猫と犬が原因の火事が増加中!? 原因追究&防止策は?【ペットと一緒に vol.23】

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実は最近、愛猫と愛犬が原因で火事になるケースが増えているようです。
筆者の友人も経験者のひとりで、留守中に愛犬が火をつけてしまって大惨事に!
今回はペットが原因の火事の理由を探り、予防策を考えてみたいと思います。

実例1:愛猫がガスコンロを点火!

ペットシッターの「留守番わんにゃん」の山口照代さんからつい最近、こんな話を聞きました。山口さんのシッティング先の子猫ちゃんが、ガス台に飛び乗って発火してしまったのだそうです。
確かに、点火スイッチを踏み台にしてコンロや調理台に飛び乗ることも、跳躍力抜群の猫たちならばありそうです。
ガスコンロのタイプは、写真のとおり。プッシュ式で点火するタイプです。

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バーを押すタイプのガスコンロはペットでも点火できる!

ちょうど山口さんが猫ちゃんたちのお世話中に起きたので、火事には至らず。
「でも、もし飼い主さんの留守中に同じことが起きたらと思うとゾッとしますよね」と、山口さん。
シッティング先には、ガス台のすぐそばに菓子箱やフードなどを置いていたり、コンロの上を一時的な物置のようにして使っていたりするケースもあるそうです。これは危ない!

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「飛び乗ろうと思ってるけど、ひねって点火するタイプだからこれは安全でしょ?」

実例2:愛犬が留守中に火事を招く!

次は犬が原因で火事にまでなったケースです。
筆者の友人が外出中、携帯の画面に見慣れない電話番号からの着信が何度もあったそうで……。深夜の外出中だったため、なんとなく警戒して出なかったのですが、数分置きに着信があるので応答してみたところ、「大変です! お宅が火事です。近所の方の通報で、今、消防車数台が到着して消火活動を行っています」と。

驚いた友人が急いで帰宅すると、マンションの駐車場に愛犬のラブラドール・レトリーバーが繋がれているのを発見。「あぁ、愛犬は無事だった」と胸をなで下ろしたのも束の間、見上げると、マンションの自室の窓からは炎と黒煙が……。結局、1LDKの半分ほどが燃えてしまったそうです。

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大型犬だけではなく、ジャンプ力がある犬種も要注意

「現場検証によると、ガスコンロが火元みたい。実は出かける直前、食料品の小さな箱が宅配便で届いたんだけど、急いでいたからガスコンロの上にそれをひょいっと置いて出ちゃったんだよね。食べ物の匂いが気になった愛犬が、前足を点火スイッチにかけて出火してしまって、その箱が燃え始めたんだと思う」と、友人は振り返ります。

ペットが原因の火事の防止策は?

ペットが原因の火事が増えている理由は、プッシュ式の発火スイッチのガスコンロが最近は主流になっているからといえます。

出火予防策として一番簡単なのは、ペットをキッチンに入れないようにすることかもしれません。「ペットゲート」や「ベビーゲート」をキッチンスペースに設置するのが一案です。

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ペットゲートを活用するのが火事予防策のひとつ。

でも筆者宅のように、リビングの壁際にコンロが設置されていて、ペットが入れないようにうまく区切れないとしたら?

前述の山口さんは、「あれ以来、シッティング先からの帰り際には、ガスコンロの元栓を閉めるようになりました」と語ります。なるほど。万が一ペットがプッシュ式スイッチに触れても、これならば点火しません。
留守をする前には、元栓を閉めるのを習慣にしておけば安心です。

もしそれも忘れそうだと心配ならば、ひねる点火スイッチタイプのガスコンロに取り替えるという方法も。少々お金はかかってしまいますが、検討の価値もありそうです。

春は火事の多い季節といわれます。空気が乾燥して、風の強い日が多いからだとか。
ペットが原因の火事には気をつけて、ぜひ予防策を講じたいものです。

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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