岡山駅「愛媛みかんブリの西京焼き弁当」(1,180円)~蒸気機関車or新幹線?特急「しおかぜ」で四国へ!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

By -  公開:  更新:

bl170404-1(8600系しおかぜ)

8600系・特急「しおかぜ」

東京朝6時の「のぞみ1号」から、岡山で特急「しおかぜ」に乗り継いで、四国にやってきました。
まあるいブラックフェイスが特徴的なこの電車は、平成26(2014)年デビューのJR四国8600系。
「レトロフューチャー」がデザインコンセプトで、蒸気機関車がモチーフと伝えられています。
国鉄の蒸気機関車には、かつて「8620形」という機関車がありました。
「ハチロク」と呼ばれ愛されたこの機関車は、四国鉄道発祥の地・多度津駅前に保存されており、新たな四国の看板車両に「8600系」と付番したコトを考えますと、この電車は“現代版のハチロク”という位置づけなのかもしれません。

bl170404-2(8600系しおかぜ)

8600系・特急「しおかぜ」

特急「しおかぜ」は、岡山と松山の間を2時間40分あまりで結ぶ列車です。
「しおかぜ」は概ね、毎時1本運行されており、瀬戸大橋を渡った先の宇多津で、高松発着で松山を結ぶ特急「いしづち」と分割併合を行います。
日中は、途中の丸亀~観音寺間で、駅弁・飲み物などの車内販売があります。
また、この8600系電車は、普通車も全席コンセント付で、シートには可動式枕が付いています。

bl170404-3(瀬戸内海)

瀬戸大橋からの瀬戸内海

「しおかぜ」は、岡山を出ると最初の停車駅・児島で、JR西日本からJR四国の乗務員に交代。
鷲羽山トンネルなど、数本のトンネルを抜けると、いよいよ瀬戸大橋を渡っていきます。
瀬戸大橋の開業は昭和63(1988)年ですので、コチラも早いもので、来年で30年!
すっかり岡山・高松は生活圏が一体化しているようで、岡山~高松・多度津間は「ICOCA」エリア。
実はSuica/PASMOなどで瀬戸大橋を渡ることも出来ちゃうという訳です。

bl170404-4(愛媛みかんブリの西京焼弁当)

愛媛みかんブリの西京焼き弁当

8600系電車のオレンジのラインは、愛媛の柑橘類に因んだもの。
そんな新しい「しおかぜ」で駅弁を食べるなら、何と言っても「愛媛みかんブリの西京焼き弁当」(1,180円)が最も旅情を誘ってくれそうです。
調製元は、岡山駅弁の「三好野本店」。
特急「しおかぜ」の丸亀~観音寺間などで車内販売でも、この弁当は積み込まれていました。

bl170404-5(愛媛みかんブリの西京焼弁当)

愛媛みかんブリの西京焼き弁当

【お品書き】
みかんブリの西京焼き
も貝のしぐれ煮
厚焼き玉子
人参煮
椎茸煮
紅生姜
白飯(刻み海苔)

bl170404-6(愛媛みかんブリの西京焼弁当)

愛媛みかんブリの西京焼き弁当

ふたを開けると、フワッと漂ってくるのは、さわやかな柑橘系の香り。
それもそのはず、「みかんブリ」というのは、愛媛特産の「みかん」の皮などを餌に育った、愛媛県産の養殖ブリのことで、昨今の“魚離れ”への起爆剤として注目されている食材なんですね。
よく焼魚に柑橘類が添えられていて、キュッと絞っていただいたりしますが、アレに近い感覚!
食後も口の中が魚臭くならず、爽快な余韻が鼻に抜けていきます。
加えて、ご飯との間に振られている刻み海苔との相性が良く、とても食が進みました。
「しおかぜ」に乗るなら、四国旅のキックオフ駅弁として、ぜひ岡山で買い求めたいものです。

bl170404-7(8000系しおかぜ)

8000系・特急「しおかぜ/いしづち」

8600系の先輩に当たるのが、平成4(1992)年デビューで、今年で25周年の8000系電車です。
新幹線のような流線形が特徴で、車内は指定席車両を中心に木の温もりが感じられるシートにリニューアルされており、まだまだ8600系と共に活躍が続きそうです。
蒸気機関車と新幹線、2つのタイプが選べる本州~四国の連絡特急「しおかぜ」。
アナタは、どっちの「しおかぜ」に乗りますか?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top