!今東京が“江戸化”している!【垣花正あなたとハッピー!】

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FM93AM1242ニッポン放送 月~金8:00~11:30「垣花正とあなたとハッピー
今日4/26(水)「9時の聴きどこ!」では、経済ジャーナリストの森永卓郎が「東京郊外の人口が減少!都心は増加!今東京が“江戸化”している!」と題したトークを展開しました!


郊外の若者が都内に転出している

垣花)都心の人口が増加して郊外が減っているという話なのですが、所沢なんかもそうなのですか?

森永)そうなのです。何が起こっているのかということなのですけれども、人口減少が明確に表れて来たのはこの10年くらいの話です。高齢世代が亡くなって、人口の自然減少というのが起こっていたのですが、それに加えて最近もっと大きな要因がこの郊外に住んでいた若者たち、20代から30代くらいの人たちがどんどん転出していっているというのが今の実態なのですね。


バブル世代の人々は都心部から離れた場所にしか家を買えなかった

垣花)郊外の代表として今所沢を取り上げていますが、所沢で例えて言うなら森永さんの息子さん世代が出て行っている、都心に向かっているということなのですね?

森永)そうなのです。都心に出て行っているのです。それで、少し何が起こったのかというのを、私はある意味で典型みたいな存在なのでお話をすると、私は1985年にバブルが来るのを予想して家を買ったのですよ。その時は買う直前は川崎の溝の口の近くの高津という所の社宅に住んでいたのですね。それで近くが良いというので当時探したら、土地が1坪150万円。もうとても買える値段では無いですよ。当時の年収300万円ですから、年収が2坪で消えてしまうという(笑)。それでこれは断念したのです。
それでいろいろ探したのですけれども、その時にカミさんの実家があったというのもあるのですが、所沢は安かったです。当時坪50万円。

垣花)おお、川崎、高津の3分の1だ。

森永)これなら何とか買えるということで、2580万円の中古住宅、土地30坪、建坪24坪の家を買った訳です。この住宅ローンでも大変だったのですけれども、それでもそういう所じゃないと家が買えないというのが80年代から90年代。

那須)一戸建てと思ったら郊外にということなのですね。

森永)そう。東京都心から50kmくらい離れていないと、家は買えなかったわけです。

垣花)森永さんのようないわゆる家の建て方をした方が沢山いた訳ですね?

森永)沢山いた。それでどんどん人口が増えていった訳です。それでその時に家を建てた人というのが今60歳前後くらいの所にいるのですけども、ただ問題は何かというと、その20代30代というのはそこの子供たちである訳ですね。この子たちが実は東京23区、それも本当に都心部にドーンと移って行ったというのが事実なのです。


20~30代の若者が都心に集中

垣花)23区の中でも都心部のなですね。

森永)これ23区の人口というのは2005年から5年ごとに見ていくと、2005年が840万人、2010年が890万人、そして2015年は920万人。どんどん増えている。

垣花)50万人増えて30万人増えたのですね、5年ごとに。

森永)まあ東京都は1,000万人と言っていたのですけど、今もう1342万人もいるのですね。さらに、特に伸びているのが都心三区と言われる中央区・千代田区・港区という所がガンガン増えている。それでこれはなぜかというと、やっぱり通勤がめちゃめちゃ便利なのですよ。例えば私の方だと、タクシーは電話で呼ばないと普通には走っていないのですね。電車も急行が20分に1本しか無いので。
ところが東京都心部って別に電車も少なくとも5分に1本は来るし、道にはタクシーもいるし、めちゃめちゃ便利なのですよ。それで若い内にガンガン働く時っていうのは、それは都心の方が絶対有利なのですよ。

垣花)いやあ、すごく分かりますね。僕も最悪走れば30分で会社に着ける所に住んでいますからね。

那須)走って30分!?

垣花)もう全力で走れば。だから、遅刻することを想定してですね(笑)。

都心の若者は狭い室内で必然的にシンプルな生活に

森永)ただそこで問題は何かというと、都心はやはり物件価格が高い訳ですよ。家賃も高い。だから例えば都心で私の家くらいの広さの、今は100坪近いのですけど、東京で100坪のマンションなんか借りたらもう何百万もする訳ですよ。

垣花)もう大変なことになりますよね。

森永)それはできない訳です。それで皆がどう選んだかというと、狭い所を借りる。そうすると物が多いと住めなくなっちゃうので、断捨離ブームというのが起こって、なるべく家の中に物を置かないようにして、小さいマンションなのだけれども広く使う。

垣花)何か断捨離ってよく出来ているのですね、そういう意味では。物を減らさなきゃいけないという事情が本当はあるのだけど、それが「シンプルな生活ってオシャレですよ。精神的に良いですよ」っていう考え方を持ち込んだ訳だ。

森永)そう。それで今の若者って物への執着というのがすごく減っていて、私が若い頃なんてもう物欲の塊で、ステレオが欲しい訳ですよ。ステレオといっても今のミニコンポじゃなくてデカいのがバーンとあって、テープレコーダーだってオープンリールですから馬鹿デカいですし、レコードもブワーっと並べるとすごいスペースを取る訳です。そういう暮らしだったのが今の若者って全部スマフォ1台でそれが出来ちゃう。
それでどこに金を掛けるかっていうと、ライブとかフェスなのですよ。要するにインターネットに載らないイベント系にはお金を掛けるけれども、物にはお金を掛けない。これ実は新しいライフスタイルのように見えるのですけれども、実は江戸の庶民はまさにこの暮らしをしていたのですね。


現代の若者のライフスタイルはまさに江戸時代と同じ?

垣花)江戸時代の庶民はそうだったのですか!?

森永)江戸ってすごく地域的には小さい、今の山手線の内側よりも小さいくらいの所で皆が集中して住んでいたのですね。まあ100万都市だったのですけれども、今の皇居の所を中心に武家屋敷というのがあって、そこに江戸の6割の武士が、50万人が住んでいたのですけれども、残り2割が寺社。お坊さんとかが住んでいて、残りの2割の土地に、なんと50万人の町人が集中して住んでいた。まさに長屋なのです。

垣花)落語の世界だ。

森永)それでこの長屋というのは、すっごく狭いのですよ。だけど、火事が多かったというのもあるのですけれども、物をできるだけ置かないようにして、広く暮らして。それで江戸の庶民は何をやっていたかというと、例えば落語を聴きに行くとか。歌舞伎とか楽しんだり、お相撲を楽しんだり。

垣花)似ていますね、今と。

森永)もうそっくりなのです。ライブを楽しむのですよ。というライフスタイル。

垣花)じゃあ長屋は横に広がっていましたけど、今はそれがタワーマンションみたいに上に行っていると。

森永)高くなっているだけで、やっていることは全く一緒なのですよね。


今の若者の子供世代が産まれるとライフスタイルは再び都心から離れる?

垣花)これ加速するのですか? この状況は。

森永)いやでも、私はちょっと変わって来たのかなと思うのは、私の息子たちもこの都心三区に住んでいたのですけど、最近孫が産まれたら練馬の方に、私の家に近寄って来たのですね。

垣花)また今度はそれぞれの世代がファミリーを持ち始めた時に、狭い訳にはいかないなと。

森永)と思うでしょ。違うのですよ、魂胆は。これ実は孫を保育園に預けている訳ですよ。保育園とか幼稚園って熱が38℃以上になると預かってくれない訳です。だけど母親は働きに出ないといけないから、そういう時にどうするか。これここの所毎週のようにカミさんに緊急出動が掛かって来る(笑)。それでこれ都心までは行けない訳ですよ、家すごく遠いから。

垣花)都心と所沢の、

那須)間くらいで。

森永)1時間半くらい掛かるので、その中間で30分ちょっとで駆け付けられる所に住む。だからこういう形でもしかするとこのトレンドがまた変わって来るのかなと、私は思いますね。

垣花)僕なんかで言ったら都心と沖縄の中間だから……(笑)。まあ考え方としては無理ですけど。でもそういうことですね。所沢の郊外で育った子供たちが都心に行き、都心からちょっと離れた。

森永)まあ郊外には行かないのですけど、23区の都心以外の所に移って行くというのがこれから起こるのではないかなと。

那須)あと在宅勤務とかも増えたらそんなに都心にいる必要も無いし。

垣花)働き方が変わって来るとまた違って来るということですね。

森永)でも私は所沢にずっと住んでいるのですけど、空気も水の美味しいし、環境は良いし。

垣花)それでは、そういう想いを込めて最後に森永さんが一言結論を叫びます!

森永)所沢に住めってんだべらぼうめ!

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