ホルムズ海峡有志連合~日本独自の参加の仕方があるはず

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月8日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。日米韓関係、またホルムズ海峡における有志連合について解説した。

日米防衛相、日米韓の重要性を確認~有志連合構想は慎重に検討

岩屋防衛大臣は7日、アメリカのエスパー国防長官と会談した。両者は北朝鮮情勢を巡る日米韓の連携のあり方や、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を維持する重要性について確認した。

 

岩屋防衛大臣)この地域の平和と安定のためには、引き続いて日米韓の連携が大事だと。それは日韓のGSOMIAということも含めて、極めて重要だという認識でエスパー長官との間で認識の一致を見たところでございます。

 

飯田)日米韓の連携について話す岩屋防衛大臣でした。また中東ホルムズ海峡の安全確保に向けた有志連合構想については、エスパー長官は検討を促したのですが、岩屋大臣は総合的に判断したいと述べるにとどめております。

ホルムズ海峡有志連合~日本独自の参加の仕方があるはず

会談に臨む(左から)韓国の鄭景斗国防相、シャナハン米国防長官代行、岩屋防衛相=2019年6月2日、シンガポール(共同) 写真提供:共同通信社

いま、日米韓が1つにならなければいけない~日韓を分断しようとする露・朝

鈴木)これは大きなテーマが2つあって、その1つは日米韓です。日韓の関係があまりよろしくないなかで、安全保障で日米韓が1つにならなければいけない、これについてのテーマが1つ。もう1つは、ホルムズ海峡の有志連合に日本がどんな形で参加するのかということです。エスパー氏は日本にどこまで、何を言ったのか。強く「お前、参加しろよ」と言ったのかどうか。ある防衛省の閣僚経験者の方と、少し話をしました。彼のところに入っている情報では、あまり強いことは言わなかったようです。こうしろ、ああしろということは言わず、顔合わせ的な意味合いが大きかった。逆に言うと、アメリカは日本を静観している。韓国との関係についても当事者同士で行ってくださいと。アメリカが見ているのは日韓の先の、中国やロシアや北朝鮮です。ちょうど2週間前に飯田さんに話しましたが、竹島にロシアの戦闘機が来て…。

飯田)領空に入って来ましたね

鈴木)韓国の戦闘機が撃って。このときに、日韓にくさびを打つという表現をしました。いま日韓の関係が悪いので、ここは放り込んで日韓を切り離させる。そのためにわざわざ来たのではないかと。現に韓国はロシアとの問題であるのに、日本とのことを言い出して日韓関係に影響してしまった。同じように、北朝鮮がミサイルを撃っていますよね。これも米韓の合同軍事演習に対して撃っているとは言うけれども、日本はいま北朝鮮と条件なく対話しようと呼びかけている。ああいったものが飛んで来てもなかなか非難できない、難しい立場です。ですが、韓国やアメリカはガンと言える。ここも何だか…。

飯田)分断ね。

鈴木)そうです。分断されている感じがある。こういったものが激しくなる前に日韓できちんと片付けてくださいよと、アメリカがきつく言わなかったということは、むしろ僕は不気味に感じます。

ホルムズ海峡有志連合~日本独自の参加の仕方があるはず

有志連合~日本独自の参加の仕方があるはず

鈴木)ホルムズ海峡について言うと、政府はとても悩んでいるのではないかということでしたね。イランとの関係があるので。かと言って、有志連合に参加しないというのも違う。自衛官を出すのか、P-3C哨戒機で行くのか、海峡の外側まで守るのかなど、いろいろな話が出ています。もちろん有志連合は大事ですが、日本はイランとの関係もかなり意識している。どうするのかというところで、かなり考えているのではないでしょうか。私は日本らしさをアピールする、少し一線を置くべきだと思います。「はい、参加します」と行くのではなくて、日本の在り方のようなものを示すことは、国内向けと言うよりはむしろ国際向けのことです。アメリカなどに対しても、ものを言う。そういう日本オリジナルの参加の仕方をやって欲しいなと思います。

飯田)スキームとしては何で行くのか、海賊対処法のように何か特措法を作るのかとか。

鈴木)法律の問題もありますから。

飯田)法律の問題になると当然、国会を開かなければならない。8日の日経新聞が書いていましたが、10月に臨時国会というような話もある。そうすると、少しタイムラグがありますよね。

鈴木)いや、全然間に合いませんよ。アメリカは有志連合について、具体的にどの国が参加するかなど、早々に発表するのではないかという話もあります。アメリカの「急げ急げ」というプレッシャーなのかもしれないですが、臨時国会まで待つというわけにはいかないでしょうね。現行法のなかで、日本らしく。頭の体操と言うのは変ですが、先ほど言ったように、これは見せどころですよ。日本は「こう来たか」ということを見せるチャンスだと思います。

飯田)産経新聞が、防衛省設置法の「調査・研究」の枠組みのなかで哨戒機だけを飛ばして、艦艇は出さないということを言っていたり。それならば確かに立法はいらない。海上警備行動も閣議は必要だけれど、立法はいらない。その辺が頭の使いどころですよね。

鈴木)相当出ているらしいです。頭の体操という柔らかい表現にし過ぎてしまったかもしれませんが。やはりポイントは、日本らしさを出した有志連合への参加の仕方です。イランと安倍さんは会っているわけだから、単純に参加をすると意味がなくなります。そこは「アメリカと違うよ」ということをアピールするチャンスにしたほうがいいと思いますけれどもね。

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