国民民主党と自由党が合併~弱い者同士が合体しても国民を説得できない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月26日放送)に外交評論家でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。国民民主党と自由党の合併について解説した。

国民民主党と自由党が合併で合意~インパクトのない合併

国民民主党の玉木代表と自由党の小沢共同代表は4月26日未明、両党の合併合意書に署名した。合併の方式は国民民主党を存続政党として自由党は解散する。

飯田)党名も変わらず国民民主のままとなるようですね。代表も引き続き玉木さんがやるということです。

宮家)良く分からない。失礼なことを言うのだけれど、自由党ってまだあったのですね。玉木さんは役人時代に仕事をしたことがあるので優秀な人だと思うのですが、フラフラですよね。片方は力があるのか無いのか分からないけれどお金を持っているかもしれない政党と、もう一方はフラフラしていた政党が一緒になる。全然インパクトが無いです。残念ですけれどね。本来ならもっと野党が基幹政策の議論をして、国民にいろいろなアイデアを与え、次の政権を担うために様々な活動をするはずなのですけれど、野合と言ったら失礼ですが、弱い者同士が合体するだけ。国民に、「いまの安倍政権ではなくて何か違う政治をやらなくてはいけない」と思わせるようなものを出さなければならないのに、それがまだ見えて来ない感じがします。一緒になるのは良いけれども、数合わせではだめなので、政策は何なのかということがまだ響いて来ないなと言うのは、ちょっと厳しすぎるでしょうか。

飯田)玉木さんはフラフラななかでも、党首討論で外交についてこうすべきだ、とぶつけたりするのはいい議論をしているなと思うこともある。ただ「森加計けしからん、安倍が」というようになってしまうこともまたある。

宮家)攻めるものがあれしか無いからね。

飯田)野党の戦術としては。

宮家)対決の新しい軸を皆模索しているのですけれど、まだ出て来ていない感じがしますよね。

自民党一党に対立する軸を見つけられない野党

飯田)右とか左という軸も、イデオロギー対立ももう無いと思いますけれども、その物差しで考えると、右と左に寄る形はあるのですけれど、真ん中でしっかりやるという部分がどんどんなくなって来ている。

宮家)日本は真ん中というところはなかなか難しい。昔の民社党は僕に言わせれば中道、部分的には右の部分もあって、非常にバランスが取れていると思ったのだけれど、それで票が取れるかと言ったら取れない。あのときは社会党が強くて、勿論共産党も別途あって、一定の票がそちらに流れていた。本来なら自民党の一部と、社会党の支持者の一部を一緒にしたものが票を取れる、真ん中なのだからいちばん票が多いはずなのだけれど、その部分で成功した政党が日本には無いのですよ。
そこは自民党の懐の深さということでしょうか。そもそも、昔、自民党は一党ではなかったと私は思います。中選挙区制下の自民党は、右から左までいろいろなミニ政党、派閥による連合政権だった。しかしいまは小選挙区制が導入され、連立政権では無くなって、自民党はまさに一党になったのです。だからこそ自民党だけではできない部分がある筈なのに、野党側はそれをまだ見つけられていない。

飯田)立憲民主党はこういった野合のような形に批判的で、政党と政党同士がくっつくことは基本的にあり得ないと言っている。まだまだ先は長いですね。

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