憲法改正~きわめて特殊な憲法をこのまま持っていて良いのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月14日放送)にジャーナリストの有本香が出演。憲法改正について解説した。


安倍総理が改憲論議積極的にと指示

安倍総理大臣は5月13日の自民党役員会で、憲法改正をめぐって夏の参議院選挙を見据え、自民党議員はもっと積極的に議論すべきだと指示した。これに関して自民党の二階幹事長は13日、記者会見のなかで、野党の情勢が整わないなら自民党だけでも先行し、改憲とはこういうことだと国民にお分かりいただく努力が大事だと指摘をした。

飯田)改憲については憲法審査会でもなかなか進まない。

有本)進まないのですが、ここへ来てメディア各社の世論調査では、改憲を積極的に議論して行くべきだという声が半数ぐらいに迫っています。

飯田)そうですね。

有本)そんなことをしなくていいという声と、拮抗するようになっています。しかも、いままでどちらかと言うと改憲支持ではないメディアでの調査でもそのようになっています。国民の間では、戦後の憲法そのものに問題があるのではないかと。いまの日本を取り巻く環境を考えれば、この憲法を変えることも含めて、国会は議論すべきだと思っている人が増えて来たということです。
この憲法を議論するということの歴史を振り返ると、現状の憲法審査会の前に、憲法調査会というものがありました。これは1950年代に1度あったのですが、それとは違って、2000年に設置されているのです。その前の年の法改正でできたものですから、約20年前。これが2007年まで続きました。憲法調査会というのですから、いわゆる、お勉強をしていたのですね。

飯田)そうですよね。

有本)7年間お勉強して、その挙句に憲法審査会というものを設けて、そこから12年経っています。「いつまで勉強しているのですか」という話ですけれども。

飯田)そして、いま憲法審査会でやっている話も憲法そのものではなくて。

有本)それより前の話です。

飯田)CMの話とかしていましたよね。

有本)CM規制ですね。これも1度ある程度結論が出た話だと思いますが、未だに時期尚早とか、まだまだ慎重にと言っている党派もあるのですが、これは理解できないです。この問題を軽薄な政争の具にするべきではなくて、本当にこれは日本の存立がかかっています。何かあったときに、自衛隊は他国の軍隊と同じような前提では戦えないのですから、日本を守れない可能性が非常に高いわけです。それをそのままにしておくのでしょうか。シンプルな話だと思うのです。でも、その周辺のCM規制などの本質論から外れたところにわざと議論を誘導する。
そもそも戦後の憲法は、日本が自立した主権国家として、本来ならば国である以上自衛をするのは当たり前のことですが、それをさせないようにした極めて特殊な憲法なのです。これを「そのまま持っているのですか?」ということです。

マッカーサー(1945年8月、フィリピン)(ダグラス・マッカーサー – Wikipediaより)

いまのままでは不測の事態が起きた場合、国民を守れない

飯田)1946~1947年の理想に燃えた時期に、もしかしたら国連軍ができるから、それが守ってくれるみたいなものを盛り込んでしまったから…。

有本)国連軍というものはありますが、明らかに占領軍が日本に再武装させないために作った憲法です。いろいろなことを言う人がいるけれど、記録にも残っていて、マッカーサー氏がはっきりと指示しているわけです。そうやってできたものを、本来であれば主権を回復したときに、ここは変えておくベきだったと思います。
国である以上、何か不測の事態が起きたときには守らなければならない。そのとき、日本だけが他の国にはない形で自分の手足を縛ってしまうのは、憲法を大事にするあまり国民を守れないということです。

飯田)現場の自衛隊が、無理やり体を合わせるようにしてやり続けて来た歴史がありますからね。


憲法改正について国民が選択するべきではないか

有本)やはりこれは、普通の形にすべきではないですか。特にそういう声は若い人に多い。今後の日本のことを考えれば、それはそうだと思います。これに対して国会議員はみんな真面目に向き合ってほしい。私たち国民1人1人の良識で判断して行くことなので、これは9条に絞って良いと思いますけれども、自分たちで自分たちの手足を縛るこの憲法をどうするのかという選択を、日本国民にさせて欲しいと切に思います。

飯田)いままで、主権の行使というものを直接、国民投票をしたことがないわけだから。

有本)そうですよね。その手前で立ちはだかって、日本国民にそれをさせない党派というのは、果たして今後の日本国民に支持を広げられるのでしょうか。

飯田)不思議なのは、消費増税などの話だと、増税をして借金を返すのだと。負担を先送りにするなと言いますが、この憲法に関しては負担を先送りにしまくっていますよね。

有本)まさに、負担を先送りですよね。これを持ち続けている限りは、主権が回復していないのと同じようなことですから。

飯田)諸外国はそう見ているということですよね。

有本)それで良いのかということだと思います。いままで何度もありましたけれども、例えば2015年に憲法解釈を変えて、集団的自衛権の行使を一部容認するということがありました。あのときも大騒ぎしたではないですか。

飯田)そうでした。


憲法を変えて来なかった日本の責任

有本)結局あのときも、これを認めたら日本は戦争への道に突き進むのだとか、徴兵制が復活するだとか、荒唐無稽なことを言っていた人たちがいました。もう4年経とうとしていますが、そうはなっていません。国民を間違った方向に誘導するレッテル貼りだったからです。
いろいろ古い記録を振り返っているのですが、25年前の1994年に北朝鮮が初めて核疑惑を、疑惑はそれ以前にもあるけれど、それに国際社会が向き合おうとしたときです。当時の柿澤外務大臣が、日本はいままでの集団的自衛権が行使できないという憲法解釈を変えてでも、周囲の変化に向き合えるような状況を作るべきではないか、ということを発言しました。これがたちまちメディアに潰されたのです。25年前ですよ。極めてまともなことをおっしゃったのです。あのときに対応していたならばという思いはすごくあるし、ものすごく抑止力になったでしょうし、北朝鮮をここまでのレベルの脅威にしてしまうことも、もしかしたらなかったかもしれない。そのときに、例えば集団的自衛権の行使を認める方向にして、さらにそのまま憲法を改正する方向に進んでいたら、ということなのですよ。いまさら言ってもしょうがないけれど。それを誤った世論を作って、ずっと日本が当たり前の自衛をするという道を阻んでいた力が大きく働いて来たと思います。

飯田)その歩みで、では誰が得をしたのだろうと思うとね。

有本)そうですよ。誰も得をしていない。

飯田)日本国民はね。

有本)日本国民は。結局これは、地域の不安定化にも一役買った結果になっています。

飯田)確かにそうですね。北朝鮮の暴走が止まらなかった。

有本)この番組で飯田さんたちとお伝えしたと思いますが、世界の防衛費が2.6%くらい上がっていて、アジア太平洋地域はそれよりさらに上がっている。なぜかと言うと、中国あるいは北朝鮮は、額的にはそれほどではないにしても脅威として大きくなっているではないですか。こういう状況を作り出した責任は、むしろ日本にあると思います。日本が向き合って来なかったことによって、地域も不安定化したということだと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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