人間関係をよくするには【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第171回

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百八つは、数字の百八つではありません。仏教では無限を意味します。
大晦日に鐘を百八つ、人間の煩悩を叩くといわれるのは無限の煩悩がわたしたちにはあるということです。心を清らかにすれば煩悩がなくなる。人を憎まなくなる。人を愛することしかできなくなる。人に施しを与えたくなる。
こういう気持ちを育てていけば人間は苦しまない。
お釈迦さまは、そう悟られたのだと思います。
なかでも人を憎むこと、これがいちばんつらい。
人を憎まないようにするには、その人のいいところを見つけだしてあげることです。
どこか必ずほめるところがあるものです。
人間のいいところと悪いところは裏表です。だから相手の裏を見ないで、表のいいところだけを見てあげればいいのです。
視点を少し変えてみる。すると人間関係がうまくいきます。
人を憎みながら眠りにつくときのいやなこと。それより好きになって、その人を思いながら眠るほうがずっと楽しいのです。

瀬戸内寂聴

撮影:斉藤ユーリ

出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫

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