イランの状況は1990年代の北朝鮮と酷似

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。イランのウラン濃縮度が基準を上回ったことをIAEAが確認したニュースについて解説した。

IAEA本部 (オーストリア ウィーン)(国際原子力機関 – Wikipediaより)

イランのウラン濃縮活動、IAEAが基準を上回ったことを確認

国際原子力機関(IAEA)は8日、イランが行っているウラン濃縮活動について、核合意で定められた濃縮度の基準を上回っていることを確認した。制限を超えるウラン濃縮を行っていることを、国際機関が正式に確認したのは初めて。IAEAは10日に特別理事会を開催するとしている。

新行)アメリカをはじめとして、ヨーロッパや関係各国の対応が注目されます。

平壤(朝鮮民主主義人民共和国 – Wikipediaより)

イランは1990年代の北朝鮮の状況と似ている~一触即発の可能性

高橋)私は国際情勢を考えるときに、似たような例を探します。このイランの状況に似ているのは、1990年代途中の北朝鮮の状況にそっくりです。北朝鮮のときは、周りの国が原子力発電の援助をすると言って封じ込めをしていました。結果的に北朝鮮はズルをしていて、いまに至っているわけです。途中、アメリカが本当に北朝鮮を攻撃するという話がありましたが、それを思いとどまった。でもいま北朝鮮は核兵器を持っているという状況です。これにイランが似ているから、いま攻撃するかしないか、せめぎ合いをしているところだと思います。アメリカはそういう戦略ですから、一発触発の可能性はあるのですよ。そうなるとホルムズ海峡が有事になって、日本はオイル価格が高騰して経済が大変なことになります。でもいまのイランの状況と国際情勢を見ていると、北朝鮮と似ているなという感じがします。こういうときは偶発的な話に注意しなければなりません。そういう状況だから、安倍総理はイランに行ったのでしょう。行く人がいないので、行ったことを世界の人は評価しています。

新行)そんななか、タンカー攻撃がありまして。

高橋)ああいう状況はあり得ます。あれは本当の戦争ではなく、吸盤型機雷と言って死者が出ず、ただ船体に穴が開くだけのものです。単なる警告です。ミサイルなどの飛翔体を撃ち出したら危ないですよね。

新行)アメリカがイランに圧力をかけて行って、そこから何かを引き出そうとしているということがありますよね。

イラン学生通信(ISNA)が13日、AFP通信に提供した、オマーン湾で黒煙を上げるタンカーの画像=2019年6月13日 写真提供:時事通信

長い目で見れば、アメリカはイランから引いて行く~アジアからも撤退か

高橋)北朝鮮のときもそうでした。結果的に核武装の方向に行くのではないかと思います。でもアメリカは、長い目で見ると引いて行くのですよ。自分たちも産油国だから、「イランも中東も関心がないから引くよ」、「日本もタンカーを守りたいなら自分で守れ」という言い方をします。ずっとアメリカが守ってくれるかは分からないから、日本も覚悟を決めなければなりません。アメリカが引いて行く話だと、最近アジアでも似たようなことがあって、アメリカが台湾へ武器を輸出するという話になっているのですが、これもアメリカが極東から引いて行くためです。トランプ大統領は選挙公約で在韓米軍を撤退させるとまで言っています。日本は撤退されると困りますが、「それぞれ自分の国で守れ」ということです。台湾に武器を売るのもそういうことです。だから日本にも武器を売るのですよ、「自分で守れ」と。「アメリカの兵士が血を流してまでアジアを守らないぞ」というメッセージでもあるのです。中国は「いやだ」と文句を言うのだけれど、自分で守らないとアメリカは守らないというメッセージですよ。

新行)アメリカとイランの関係性や、高橋さんがおっしゃった「アメリカが台湾へ武器の売却をする」というニュース2つで、日本の安全保障の在り方を考え直して行く機会になりますね。

オロペサ型係維掃海具の掃海浮標(掃海艇 – Wikipediaより)

アメリカが台湾に武器を売却する理由

高橋)安保法制をやったときに、ホルムズ海峡で日本は集団的自衛権の行使として「機雷掃海」と言って、機雷が埋められていたら除去することを安保法制で認めました。機雷を除去するのはアメリカ軍が守ってくれるから、その後方支援としてやるという議論なのだけれど、アメリカは守ってくれません。だから海上警備行動と言って、「自衛隊が日本のタンカーを全部守れ」と言われるかもしれません。もう局面が変わっていて、アメリカが守ってくれるから、その後方支援をやればいいというレベルではなくなっている可能性もあります。そういうことを国政選挙で議論したらいいのですが、日本はあまり議論したくないのですよね。

新行)外交が争点になって来ることは、選挙ではあまりないですよね。

高橋)でも国政の重要なことですから。極端に言えばアメリカ軍がホルムズ海峡を守ってくれないとき、誰が日本のタンカーを守るかという議論です。行ってはいけない、そんなことを考えてはいけないと野党の人は言いますが、現実にタンカーが攻撃されて、警告されているではないですか。同じことはひょっとしたら南シナ海でもあるかもしれません。安全保障を考えて、自分のことは自分で守るようにしなければいけません。トランプ大統領ですから、いつ韓国から在韓米軍を引いてしまうかわかりませんよ。そうすると日本が最前線になります。大変な時代ですから、そういうことを国政で議論すべきです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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