4/4(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！③
首謀者は2人、同時多発テロを狙ったものか
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター富坂總(ジャーナリスト･拓殖大学教授)
RUSSIA-METRO-BLAST=20170403 写真提供：時事通信
爆弾には殺傷能力を上げるため金属玉が仕込まれる 11人が死亡
ロシア北西部にある第2の都市サンクトペテルブルクの地下鉄で3日午後爆発があり、国家テロ対策委員会は11人が死亡し、45人が怪我をしたと明らかにしました。車両内でなんらかの爆発物が爆発したとみられ、インタファクス通信によりますと捜査当局が容疑者2人の行方を追っているということです。
高嶋） ちょうどサンクトペテルブルクにウラジーミル・プーチンさんがいたということですが。まずこの情報につきまして、ニッポン放送報道部の森田耕次解説委員です。
森田） サンクトペテルブルクは旧レニングラード、ロシアにおける文化芸術の中心地でエルミタージュ美術館が有名です。プーチン大統領やドミートリ―・メドヴェージェフ首相の出身地でもあります。サンクトペテルブルクの地下鉄で3日の午後2時40分ごろ、日本時間の昨夜8時40分ごろ爆発がありまして、これまでに11人が死亡、45人が怪我をしています。爆発は市の中心部にあるセンナヤ広場駅と工科大学駅の間で起きました。爆発は一回で、自爆ではなくて爆発物が設置されたという見方が強く、爆発物に金属片などが仕込まれていたという情報もあります。当局は地下鉄のすべての駅の出入り口を閉鎖しました。またロシア国営テレビによりますと、爆発があったのとは別の路線の駅でも殺傷力を高めるため、多数の金属玉を詰めた爆発物が見つかったということです。インタファクス通信は捜査当局が容疑者2人の行方を追っていると伝えておりまして、連続爆発を狙ったテロの可能性が出てきました。インタファクスは容疑者2人の詳細を伝えてはおりませんけども、1人が地下鉄の車両の中に爆発物を設置し、もう1人が蜂起(ほうき)広場という駅に爆発物を置いたということで、この駅に置かれた爆発物は消火器に偽装されていたということです。プーチン大統領はこの日、サンクトペテルブルクで市民らとの対話集会に参加した後、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と首脳会談を行いました。プーチン大統領は会談の冒頭で記者団に対し「なにが起こったのか完全に解明するため、捜査機関が全力を尽くす」と述べました。ロシアは2015年の9月に過激派組織IS(イスラム国)などテロ組織壊滅を名目にシリアで空爆を始めておりまして、治安当局が国内での報復を警戒し警備を強めていたところでした。ときに大統領が訪れる地方都市の場合には、建物の上に狙撃兵が配置されるほど、警戒レベルは最高水準となっていたときの事件ということで、政権への打撃にもなりそうですね。
今回のテロは国内で手引きした人間がいる？
高嶋） プーチンさんという方は誰に狙われてもおかしくはないと。常に身辺警護はすごいと思います。モスクワの地下鉄で2004年と2010年に爆弾テロが起きて、駅やホテルの入り口に金属探知機を設置するとか、厳重に兵士とか警官を配置して水も漏らさないという感じで。だけどやられてしまう。今回は消火器ですか？
森田） そうですね。爆発しなかったほうが消火器に偽装された爆発物でした。
高嶋） チェチェン共和国でなにか格言がありましたよね？
森田） そうですね。7代先まで呪いをかけ、怨むと。
高嶋） やられたら7代にわたって報復しろと。チェチェンだって今は落ち着いていなませんよね。どう分析されますか？
富坂） 犯人が捕まらないとなんとも言えませんが。気になっているのはプーチン政権の国内がちょっとわさわさしているのではないかと。盤石だと見られているプーチン政権が、この間政敵を殺されたこともありました。もちろんプーチンが殺したというわけではありませんが。国内で政治的不協和音がキシキシと出ていたところでこれですから。連続爆破という大規模なものを果たしてあの状態で仕掛けられるだろうかと。最近ローンウルフ型が増えていたので、なんとなくそうなのかなあと。犯行声明も出ていませんのでね。国内で手引きした人がいないとできないのではないかと思いますね。
高嶋） 先ほどニッポン放送の単独放送のコーナーでプーチンさんがいつも遅刻してくるのは「狙われないため」だとか。安倍さんとの山口での会談もそうだったりして、ああいうのはごくごく当たり前だと。それくらい身辺警護に神経を使っているのは間違いないと。来年の3月に大統領選挙ですけども、相当なことがなにか起きそうですか？
富坂） それに向けて、いつまでも許さないよという勢力も動き出していると。ますますヒートアップしていくのではないかと。
高嶋） とにかくどこがやったかというのは全然わかりません。いずれにしてもロシアの国内、プーチンさんの周辺は非常にきな臭く、霧で覆われているというところから起きた事件ですね。
