熱いブースターと共に首位・川崎との「神奈川ダービー」に挑む~横浜ビー・コルセアーズ・竹田謙選手インタビューその① 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
B1・B2の18チームで合計およそ400人近いプロバスケットボールプレイヤーがプレーする中で、Bリーグの開幕とともに現役に復帰した選手がいます。

横浜ビー・コルセアーズ@680px (2)

©B-CORSAIRS

「彼が入って、流れが変わりましたね」私が実況をしているとき、解説の方から何度、その言葉が発せられたことか。
その「彼」は青山学院大学を卒業後は5つのチームを渡り歩き、日本代表でもプレーし一度は引退。女子チームのアシスタントコーチを経て、2年ぶりに現役復帰しました。
その経験を糧にチームの流れを好機に幾度と変える「彼」こそ、横浜ビー・コルセアーズの竹田謙選手。今年で37歳。チーム最年長選手です。

横浜・竹田選手1(w680)

©B-CORSAIRS/T.Osawa

かつて新潟や栃木など、熱心なブースター(ファン)のいるチームでプレー経験のある竹田選手。
横浜ビー・コルセアーズのブースターも、ホームアリーナの横浜国際プールを多く埋め、「ビーコル」熱全開でチームを後押ししています。
「ビーコル」ブースターの存在について竹田選手は「開幕戦も、ホームアリーナが横浜国際プールに移ってからもどんどんシーズン追うごとに熱くなってきているなと肌で感じているので嬉しいです。一方で逆にチームの成績が下がっているので、もどかしい部分もあります。皆さんのためにも、ここからは良い結果も残したいと思いますね。」
とチームがどんな状況であれ、声援を送り続けるブースターを心強く思っています。

横浜という大都市をホームタウンとしているビー・コルセアーズ。
Bリーグの理念でもある「地域密着」度という意味では「未知数だったんです。都会の人も多いですし横浜なので、もしかしたら熱い感じにはならないかもと思っていましたが、いい意味で裏切ってくれて嬉しいですね。あれだけ大きいアリーナで一杯になるのは迫力がありますし、色んな人がバスケットを見てくれているというのはすごく刺激になります。」と満足そうでした。

アリーナ1(w680)

横浜・竹田選手2(w680)

©B-CORSAIRS/T.Osawa

私が実況をしていても声や動きで圧倒されるほどの迫力を感じる「ビーコル」ブースターですが、その存在が特に象徴的だったのは1月3日の京都戦でした。
横浜が69-64とリードして迎えた第4クオーター残り37秒に京都の岡田優介選手が3本のフリースローを獲得。岡田選手は85%を超える高いフリースロー確率を誇るだけに、3本の全てを決めてもおかしくありません。
横浜にとっては残り30秒で2点差まで迫られかねない状況でした。
そこでフリースローを構える岡田選手に対し、ブースターからは耳をつんざく、横浜国際プールが揺れるようなブーイングが浴びせられたのです。そして岡田選手はフリースローをなんと3本とも外し、流れを渡さなかった横浜ビー・コルセアーズは勝利を収めました。

竹田選手はあの時を振り返って
「(岡田選手は)もともとシュートがすごく上手な選手ですし、フリースローの確率もかなり高いので…まさか3本も外すとは思わなかったです。ブーイングが彼の耳や目に入ったりしたことが、かなり影響していると思うので、びっくりしましたね。自分も体験したことなかったですし、勝負所で3本(フリースローを外す)というのはなかなか起きることではないので。」
と経験豊富な竹田選手ですらビックリするほどの力をブースターが発揮し、横浜を勝利に導いてくれたのは間違いありません。

横浜・竹田選手3(w680)

©B-CORSAIRS/T.Osawa

横浜ビー・コルセアーズの所属するB1・中地区は、川崎ブレイブサンダースがチャンピオンシップ一番乗りを決めました。来る4月1日と2日に、強敵の川崎をホームの横浜国際プールに迎えてのゲームが行われます。現状、中地区5位の横浜にとって上位チームを追いかける上で、避けられない強敵。
そして両チームの対戦は同じ神奈川にホームタウンがあるいわゆる『神奈川ダービー』でもあります。

実は竹田選手は川崎市高津区の出身。この『神奈川ダービー』について「同じ神奈川県のチームですし、小さいころから見ていたチームなので特別な思いがあります。」と少し意識しつつも、「ただ自分たちにとっては相手のひとつですし、(川崎は)去年のNBLの優勝チーム。戦力も揃っていて、ひとつひとつのプレーの質が高いです。」と冷静です。

それでも「神奈川ダービーは自分にとって楽しみ」と話していた竹田選手。川崎のある選手に理由のひとつがあるようです。
「マッチアップする辻直人選手は大学(青山学院大)の後輩だし、日本を背負って立つ選手。マッチアップできるのは自分にとっても大きな挑戦でもあり楽しみでもあります。」と川崎ではもちろん、日本代表でも屈指の3ポイントシューターである辻直人選手の名前をあげていました。
「(川崎)は長所が多いし、どの選手も特徴があります。でも後輩だからかもしれないですけど、辻選手は気になりますね。」と目を光らせていました。11歳の年の差も関係なし、といった感じで大学の後輩に対し先輩の意地を見せられるか『神奈川ダービー』の見どころの一つと言えそうです。

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

横浜・竹田選手4(w680)

©B-CORSAIRS/T.Osawa

相手の川崎は強力なオフェンスが武器のチーム。辻選手はもちろん、現在得点ランクトップのファジーカス選手などタレントも豊富です。
勝利のポイントについて竹田選手は「うちのディフェンスがどれだけ機能するかが一番だと思います。インサイドのファジーカス選手が当然(川崎の攻撃の)中心ですけど、川崎はトラジション(攻守の切り替え)からのファストブレイク(速攻)でポンポンポンと続けて点を取った時に流れに乗ってきます。そのきっかけをつくらせないように我慢強く1回、1回ディフェンスを40分間でキッチリできれば、川崎にジャブのように効いてくるはずです。それが川崎の焦りにつながってくれれば、勝機が見えてくると思います。」と話していました。
守備でのひとつひとつの積み重ねが勝利への近道というところでしょうか。

さらに「シーズン終盤の大事な試合ですし、どんな試合も負けられない、強い気持ちで入ることが大前提です。最後の勝負の1点、2点で、その気持ちがプレーに出ることはよくあることなので、全員が強い気持ちで試合に入れるように準備したいです。」と付け加えてくれました。

横浜・竹田選手5(w680)

©B-CORSAIRS/T.Osawa

強敵との『神奈川ダービー』に挑む、横浜ビー・コルセアーズ。もちろんブースターの後押しは不可欠です。
まだバスケットボールを生で見たことのない「ビーコル」ブースターの予備軍であるあなたに向けて竹田選手の感じるバスケット観戦の魅力を聞きました。
「近くで大きな選手が走って、飛んで。ボールの動くスピードも早いです。そういうスピード感こそ、バスケットの醍醐味だと思います。これは会場でしか味わえないですね。また得点が沢山入るので、1時間半の中で何度も喜んだりガッカリしたり、喜怒哀楽を何回も味わえるのもバスケットの面白いところかなと思います。」と話してくれた竹田選手。

コートに入って流れを変える姿はまさに「コート上の指揮官」。
竹田謙選手にとっては縁の深い『神奈川ダービー』でも、その存在感をいかんなく発揮してくれるはずです。
ぜひ週末は横浜国際プールで奮闘する竹田選手のプレーに注目してください。

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース
開催日:4/1(土)18時~、2(日)14時~
会場:横浜国際プール(横浜市営地下鉄グリーンライン「北山田」駅から徒歩約5~10分)
チケット:https://b-corsairs.com/ticket/
横浜ビー・コルセアーズ:https://b-corsairs.com/
Twitter:https://twitter.com/b_corsairs
Facebook:https://www.facebook.com/YokohamaBcorsairs/

次回は3月31日(木)の更新予定。
引き続き、横浜ビー・コルセアーズの竹田謙選手に異例ともいえる「2年ぶりの現役復帰」についてお話を伺います。

(清水久嗣)

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