福岡での高級魚「あぶってかも」の名前の由来

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、WEBサイト「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」を運営している水産アドバイザー藤原昌高が出演。福岡での高級魚「あぶってかも」について語った。

黒木)今週のゲストはWEBサイト「市場魚貝類図鑑」を運営されている、水産アドバイザーの藤原昌高さんです。20歳まで魚が嫌いで、食べたくもなかった。

藤原)はい。

黒木)どうして嫌いだったものが好きになったのですか?

藤原)静岡県の料理屋さんに行きましたら、いままで食べられなかったものが食べられたのです。

黒木)ちなみに何だったのですか?

藤原)鯛など、いろいろな魚をいただきました。上手な人がきちんと料理をすると、美味しいのだということに気が付きました。僕は山間部で生まれたので、知らなかったのです。

黒木)お魚をね。

藤原)それで調べるようになって、日本料理を始めました。

黒木)日本料理を始めた。

藤原)はい、独学で。包丁も全部買って。

黒木)全国津々浦々の漁港に、足を延ばしていらっしゃるのですか?

藤原)はい。黒木さんはどちらが故郷ですか?

黒木)福岡です。

藤原)福岡はいま通っているところです。福岡の人が何を食べているかなど、そういうことを調べています。

黒木)福岡の人は、何を食べているのですか?

藤原)いまだと「あぶってかも」を食べています。

黒木)あぶってかも。

藤原)スズメダイという小さい魚です。僕がいちばん好きな魚です。

黒木)スズメダイ。

藤原)福岡の市場でも高い、高級魚です。

黒木)そういう魚の名前なのですか?

藤原)そうですね。福岡の名前が「あぶってかも」です。

黒木)初めて聞きました。

藤原)炙ったら鴨の味がしてしまったというところから。実際に福岡の人が食べてみたら、鴨みたいだと言ったらしいです。

黒木)それまでは捨てられていたのですか?

藤原)捨てられていたのですが、網が上がらなくなるくらい獲れてしまった。捨てるのはもったいないので船に乗せて、塩をかけて焼いて食べたら、鴨よりも美味しかった。そこから「あぶってかも」という名前が付いて、それ以来、福岡の名物になりました。

黒木)知らなかったです。

藤原)9月はそろそろサバが出て来ますね。福岡は日本一サバが美味しいところだと気が付きました。去年(2018年)は福岡県に、ずっとサバを調べに行っていました。日本全国、築地にも行って、高いものを並べてみたのですが、福岡がトップクラスでした。

黒木)どうやって食べるのがお好きですか?

藤原)福岡は昔から、生で食べる習慣がありました。長浜の市場の若い人が出してくれた、普通のお刺身が美味しかったですね。

黒木)ゴマサバで茶漬けにしたり。

藤原)そうですね。ゴマサバにするだけかと思っていたら、彼らは普通に刺身で食べるのです。素晴らしいです。

黒木)福岡に帰ったときはゴマサバを食べていましたが、刺身を食べないといけませんね。

福岡での高級魚「あぶってかも」の名前の由来

藤原昌高(ふじわら・まさたか)/ Web図鑑「市場魚貝類図鑑」運営

■1956年、徳島県生まれ。
■子供のころから川の生き物に親しみ、水産生物のことを調べ始める。
■その後、人間と関わりのある食品(生物)を30年以上にわたって調査。
■ぼうずコンニャク株式会社を設立し、Webで「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」を運営するほか、水産に関わる本を多数執筆。著書に『からだにおいしい魚の便利帳』など。
■元島根県水産アドバイザー、水産庁の外部専門家。

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