アメリカとイランの間で日本の取るべき行動

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月28日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。27日に行われた日本とイランの外相会談ついて解説した。

河野外務大臣がイランのザリフ外相と会談

 

河野外務大臣)地域の緊張緩和や情勢の安定化に向けて、日本とイラン、引き続き緊密に意志疎通を行っていくことで一致をし、二国間関係、地域情勢についても意見交換を行ったところであります。

 

河野外務大臣は27日、横浜市内でイランのザリフ外相と会談を行った。会談では、中東地域の緊張緩和に向けて、継続的な協議が必要だという認識で一致。イラン核合意を順守し、合意を損なう措置は控えるようにイラン側へ要請した。

飯田)日イラン外相会談、アメリカが有志連合構想を打ち出して、ホルムズ海峡を巡って日本にも協力を呼び掛けてから初めてのことです。きょうはザリフ外相と安倍総理の会談も予定されているとのことです。

高橋)日本はアメリカと違う立ち位置ですよね。イランとも友好関係があったから、間に入らないといけないのですよね。先進国のなかだけの方向性も決まっていて、河野さんはG7サミットのなかで「イランは核兵器を持つな」ということをきちんと言っているのです。でも、有志連合に参加するかどうかは、ヨーロッパ諸国も微妙ですよね。日本は参加しないで、単独でやるのがいちばんいいです。海上警備行動でソマリアの海賊対処をしたときと同じことです。特別措置法をつくって活動するのが無難なやり方だと思います。

アメリカとイランの間で日本の取るべき行動

討議を前に写真撮影に応じる各国首脳。(右端から時計回りに)安倍首相、トランプ米大統領、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相、カナダのトルドー首相、ジョンソン英首相、EUのトゥスク大統領、イタリアのコンテ首相=2019年8月25日、フランス南西部ビアリッツ(代表撮影・共同) 写真提供:共同通信社

日本は有志連合には加わらず独自路線で行くのが無難

飯田)G7のところでもザリフ外相が来て、マクロンさんとやっていたりもしました。この先は、国連総会などの場でロウハニ大統領が出るとか。

高橋)ロウハニ大統領と安倍さんが会うでしょう。いろいろと話をして、いちばんまずいのは偶発的な武力衝突があることですから、それを少なくして、日本は有志連合には加わらず、独自路線で行くのが無難でしょう。そうしないと、両方と話をしていて、片方についてしまったら話ができなくなってしまいます。だから、これは日本の外交がある意味で目立つ話なのですよ。安倍さんの得点の稼ぎどころだと思います。

飯田)トランプさんも「間に入ってくれて助かる」と言っているようですね。

アメリカは最終的にはイスラエルを守れればいい

高橋)それはそうですよ。ガチンコでやるよりもいいし、アメリカとしては北朝鮮もあるので、中東へ深く関わるのは得策ではないでしょう。そこそこで終わってくれるのがいちばんいいということではないでしょうか。

飯田)トランプ政権としては、かつてイランとの間にあった核合意は一旦白紙に戻した上で、もっと厳しいものをやるというのが基本的なスタンスではありますが、落としどころはあるのでしょうか?

高橋)落としどころは難しいですね。ひょっとしたら、名前だけ変えて前と同じようなものになるかもしれませんね。

飯田)それで「成果はあったぞ」と。

高橋)大統領選の話なので、看板だけ変えたとしても成果があったと言うだけなら言えるし、アメリカが中東に深くコミットするのは、エネルギーの話から見ても得策ではありません。要するに、イスラエルだけ守れればいいでしょう。

飯田)突き詰めて考えると。

高橋)エネルギーの話だと、アメリカはいまや輸出国です。だから以前ほどコミットする必要はなくて、イスラエルだけ守って、そこでドンパチがなければいいというレベルではないでしょうか。

飯田)そう考えると、だからこそ、もともとイスラエルの宿敵であったイランが標的になると。

高橋)トランプさんは、ある程度で振り上げた拳を下ろさないといけないけれど、彼は看板を変えるだけでも「よくやった」と言う人ですよ。

飯田)NAFTAに関しても看板の書き換えで。少しはいじりましたけれども。

高橋)日米の貿易交渉も、ほとんどTPPと一緒ですよ。それでも書き換えて「成果があった」と言います。

飯田)その辺りが現実的な落としどころというわけですね。

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