人はみな死と向かいあって暮らしている【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第174回

By -  公開:  更新:

jaku_174_IMG_0570(w680)

三島由紀夫さんの自決のショック以来、自分も含めて、人はみないつでも死と向かいあって暮らしているとしか考えられなくなっています。わたし自身、三島さんより早く、自殺していたかもしれません。そのわたしは、自殺するのと同じエネルギーで出家したのです。自殺と出家は同じではない。けれども生きている人より、いまのわたしには、死者の、とくに自ら死を選びとった人の霊魂のほうが親しいような気がするのです。

瀬戸内寂聴

撮影:斉藤ユーリ

出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫

Page top