東日本大震災から6年 元防衛大臣・小野寺五典議員が語る地元・宮城県の復興【ひでたけのやじうま好奇心】

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東日本大震災から6年。
今週の「やじうま好奇心」は東北各地の復興の現状と課題について取り上げています。
今朝は、震災直後から地元・宮城県の復旧・復興に尽力されてきた、元防衛大臣、自民党・政調会長代理、小野寺五典衆院議員にお話をうかがいました。

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高嶋)小野寺さんは宮城県気仙沼市のご出身。当日のことは覚えていらっしゃいますか?

小野寺)毎年3月11日になると、その瞬間、自分は何をしていて、どういう思いをしていたのか、日本中の誰もが考えられることだと思います。

私のことで言いますと、あの日は菅直人元首相が外国人からの献金問題で「今日にも辞任か」という記事が朝刊の一面。
私は東京でそれに備えていて、夕方に地元・宮城県に戻る予定を立てていました。
そして実家へのお土産を買いに出掛けた銀座から党本部に戻る途中で、あの地震に遭いました。
その後、2ヶ月間は 私も電気・ガスなしの被災生活を送りました。
被災直後の様子、避難所や仮設住宅、そして全国からの支援…いろんな経験がギュッと詰まった毎日でした。

高嶋)ご実家は地元で旅館を経営されていて、津波で大きな被害も遭ったそうですね?

小野寺)実家は、海の目の前にある旅館で木造の3階建て。2階の天井近くまで津波がきていました。
家族は3階の屋上に逃げたので命を取り留めましたが、そのあとは大変な状況が続きました。
いまは自分の育った建物もなくなって、町の風景はガラリと変わりました。

高嶋)小野寺さんは被災者であると同時に地元選出の政治家でもありますね?

小野寺)被害の大きかった岩手・宮城・福島の選挙区で当選していた自民党議員は私1人。
当時は民主党が与党で、自民党は野党。野党での被災地の声をすべて背負って代弁しなければいけない状況でした。

高嶋)震災直後から被災地に入り、東京と宮城を往復される日々を送られてきましたが、どのような活動・政策の実現をされてきたのでしょうか?

小野寺)震災直後は本当にゼロからのスタートでした。
例えば「瓦礫の撤去」。もともと撤去費用は、自治体が1割負担、国が9割負担することになっていたのですが、あれだけの量の瓦礫を撤去しようとすると、1割の負担でも自治体が破産してしまう状況だったんですね。
そこで「そんな非現実的な制度はないだろう」と、国が100%負担するという制度を国会で議論し、民主党の皆さんにも理解を頂いて制度を整えました。

また復興の際に再建する建物・工場・家などについても、自治体では費用を負担しきれないので、国が中心になって行うという制度を整えました。
とにかく、あらゆるスキームを、与党・野党問わずに協力してゼロから作り上げていったという感じです。

当時は民主党が政権を握っていましたが、相当踏み込んでいろいろな支援もいただけました。
後からみれば反省点もありますが、あの瞬間は「政局」ではなく、日本の危機を何とかしなければと、「政治」が一致して動けたと思います。

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がれきが散乱する道路を横切って水をくみに行く人たち=2011年3月14日、宮城県気仙沼市 写真提供:共同通信社

高嶋)宮城県の復興もありますが、原発の事故に関しては今でも先が見えませんね?

小野寺)原発事故の深刻さ、当時はすべて把握できない状況でもあったので、菅首相や枝野官房長官も、その時点でのべストを尽くされたと思います。
自民党が政権に戻ってからも原発事故の対応をしていますが、当初の予定からはどんどんズレ混んでいるのが現状です。
初めての事故、技術がゼロの中で 手探りでやっていくしかない、原発の処理というのは大変難しい、ということを痛感しています。

高嶋)災害を忘れることは絶対にできませんが…少しでも被害に遭われた方の心を元に戻すために 私たちに出来ることは…?

小野寺)「あの震災は忘れないよ」「皆さんが今でも頑張っていることは知っているよ」「私たちも応援していると」という皆さんからの励ましでいいんだと思います。
復興にあたっては全国の皆さんからの支援や、国からも補助金・助成金などで支援を受けていますので、復興のかたちが見えてきています。
もちろん、福島に関しては、まだまだ復旧できないところもありますが、大きな意味では復興に向けて1つ1つ前に進んでいるんだと思います。

高嶋)今、復興に向けて一番大切なことは何だと思われますか?

小野寺)かなりの政策はできていると思いますが、やはり被災地の方々の心の問題。
被災直後は避難所でみんなが一緒だったけれど、今は自分の家に住んでいる人もいれば、依然として仮設住宅での生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。
そうなれば、その格差が生まれてきます。
その格差が最も心に影を落とすことにつながりますので、この格差をはやく是正して、被災地の皆さんが共に復興を喜べる雰囲気を作っていきたいと思います。

高嶋)これからも地元のため、日本のため、頑張っていただきたいと思います。

小野寺)全国の皆さんからの支援、自治体の職員の頑張り、自衛隊、米軍、あのとき世界中からお世話になった感謝は今も変わりません。
全国の皆さんに感謝を申し上げます。

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3月9日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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