しゃベルシネマ

リーアム・ニーソン、今度は息子を殺されてブチギレ!?

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第635回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、6月7日に公開された『スノー・ロワイヤル』を掘り起こします。

 

雪が血で真っ赤に染まる! 鮮烈なのに、まったく噛み合わない復讐劇


雪深い静かな田舎町、キーホー。除雪作業員のネルズ・コックスマンは、模範市民賞を受賞するほど真面目な男。しかしある日、一人息子が死亡。麻薬王バイキング率いる組織による犯行だと気づいたネルズは、復讐を開始。組織の人間を1人、また1人と殺して行く。

ところが、ネルズの復讐を敵対する麻薬組織の仕業だと勘違いしたバイキングは、敵組織を襲撃。もちろん相手も黙ってはおらず、すぐさま報復に乗り出し、さらに警察をも巻き込んでしまう始末。勘違いが勘違いを呼んで、ネルズの復讐劇はとんでもない方向へと進んで行く…。


かつては『シンドラーのリスト』など演技派俳優の印象が強かったのに、『96時間』シリーズ以降は、すっかり“無敵オヤジ”っぷりが板についてしまったリーアム・ニーソン。そんな彼の主演最新作『スノー・ロワイヤル』も、一人息子が殺されたことをきっかけに復讐の鬼と化すクライム・エンターテインメント。

どの作品でもキレッキレのアクションで私たちを楽しませてくれるリーアムですが、今作はこれまでとはどうも様子が違うようで…。


本作でリーアム・ニーソンが演じるネルズは、これまで彼が演じて来た“元工作員”や“元刑事”といったキャラクターとはまったく違い、田舎町で平和に暮らす“普通のおじさん”。日々の除雪作業で身体を鍛えているとは言え、復讐、ましてや殺しに関してはズブの素人。当然のことながら、殺しに関する知識もスキルも持ち合わせていません。

しかし常日頃から仕事を通じて身につけた土地勘と犯罪小説を読んだだけの知識、そして膨れ上がった復讐心と執念を武器に、次から次へとマフィアの下っ端を殺して行くという暴走っぷりは、常軌を逸した狂気をはらみながらも、同時にシュールささえ感じさせてくれます。


家族を守るために、腕っぷしの強さで敵をなぎ倒して行く“怒れる親父”像がすっかり定着したリーアム・ニーソン。しかしちょっとした脚本の妙で、見慣れた感があるキャラクターもこれほどまでに面白みが増すとは。これまでのリーアム作品にはないテイストのクライム・サスペンスは、意外性あふれる名作です。


スノー・ロワイヤル
2019年6月7日から全国ロードショー
監督:ハンス・ペテル・モランド
出演:リーアム・ニーソン、トム・ベイトマン、トム・ジャクソン、エミー・ロッサム、ジュリア・ジョーンズ、ローラ・ダーン
©2019 STUDIOCANAL SAS ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト https://snowroyale.jp/


八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

ニッポン放送 ニッポン放送
Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.