香港デモの一次情報は周庭(アグネス・チョウ)氏のツイッターで

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。28日、雨傘運動から5年を迎えた香港で大規模集会が行われたニュースについて解説した。

香港デモの一次情報は周庭(アグネス・チョウ)氏のツイッターで

香港島中心部の幹線道路を占拠するデモ参加者(中国・香港)=2019年6月12日 写真提供:時事通信

雨傘運動から5年が経過

香港で2014年、民主的な選挙制度を求めた大規模デモが雨傘運動である。28日、そこから5年目を迎えて記念の集会が開かれた。香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案をきっかけとした抗議活動が続いており、10月1日は中国の建国記念日、国慶節であることから複数のデモが計画されている。

飯田)中国建国70周年となる10月1日には、主要繁華街の銅鑼灣にあるビクトリアパークから、政府庁舎近くのチャーターガーデンにかけて大規模なデモ行進が行われる予定とのことです。親中派のデモも複数計画されていて、衝突や混乱が予想されます。警察がどういう対応に出るのか。かなり暴力的だという話もあります。

香港デモの一次情報は周庭(アグネス・チョウ)氏のツイッターで

15日夕、香港・金鐘の政府庁舎前で、放水車の放水を受けるデモ隊=2019年9月15日 写真提供:産経新聞社

香港基本法で自由なデモは保証されている~「違法デモ」ではない

須田)このデモに関して1つ申し上げるとすると、香港の憲法である香港基本法では、自由なデモというのは保障されているのです。しかし香港警察がデモの許可を出さない。それを受けてなぜ、日本メディアは「不許可デモ」や「違法デモ」という表現を使うのか。憲法で認められている当然の権利を警察が認めないので、不許可のデモが行われているだけで、その背景がまったく報道されていません。まずこのことを言っておきたいですね。

飯田)そして、雨傘運動から5年を迎えるということがありますけれども、香港の民主が風前の灯火だとも言われます。海外からもいろいろな動きがあります。

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集会に参加し、音楽に合わせてスマートフォンを揺らす生徒ら=2019年9月2日、香港(共同) 写真提供:共同通信社

香港のデモを支援しているのはアメリカだけ~日本の政治家は発言しない

須田)香港のデモを支援しているのは唯一、アメリカだけです。香港人権・民主主義法案がアメリカの議会、委員会を通ったということもあり、香港市民のアメリカに対する期待が高まっているのだと思います。そのときにマルコ・ルビオ上院議員が、「香港の支援について、アメリカも自由世界も行動が遅すぎる。だから、これを急いで通さないといけない」のだと発言しています。香港の自由と民主主義、人権が風前の灯火であることは間違いない。それをバックアップするための法案ですから、早期に成立されることが望まれる。ただ、これしかできないというのは辛いですね。香港の市民をどうバックアップするかということは、各国が問われている。ここへ来てアメリカ、ヨーロッパのメディアで、この問題に対する取り上げ方がかなり大きくなっています。それに比べて、日本のメディアは小さすぎる。中国政府に対する配慮、忖度が働いているのでしょうか。日本の政治家も香港のデモについて言及しません。

飯田)30日の産経新聞が一面トップで、雨傘運動のときのリーダーだった周庭(アグネス・チョウ)さんのインタビューを載せていました。アグネスさんやジョシュア・ウォンさんというもう1人のリーダーは、基本的な政治スタンスがリベラルだから、日本サイドもリベラルな人たちが持ち上げて、その言説と共に「安倍政権はけしからん」というところに持って行ってしまう。だから日本国内で共感や支持が広がらないのではないか、という指摘もあります。

須田)アグネスさんは、日本語でツイッターをやっています。そこから一次情報をとるということがベストだと思います。冒頭に出て来たように、警官の暴力はとにかくひどいです。警官が逆に変装して、デモ隊のなかに入るようなこともしている。何が香港で起こっているのか、その事実関係を理解することが必要だと思います。

香港デモの一次情報は周庭(アグネス・チョウ)氏のツイッターで

2014年9月26日、学生ストライキを起こす周庭(左)。隣は黄之鋒(湯惠芸より)

民主主義国家において当然の要求をしているだけ

飯田)ジョシュア・ウォン氏がこの間、ラジオ・フリー・アジアのインタビューに答えていました。5つの要求をしているけれど、それは独立を目指しているものではなく、その枠組みのなかで、きちんと民意が反映される政治を求めているのだと言っています。独立運動と勘違いされるところがありますが、そうではないのですよね。

須田)一国二制度という、当初の約束をきちんと守れということです。行政長官や行政府のトップについては、きちんとした普通選挙、民意を反映したトップを選べという、民主主義国家においては当然の要求です。それが認められないのはどう考えてもおかしいというのが、ジョシュア・ウォン氏らの主張です。憲法によって認められている権利なのに、なぜそれを約束した中国が骨抜きにしようとしているのか、力で押さえつけようとしているのかということがポイントだと思います。10月1日の国慶節以降、中国が軍事力を行使するという可能性も指摘されています。

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