スポーツの秋! あの競技この競技の“意外と知られていない珍妙なルール” 【ひでたけのやじうま好奇心】

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スポーツのルールも、時代の移り変わりとともに、変わりつつあるようです。
代表的なところでいうと、テニスの「チャレンジ・システム」。
選手が、審判の判定に対し、ビデオによる再判定を要求する、このルール。別名、「インスタント・リプレイシステム」とも呼ばれているのですが…その名の通り、選手が「チャレンジ!」と叫ぶやいなや、すぐさま、CGのビデオ映像が出ます。で、ライン際の微妙な判定結果がズバリと出て、白黒がハッキリと付く!
テニス界では2006年の公式戦から導入されたのですが、「タイブレーク制導入以来のルール革命」と呼ばれていまして、非常に好評のようです。

そこで今日は、このように好評な新ルールから、一見、時代遅れとも映る奇妙なルールまで、さまざまなスポーツの「意外なルール」にスポットを当ててみましょう!

まずは、テニスと同じく「チャレンジ・システム」が導入されている、「バドミントン」。
さきのリオ五輪でも、この「チャレンジ」によって、“タカマツペア”が、大きく流れを引き寄せる場面が見受けられましたが…よく考えてみたら、地方の会場なんかですと、ビデオによる再判定技術なんて、望むべくもありませんよね。

こういう、ごく普通の公式戦で、ちょうどライン際にシャトルが飛んだ… としましょう。バドミントンのスマッシュは、時速300キロを超えることも、しばしば。しかもシャトルそのものが小さいもんですから、ライン際の判断は非常に難しい!主審は、当然、線審に、判定を促します。
もしもこのとき、アナタが線審だったとしましょう。そして、(いまの、入ったかどうか、正直、よくわかんなかったなぁ… )と、思ったとしましょう。さぁ、どうしますか? 破れかぶれで、「アウト!」とコールしますか?

実は、破れかぶれになる必要なんて、ないんです。
なんと、バドミントンの審判の判定には、『よく見えませんでした』というものがあるんです!
ちゃんと、「よく見えませんでした」用の、ジェスチャーもあります。線審は、「いないいないばぁ~」で目を隠すような、「両目をおおうジェスチャー」をします。そして、この線審の「『よく見えませんでした』判定」が出ると、判定権は、主審に移るんです!

バドミントンルール

公益財団法人日本バドミントン協会 競技規則(P101)(PDFより)

コレ、バドミントンの経験者以外には、意外と知られていない話。世の中には、いろんなスポーツがありますが…「見えませんでした…」という、実に人間くさい判定が存在するのは、バドミントンだけなんです!

続いては、羽生結弦選手の4回転ループ成功で盛り上がる、「フィギュアスケート」。

まぁ、禁止事項の多いこと、多いこと…。
「氷の上に寝そべる」のはダメ!
「座る」のもダメ!
「バック転」はダメ!
「宙返り」もダメ!
「側転」もダメ!
衣装についても、いろいろ厳しい!
「男子選手のノースリーブ」禁止!
さらに、「演技中に衣装の付着物が落ちると減点」となります。
実際、高橋大輔さんは、演技中、衣装に付いていた羽根を落として、減点されたことがあります。ちなみに、テニスも、競技中にアクセサリーが落ちると「失点」となります。

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「サッカー」にも、いろいろと、意外なルールがあります。
まずは… 「サッカーの主審は、自分自身にも、レッドカードを出すことができる」!

レッドカードというと、「即退場」です。
いくらルールに決められていても、実際にはこんなこと在り得ない… と思うでしょう。ところが、過去、主審が自らにレッドカードを出して退場したことが、2回もあったんです。

1度目は、1998年4月、イギリスのリーグ戦でのこと。
メルビン・シルベスターという名前の主審が、試合中、選手に後ろから突き飛ばされた事に腹を立てまして、その選手を、グーで殴り飛ばしてしまったんです。
シルベスター主審は、そのあと、自分自身にレッドカードを出して、自ら退場しました。主審がいませんから、この試合は、没収試合となってしまったんです。

2度目は、2005年2月、やはりイギリスのリーグ戦。
アンディー・ウェインという名前の主審が、ゴールキーパーに暴言を吐かれて大激怒!笛を投げ捨て、このキーパーと殴りあい、蹴りあいの大乱闘を演じました。
会場は「やれやれ~~!」ってんで大盛り上がりだったそうですが、ウェイン主審は、反省しきり。しおらしくレッドカードを提示して、ピッチを去ってしまったんです…。

~同じくサッカーですと、こういうのもあります。
「レッドカード」「イエローカード」は有名ですよね。でも… 「サッカーにはグリーンカードもある」という話をご存じでしょうか?

グリーンカード

(左)b+d グリーンカード(amazon)/(右)日本サッカー協会 HPより

ただしコレは、小学生以下のサッカーの話。
小学生以下の試合中、倒れた相手選手を助け起こしたりするフェアプレーが見られた場合、審判は、グリーンカードを提示します。さらには、ガッツプレーを続けた選手にも、グリーンカードが与えられます。
たとえば…敵チームに6点くらい取られて、圧倒的な劣勢だとしましょう。それでもチームメイトに声を掛け、最後まで、全力で走り続けた選手がいた…。こういうとき、主審は、試合終了のホイッスルを鳴らす前に、グリーンカードを提示します。スタンドの親御さんたちは、涙、涙… なんてことも多いそうですよ。

グリーンカードをもらったからといっても、別に得点につながるわけではないのですが、チビッ子にとって、「グリーンカードを貰ったことがある」というのは、大変な誇りなんだそうです。

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続いては、去年から人気の「ラグビー」にまつわる意外なルール。
「ラグビーで、同点のまま試合が終わると、トライ数の多いチームが勝ちとなる。」
ラグビーには、延長戦がありませんから、これは当たりまえですよね。ところが、両チームとも、得点も一緒、トライ数も一緒だとどうなるか?実は… 「会議室で抽選」となるんです!

2010年2月7日、近鉄花園ラグビー場で行われた、「ラグビー日本選手権」一回戦。
「サンゴリアス」対「グリーンロケッツ」の試合が行なわれたのですが、これが大接戦に!得点は「10対10」、しかもトライ数も一緒ということで、規定通り、会議室で「抽選」が行われまして…結果、グリーンロケッツが2回戦に進出したんです!
そもそもラグビーには、「一試合で徹底的に結着をつける」という思想がないのだそうです。一試合での対決よりも、早明戦などの「定期戦」が重視されているところから、こういうルールが採用されている… とも言われているんです。

このように、伝統的な背景がルールに影響を及ぼしているという例は、ほかにもあります。
たとえば、「レスリング」。
試合前、選手たちが、審判に必ず見せなければならないものがあるんです。それは… 白いハンカチです。
大きさや形に規定はないものの、絶対に白いハンカチを胸に入れておかなければならないのです。
どうして白いハンカチが必要なのでしょうか?
レスリングは、紀元前700年頃から存在していた、伝統ある競技。もともとは、怪我をした時、ハンカチでもって、手当てをするためのものだったのだそうです。
現在では、たとえ怪我をしても、そのハンカチで手当てをすることはありませんが、いにしえのルールが今に息づいている… というわけなんです。

レスリングといえば格闘技ですが、「水中の格闘技」と言われる「水球」にも、独自のルールが存在します。
それは… 「選手の爪のチェック」!

水球は、水の中では、けっこう、掴んだり蹴ったりと、激しいコトが行なわれているそうです。でも、水中ですから、そうした反則は、どうしても見付けづらい…。そこで、試合前には必ず、爪の長さをチェックされます。不適切な長さの場合、当然、切られてしまうそうです。当然、ネイルアートなんて、言語道断です!

最近、女子アスリートの衣装については、ジャンルを問わず、「華美なモノ、露出が多いモノはダメ」という傾向にあります。女子フィギュアなどは、旧東ドイツのカタリーナ・ビットがやたらと色っぽい衣装を着けたあたりから、非常にルールが厳格になりました。
ところが… 唯一の例外といえるのが、「ビーチバレー」なんです。

なんと… 「女子選手のビキニショーツの(横)幅は7センチ以下」というルールがあるんです!
いいですか? 「7センチ以上」じゃありません。7センチ「以下」なんです。要するに、事実上、「肌の露出を奨励」しているわけです。
これは別に、オヤジ目線の妙な思惑が働いているわけではございませんで、魅せるスポーツ、ファッショナブルなプロスポーツとして、もっとファンの裾野を広げたい…という関係者の切実な想いから生まれたルールだと言われているんです。

そのスポーツの歴史はもちろんのこと、さまざまな事情、さまざまな思惑から、今日も、いろんなルールが生まれています。
スポーツの秋、「意外と知られていないスポーツの珍妙なルール」をご紹介しました!

10月5日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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