ホルムズ海峡でイランがイギリスタンカーを拿捕未遂~明日は我が身の日本

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月12日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。イランの精鋭部隊・革命防衛隊のボートがイギリスの石油タンカーをホルムズ海峡で拿捕を試みたというニュースについて解説した。

軍事演習に参加した、革命防衛隊の海軍コマンド部隊(イスラム革命防衛隊 – Wikipediaより)

ホルムズ海峡でイランがイギリスのタンカーを拿捕未遂か

アメリカのCNNテレビは10日、イランの先鋭部隊・革命防衛隊のボートが10日にホルムズ海峡でイギリスの石油タンカーを拿捕しようと試みたと報じた。この報道についてイギリス政府は11日、イランの3隻の船がイギリスのタンカーの航行を妨げようとしたと発表し、国際法違反だと非難している。一方イランの革命防衛隊は、過去24時間にイギリスなど外国船舶と対峙したことはないと否定した。核合意からの逸脱に続いてイランとヨーロッパの対立が深まる恐れがある。

新行)イギリスは先週、ジブラルタル海峡でシリアに原油を輸送したとしてイランのタンカーを拿捕していて、イラン側が報復行為に出たのではないかという見方もあります。

ロンドンの英議会下院で欧州連合(EU)離脱修正案が否決された後、発言するメイ首相(イギリス・ロンドン)=2019年3月12日 写真提供:時事通信

同じ状況になった場合、日本は自国のタンカーを守れるのか

宮家)イギリスがやったと言うよりも、EUがイランに対して制裁をかけていて、石油の輸出は規制されているにもかかわらず、イランは密輸しているわけです。イギリスはまだEUに入っていますから、EUの一員として実力行使に出た。今回はそれに対するイラン側の事実上の報復でしょうね。ところが、イギリス海軍の船がエスコートしていたのです。だからイランの革命防衛隊が近づこうとしたら、逆に威嚇された。そこでイラン側はこれはマズイと思って逃げたということです。船の大きさが全然違いますからね。おそらく革命防衛隊の小型の哨戒艇はボートですから、相手になりません。しかし、これは氷山の一角で、これからもこういう小競り合いが続くと思います。日本を含めて同盟国、友好国に対してアメリカがペルシャ湾での護衛について、有志連合を結成すると報道されているではないですか。これが現実になって行くのでしょう。こういうことが繰り返されれば、ますますそうなると思います。イギリスはきちんと自分の国のタンカーを自分で守っている。では日本はそれができるのかという議論になって行かざるを得なくなると思います。そういう意味でこれは単なるニュースではなくて、明日は我が身かもしれない。

新行)イランが、イギリスとの間でも緊張が深まって来たところがまた大きいですよね。

宮家)そうですね。イギリスはEUから出ようとしているくらいで本来、アメリカとイギリスは海洋国家として似たようなことを考えている。そう考えると、イギリスがやったということは海洋国家としてとても象徴的だと思いますね。

ホラムシャハル奪回時に士気阻喪となったイラク陸軍兵達(イラン・イラク戦争 – Wikipediaより)

日本の安全保障の問題~1980年のイランイラク戦争時と何も変わっていない

新行)日本としては安全保障について、今後どういう動きをするかということも考えなくてはいけない現実が、いままさに突きつけられている。

宮家)突きつけられているでしょうね。しかしこれは古い話で、1970年代からある話です。イランイラク戦争が1980年の9月22日に始まりました。そのとき、僕はたまたま中東にいたからよく覚えていますが、日本のタンカーも含めて各国のタンカーが攻撃の対象になったのです。実際に攻撃されました。だから僕にとっては、40年前に問題になったことが今も日本では具体的な措置が何もできていない、ということなのですよね。もちろんずいぶん日本の法律は変わりましたよ。しかし、いま日本のタンカーがあの地域を航行していて、それを誰かが攻撃しようとしたらどうなるかと言うと、「この法律は使えない、この法律は不十分だ」という議論になって、結局どうしていいか分からない。それは40年前と同じなのではないかと。それはないよなと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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