安倍首相、「桜を見る会」招待者選定関与を認める~「私人」昭恵夫人の推薦枠も

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(11月20日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。「桜を見る会」問題について解説した。

安倍首相、「桜を見る会」招待者選定関与を認める~「私人」昭恵夫人の推薦枠も

「桜を見る会」で安倍晋三首相、昭恵夫人と記念撮影する招かれた人たち=2019年4月13日午前、東京・新宿御苑 写真提供:産経新聞社

安倍首相「大いに反省すべき」

11月20日、安倍総理の通算在職日数が2887日となり歴代最長となったが、国の予算を使って行う「桜を見る会」について国会で論戦が続いている。20日の参議院本会議で、安倍総理が招待者選定について「私の事務所が内閣官房から一部の推薦依頼を受け、参加希望者を募って来た。事務所から相談を受ければ意見を言うこともあった」と関与を認めた。ただし、最終段階では自分は関与せず、内閣官房と内閣府で取りまとめるため、公選法には抵触していないとの認識を示している。

森田耕次解説委員)安倍総理は20日の参議院本会議で、公費による総理主催の「桜を見る会」の招待者選定について、安倍総理自身の議員事務所に意見を述べたと明らかにした上で、「招待基準が曖昧だった」と次のように述べました。

 

安倍総理大臣)私は内閣官房および内閣府における最終的な取りまとめプロセスには一切関与していませんが、私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともありました。このような、これまでの運用については大いに反省すべきであり、今後、私自身の責任において招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討すると共に、予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行って参ります。

 

森田)こう述べた上で、安倍総理は招待者の最終的な取りまとめなどには「一切関与していない」と言っています。一方、菅官房長官は20日の衆議院内閣委員会で推薦枠について「自民党が6000人、安倍総理が1000人程度だった」と説明し、政府側は「昭恵夫人による推薦もあった」と明らかにしました。それとは別に、副総理と官房長官、官房副長官の合計で推薦枠が1000人程度。また公明党関係者、元国会議員、報道関係者を合わせておよそ1000人。更に、各省庁が推薦する功労者らがおよそ6000人だったとしています。官房長官は「長年の積み重ねで、年数を経るごとに人数が多くなって来たのは事実だ」と述べています。

河合)私も記者時代に、取材で「桜を見る会」に行ったことがあるのですが、いろいろな方がいらっしゃって、どういう理由でここへ集まっているのか疑問に思っていました。こうやっていろいろなことがわかって来ると、不透明なところがあったのだな、と思います。

私人であるはずの昭恵夫人の推薦枠が

森田)そうですね。総理の推薦枠が1000人というのは、広げ過ぎてしまったような気がします。

河合)税金でやっている事業の私物化と言われても仕方がないです。消費税が上がったばかりで、多くの人が税金の使い道に敏感な時期でもありますし、余計に問題が大きくなったように感じます。

森田)昭恵夫人による推薦もあったようですね。

河合)総理主催のため、総理が枠を持っているのはわかりますが、夫人は「私人」であるとモリカケ問題のときにも言っていました。なぜ私人であるはずの「夫人枠」を堂々とつくっていたのか、内閣府の人たちも苦言を呈することがなかったのか、ということですよね。

政治資金規正法の欠陥も正す必要

森田)「桜を見る会」の前日には、後援会の関係者向けに「前夜祭」という夕食会を開いていました。これについて安倍総理は20日の参議院本会議で、自身の後援会が主催したことを明らかにすると同時に、後援会としての収入や支出は一切ないとして、「政治資金収支報告書への記載は必要ないと認識している」と述べています。答弁によりますと、総理の事務所の職員とホテル側が夕食会の段取りを相談して、その際にホテル側から明細書の発行はなかったということです。会費の集金は事務所が行い、そのままホテル側へ渡していたと。これは重ねての説明になりました。

河合)パーティー会場の前で集金していたので、記載の義務がないということのようですね。政治資金規正法の欠陥で、こうしたことを想定していなかったということなのでしょうが、国会議員の政治活動はきちんと明らかにして行くよう、法律を改正することも考えなければいけません。

森田)法律も曖昧なところがありますものね。事務所がホテル側へ実費の不足分を補填していると、これは寄付行為を禁じた公職選挙法に抵触しかねないということになります。

河合)今回の5000円という金額をめぐって、一般よりも安いのではないかということが言われていますが、ここまでの総理の説明やいろいろな報道を見ても、5000円がどこまでの費用だったのかわからないわけです。食事代が5000円でも(通常料金と比べて)安いわけですが、宿泊費や交通費は誰がどこで負担をして、いくらかかっているのかということがわかりません。これらも含めて5000円ということになると、極端に安くなってしまいますので、(宿泊費や交通費などにも安倍首相側からの補填は一切なかったということなのか、)この辺りの説明もして貰いたいところです。

森田)ツアーの宿泊費と旅費は、参加者が旅行会社へ支払っているというような言い方です。5000円の会費は安過ぎるという指摘について、参加者の大多数が宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定したとしているのですが、2015年は夕食会の会場と宿泊者のホテルが違っているのに、このときも会費が5000円だったらしいのですよね。

河合)よくわからないですね。

森田)あとは、ツアーの収支を政治資金収支報告書に記載しなくてよかったのかどうか、その辺りもわかりにくい気がします。

河合)後援会の主催ということなら、本来は収支報告書に記載しなければおかしいですよね。本当に全部が参加者の負担だったのか、疑問に思いますよね。

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