就職氷河期世代の支援とともに政府がすべきこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月24日放送)にジャーナリストの有本香が出演。政府が発表した「就職氷河期世代」の支援に向けた行動計画について解説した。

就職氷河期世代の支援とともに政府がすべきこと

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

氷河期世代の支援~2019年度内に内閣府と厚労省で中途募集を実施

政府は23日、バブル経済崩壊後に就職難だった30代半ばから40代半ばの、いわゆる「就職氷河期世代」の支援に向けた行動計画を発表した。企業への就職を促進すると共に、国家公務員では内閣府と厚生労働省で中途採用の募集を今年度内に開始。官民で就職氷河期世代の正規雇用者数30万人増を目指す。

飯田)経済財政諮問会議などで定義がなされていますが、1993年~2004年に学卒期を迎えた世代。高卒だと1975年~1985年生まれ。大卒だと1970年~1980年ごろに生まれた人ということになります。

有本)もしかして飯田さんはドンピシャですか?

飯田)そうです。2004年に入社しているので、ギリギリです。厳しかったですね。周りはほとんど正社員で就職ができず、1年間の就職浪人をする人や、大学院に行く人もいました。

有本)私たちはすでに社会に出ていて、氷河期だという実感がなく、じわじわと深刻になって行った。下から入って来ないな、という感じでした。1993年はいまの安倍内閣、安倍総理や高市総務大臣が新人として政界デビューした年です。あの方たちは氷河期から政治家を始めた。安倍さんは下野したときからスタートしているのです。そういうことから言っても、この世代を厚く支援しなければという気持ちはあるのでしょう。とても深刻だと思うのは、2019年の年間出生数が90万人を切るだろうと言われています。予想よりも2年前倒しで90万人を割り込んでいて、人口が減って行くわけです。これと氷河期世代は関係があるでしょう。就職できないから結婚もできず、従って子どももできないという構図です。

就職氷河期世代の支援とともに政府がすべきこと

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

子どもが持ちやすくなる政策を取るべき

飯田)全部つながっていますね。

有本)年齢が上になって仕事ができて、結婚したから子どもを持つことが可能になるかというと、それは厳しいものがあります。この人たちを支援して、このまま歳を重ねるということがないようにするのと同時に、いまの若い世代が子どもを持ちやすくするために、相当思い切った政策を打つことが大事なのだと思います。厚生労働分野だけでなくあらゆる省庁が、少なくとも毎年100万人以上の日本人を増やすために、何ができるのかというところで一致団結するくらい、大きな予算を割いてやることを1つの軸にすべきです。シングルで子どもを持つ人も含めてですが、次の世代に子どもを持って世の中を渡して行こうということになると、国民の意識が変わって来るし、人口がそれなりに増えて行く流れになれば、いま抱えている問題の大半は解決できるわけです。思い切った多産ボーナス、子育て世代、特に子どもの医療費の無償化を考えた方がいいと思います。それに伴って、高齢者の医療も考えなければいけないと思います。

飯田)世代間のバランスを変えて行くということですね。

有本)就職氷河期世代に就職してもらうことは当然必要なのですが、他の世代もこれから先に希望がつながって行くようなことのために、何を軸に立てるのかをしっかりと考えて欲しいです。そこに向かって力を集中させることで、日本社会の今後の展望も変わって行くと思います。

就職氷河期世代の支援とともに政府がすべきこと

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

増えると言われていた日本の人口~経済が出生数につながる

飯田)子育ての支援というと、とかく福祉などの分野ばかりになってしまいますが、経済の問題が日々の生活に直結しますからね。

有本)本来だったら30代~40代が家庭と子どもを持っていれば、もっと消費したはずなのです。

飯田)この世代は団塊ジュニア世代と重なっていて、人数が多いのですよ。90年代ごろに人口が減ると言われていたとき、団塊ジュニア世代が2000年くらいには適齢期を迎えて子どもを産むから、また人口は増えるのだと言われていました。しかし、そこにデフレと氷河期が直撃した。

有本)民主党が政権を取ったときに、「コンクリートから人へ」という短絡的なことを言ってしまったのだけれど、結局人にも厚くなかったわけです。むやみにコンクリートの政策をやるのはよくないですが、そういうことも含めていろいろな産業を興すことも、90年代には怠りましたよね。不良債権処理に時間がかかり過ぎたということと、それによって緊縮化して行って業が興らないわけだから、仕事が増えない。

飯田)投資なんてもっての他、とにかくコストをカットするのだと言われていました。

有本)そのつけが、あらゆるところに起きています。これを全部逆回しするというのは、相当に思い切ったことをやらなければいけないから、この世代を支援しつつ若い世代が子どもを持ちやすくすることに、かなりの力とお金を振り分けるということを考えて欲しいですね。

就職氷河期世代の支援とともに政府がすべきこと

政治 外国人労働者・野党合同ヒアリングで技能実習生ら(左)から聞き取りを行う野党議員ら(右奥)=2018年11月8日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

「よき日本国民」を増やすためには

飯田)子育てなどにお金を回すとすると、「コンクリートから人へ」のように、原資として消費税を上げるような、どこからかお金を搾り取る方ばかりに話が行くのですよね。

有本)返って来るものなのだから使ってもいいだろうと思いますし、作家の竹田恒泰さんが言っていたことですが、多産国債…多産のために国債を発行することがあるのだったら、私たちは非常に買いやすいと思います。日本国民が生まれないのは大変なことです。外国から移民を入れるということをやっていますが、単なる労働力として入れるのもあまりよくないですし、ちゃんと日本の社会に貢献して、日本国民として生きて行こうと決心された外国出身の方たちの帰化制度を、もう1度よく見直すべきです。日本国と運命を共にするような、よき日本人として生きて行く人たちを迎えるためには、そうではない人をきちんと監視することが大事です。そのためにはスパイ防止法や、国籍法がいまのままでいいのかというところです。

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