台風19号~江戸川区に見る各自治体に必要なこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。関東地方を直撃した台風19号の被害状況について解説した。

台風19号関東直撃~大きな爪痕

10月13日、温帯低気圧に変わった台風19号による猛烈な雨の影響で、関東各地でも堤防が決壊するなどして河川が氾濫し、大規模な浸水の被害が発生した。国土交通省によると、堤防が決壊したのは埼玉県の都幾川、越辺川、九十九川、志戸川、新江川、栃木県の秋山川など、埼玉県内で6ヵ所、栃木県内で9ヵ所、茨城県内で4ヵ所などとなっている。(*注 10月15日時点で宮城、福島、新潟、長野、埼玉、茨城、栃木の7つの県で37河川、52ヵ所の堤防の決壊が確認)

飯田)堤防は決壊しないものの、堤防の高さを超えて水が溢れたというところも相次ぎまして、東京でも多摩川が氾濫しています。

須田)一部堤防が決壊する、一部河川が氾濫するということはありましたが、これだけたくさんの河川が氾濫するのは、ここ近年では初めての経験ではないかなと思います。一方で、今回の台風は大潮の時間帯に当たり、非常に勢力の強い台風であるという特殊要因がありました。そうすると、こういうことが数十年に1度やって来ることを前提にインフラを整備しておくべきなのか、こういった状況が来るたびにインフラ整備するべきなのかというバランスの問題が、これから出て来るのではないでしょうか。

飯田)江戸川区のように早めに避難勧告を出して、「江戸川区のなかにいると危ないから外に出てください」というガイドラインを用意しておくということも、1つの考え方ではあります。

須田)江戸川区の場合は、0メートル地帯が多いですよね。マイナスメートル地帯と言ってもいいと思うのですが、昭和の中旬くらいまでは床上、床下浸水が頻繁に起こっていた地帯です。そういうデータや情報、経験の蓄積があるから、そういう行動に移った江戸川区が評価されるのであれば、そのような江戸川区の情報を各自治体間で共有することが、今後は必要になると思います。

飯田)もしそういう方向に舵を切るのであれば、首都圏の人たちが全員で移動しようとしたら、あっという間に交通インフラがパンクしますよね。

台風19号~江戸川区に見る各自治体に必要なこと

【台風19号】浸水した住宅街で活動する、災害派遣された陸上自衛隊の隊員ら=2019年10月13日午前、東京都世田谷区 写真提供:産経新聞社

国によるガイドラインを作る必要がある

須田)そこは東京都、あるいは国という単位での戦略、ガイドラインを作って行く必要があるのではないでしょうか。堤防が決壊しないように、氾濫しないようにというところにお金をかけて行くことは必要ですが、いま言われたような避難の流れというソフトの部分を充実して行く、お金をかけるということも必要なのではないかと思いますけれどね。

飯田)一方で、今回の台風は非常に巨大でもあった。強風域で言うと、列島をすべて覆ってしまうのではないかというものだった。そうすると逃げるにしても、一体どこに逃げたらいいのだということにもなりますね。

須田)これから高齢化が進むと、長距離の避難は難しいですよね。地域によっては、避難場所に移動するためのバスを配置するところもありますが、各地域のシェルター的な避難場所も整備して行く必要があるのではないでしょうか。

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