沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆箱根鉄道3000系電車「いずっぱこGEO TRAIN」、駿豆線・三島二日町~大場間

入道雲の下をゆく、伊豆箱根鉄道駿豆線の3000系電車。
この1編成は、駿豆線開業120周年に合わせ、かつて三島広小路~沼津間で運行されていた路面電車のカラーリングとなっています。
また、この編成は、今年(2019年)3~9月の予定で、「伊豆半島ジオパーク」の魅力を紹介している「いずっぱこGEO TRAIN」としても活躍しています。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

韮山高校写真報道部の皆さん

この「いずっぱこGEO TRAIN」の窓に掲示されている伊豆半島ジオパーク各所を紹介したシールを作成したのが、静岡県立韮山高等学校・写真報道部の皆さんです。
今回、韮山高校写真報道部の皆さんが、活動の一環でジオパーク駅弁をプロデュース。
沼津駅・三島駅で駅弁を手掛ける「桃中軒」が、「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)として、2019年8月27日火曜日から発売しました。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆半島ジオパーク弁当

ジオパークとは、大地の公園を意味する造語で地質学的に価値のあるエリアにあります。
伊豆半島は昔、小笠原辺りにあった「島」と云われ、少しずつ北上、本州と陸続きになったと考えられており、平成30(2018)年、ユネスコも認める「世界ジオパーク」となりました。
掛け紙は、ジオパークの一部でもある伊豆の国市の城山(じょうやま)をバックに、生徒の皆さんがジャンプしている写真を使用し、高校生とのコラボ駅弁をアピールしています。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆半島ジオパーク弁当

【おしながき】
・えびと椎茸のしんじょ
・野菜の煮物
・寒天の野菜寄せ
・チキンのレモングラス蒸し(松崎産レモングラス使用)
・ひじき入り玉子焼き
・かぼちゃサラダ
・桜そばのり巻き
・伊豆産鹿肉入りミートローフ
・沼津茶ごはん 潮かつお風味
・金目鯛わさび添え
・山菜のごま和え
・稲荷
・甘酢生姜
・蕗の蜂の巣煮
・黒米ご飯

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆半島ジオパーク弁当

9つのマスで仕切られた、近年よくあるタイプの駅弁ですが、見立てがちょっと知的です。
真ん中の沼津茶ごはん 潮かつお風味は、伊東市の火山・大室山に見立てたお椀形。
伊豆産鹿肉を使ったミートローフは丹那断層がモチーフ、ある生徒さんが思い入れのある一品と話した蕗の蜂の巣煮は、いわゆる「柱状節理」を見立てたものだそう。
断層大好き、鉄道大好き、ブラタモリ大好き…みたいなアナタは間違いなくハマります。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆半島ジオパーク弁当

駅弁愛好家としても知られる韮山高校写真報道部の顧問・上杉剛嗣先生によると、ハートマークの玉子焼きは、下田の景勝地・竜宮窟、伊豆半島ジオパークへの愛、さらに駿豆線の車両に1つだけあるハートのつり革という、“3つの愛”をかけているのだそうです。
一方で、柿田川湧水に見立てたという寒天の野菜寄せは、素材を活かしたほんのり甘めの味付けにたどり着くまで、いろいろな議論が行われたと言います。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

韮山高校写真報道部の皆さん

今年春から半年近くをかけて発売にこぎつけたという「伊豆半島ジオパーク弁当」。
掛け紙や同封のしおりは、生徒の皆さんが試行錯誤を繰り返しながら完成させました。
また、おかずは韮山高校内でアンケートを行って考案のヒントに…。
「地域の活性化は若い世代が関わることがカギ」と分析する上杉先生、駅弁作りの経験が、進学で都市に出てもいつかふるさとに帰ってきてくれるきっかけになればと話します。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

桃中軒・宇野社長

駅弁マーク入りの駅弁としては全国で初めてというジオパークをテーマにした駅弁開発。
「桃中軒」によると、今回は伊豆半島の特産をジオパークのテーマに沿って表現するのが、特に難しかったとのこと。
このために伊豆半島のジオサイト各所を巡り、並行して食材集めにも奔走したそうです。
宇野社長も、「ジオ(地球)と食材は結びついていることを改めて実感した」と言います。

沼津駅「伊豆半島ジオパーク弁当」(1200円)~伊豆半島の魅力満載駅弁!

伊豆箱根鉄道3000系電車「いずっぱこGEO TRAIN」、駿豆線・大場~三島二日町間

駅弁作りに当たっては、「いずっぱこGEO TRAIN」などの取り組みを通じて、関係各所との人間関係が出来上がっていたことが大きかったのだそうです。
加えて、静岡県有数の進学校・韮山高校ということもあり、要所要所でOB・OGの皆さんが活躍されていることも、駅弁化の大きな推進力になっていたようにも感じました。
地域も駅弁も「人」が作るもの。
伊豆大好きな人、食べること大好きな人、駅弁大好きな人…食欲の秋、いろいろな人の「大好き」が詰まった駅弁を楽しんでみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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