日米貿易交渉~トランプ大統領の言う無茶をどれだけ防げるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月17日放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が出演。日米貿易交渉について解説した。

笑顔で会談するトランプ米大統領(右)と安倍首相=2018年9月26日、米ニューヨーク(共同) 写真提供:共同通信社

日米貿易交渉~2日目の協議がスタート

ワシントンで行われている日本とアメリカによる新たな貿易交渉の2日目の協議が始まった。協議には初日に引き続き茂木経済再生担当大臣、ライトハイザー・アメリカ通商代表部代表らが参加。どの項目で関税の削減などの交渉に入るか、交渉の範囲についての議論が焦点となっている。

飯田)昨日(16日)ときょうの2日間にわたるこの会合。TPPのラインでというようなことが言われていますが、どうご覧になりますか?

青山)トランプさんはそもそもTPPを否定なさったわけですからね。

飯田)そうですね。就任初日に。

茂木敏充 – Wikipediaより

トランプ大統領がどれだけ無茶を言うか~米から「タフネゴシエーター」として評価のある茂木大臣

青山)多国間では気に入らない。日米の二国間にしてくれということもあるけれども、要はアメリカの物をもっと買ってくれ、日本の物は買いたくないというトランプさんらしい話なので、従ってこの日米貿易交渉は、トランプさんが「どれだけ無茶を言って来るのか」ということに尽きます。僕は自由民主党議員なので茂木さんのことは褒めにくいのですが、アメリカの評価はすごく高いです。

飯田)アメリカからの評価が高いのですね。

青山)高いですね。タフネゴシエーターと見られている。タフネゴシエーターとは褒め言葉であると同時に、厄介なやつだという意味のタフです。アメリカは面白くて、相手がすごく有能で筋道をしっかり立て、あくまでアメリカ側の言うことをよく聞いてかみ砕いて、咀嚼してから反応があるという人が好きなのです。

飯田)なるほど。出て来るなと。

青山)そういう感じ。だから警戒しながら茂木さんのハンドリングに期待しているところがある。昨日は穏やかでしたが、相撲で言うとちゃんと立ち合いをしたけれど、少し様子を見合っているような感じではないでしょうか。

飯田)組まずに、お互い目と目で牽制し合っているみたいな。

青山)そういう感じですよ。初日はね。

飯田)ではこれからいよいよ。

青山)茂木さんは多分、先に出すことはしないと思うから、そうするとしびれを切らしたアメリカがどこまで無茶を言うのか。例えば「円高にしろ」とか、そんなことは人為的にできないというのが当然、日本と国際社会の立場だけれど、いまは円が安いから。それははっきり言って無茶な話ですけれどね。

飯田)直前、ムニューシン財務長官が記者団の質問に答えた、為替条項を追加するということもいまおっしゃったところです。ポイントになるぞという話をして、これは下手をすると日本の金融政策にも影響が出て来ますよね?

青山)いや、下手をしなくてもそうですよ。

飯田)それが意図ですよね。アメリカとしては。

トランプ米大統領の一般教書演説を聞き、立ち上がって拍手をするペンス副大統領(後列左)と、着席したままのペロシ下院議長(同右)=2019年2月5日、ワシントン(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

多少の円高には耐えられる日本~周りの意見を聞くようになったトランプ大統領

青山)ただし、トランプ政権も来年(2020年)、大統領選挙があります。日本の産業界は意外に鍛えられたのですよ。日本に不利にならない範囲で言うと、少々の円高なら負けないです。ということは意外でしょうが、日本側に少し余裕があるのです。それは茂木さんのタフな交渉ぶりにもいい影響が出ています。
あと1点、トランプさんはこの頃、貿易交渉も含めて周りの意見をよく聞いているのですよ。

飯田)そうなのですね。

青山)トランプさんらしさは相変わらずです。壁の建設を譲らなかったり。大統領選挙に勝つ為にもイスラエルを徹底的に、中東の親米諸国を敵に回して、みんな困っているわけですよ。中東諸国は。

飯田)ここまで露骨にやられるとね。

青山)ユダヤ系の票が欲しいから、そういうことはなりふり構わずにやる。やるけれども、こういう貿易交渉や微妙なハンドリングが必要なところについて、前みたいに自分は商売の経験があるからということをゴリゴリ押し通さずに意見を聞くのですよ。それも初日がやや穏やかだったことに影響しています。

ゴラン高原を訪問するイスラエルのネタニヤフ首相(中央)とグラム米上院議員(手前左)ら(ゴラン高原)=2019年3月11日 写真提供:時事通信

日米の貿易交渉がスタートラインに立ったところ

飯田)速報が入って来ましたが、茂木経済再生担当大臣は現地16日の夕方、日本時間は17日の朝、日米貿易交渉の初回協議終了後の会見のなかで、農産物などの関税分野に加えて、電子商取引など、デジタル貿易も交渉対象とすることで合意したと述べたということです。

青山)これはむしろいい話です。円高にしろとか無茶な話をするのではなくて、このデジタル取引は絶対にないといけないので。

飯田)ただその会見のなかで、対象になる範囲について、今回の協議では確定しなかったということを明らかにしたということです。確定はしないけれども、いまのところ言及として為替については無かったということです。

青山)いまのところはね。日米貿易交渉全体がスタートラインに立ったというだけであって、今月末の総理の訪米も含め、その後で官房長官も5月に訪米されますが、そういうことが全部込みですからね。

飯田)日本としては貿易の部分、関税などに狭くすればいいというようなところで言っていますが、アメリカとしては社会制度であるとか、非関税障壁と言われるものまで踏み込みたいところはあるわけですよね。

青山)日米貿易交渉は構造協議という名前でやっていたときもあったし、永遠とやっていますが、日本がずっと譲歩して来た。その結果、米国にとっては有利な状況になっていて、あまり言われる筋合いは無いのですよ。無いけれども、アメリカの真意はやはり日本の存在感。外交は低いのですが、やや衰えたと言っても経済分野では大きいので、ここでモデルケースを作りたいのです。TPPを抜けてしまって、二国間でFTAをやって、日本と結び合えば楽になるということで範囲も広げたい。でも日本は出汁に使われるのは困る。「いままでどれだけ譲歩して来たと思っているのですか」という問題ですよね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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