ロシア疑惑の捜査終結~捜査報告書がどこまで開示されるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月25日放送)にジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰が出演。トランプ陣営との癒着を巡るロシア疑惑について解説した。

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ロバート・モラー – Wikipediaより

ロシア疑惑の2年に及ぶ捜査が終了

ロシアによる2016年の大統領選挙への介入と、トランプ陣営との癒着をめぐるロシア疑惑のおよそ2年に及ぶ捜査が終わり、指揮を執ったモラー特別検察官からバー司法長官へ捜査報告書が渡った。バー氏に報告書を全面公開する義務はなく、議会にどの程度の捜査情報を開示するかに関心が高まっている。

飯田)これについて概要を記した書簡をバー司法長官は議会側に送ったということで、その情報がぽろぽろと出て来ていて、大統領が犯罪に関与したと結論付けないが免責もしないという、判断を見送ったようなことが報じられております。これは1つ局面が変わったと見て良いのですよね?

富坂)そうですね。トランプ大統領も晴れ晴れとした顔で言っていましたけれど、ただ証拠不十分と言うことなので、火のない所に煙が立ったわけではなく、確定できるものでは無かったということです。犯罪に関与したと結論はつけられなかったのです。

飯田)白とは言えないけれど、黒とも言えないと。

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ウィリアム・P・バー(英語版)就任日: 2019年2月14日(アメリカ合衆国司法長官 – Wikipediaより)

本当にアメリカの大統領選挙にロシアがコミットしたのか

富坂)そういうことですよね。ただ、例えば選挙本部長のマナフォート氏とか、外交のカーター・ページ氏とか、あの辺が捕まって一部有罪ですからね。そういうことからすると、大統領を追い詰めるまでの話では無かったのだけれど、疑惑は疑惑としてずっとあったということです。しかもその裏では互いにたくさんの諜報活動をしていた人を捕まえたり、別荘を潰したりいろいろやっていました。だから、疑惑が0だったという話ではないです。米露関係にはずっとこれが底流にありますよね。アメリカの民意を問うような選挙に、ロシア側が本当に深くコミットしたのか。はっきりと見せて欲しいなとは思いますけれどね。

飯田)どんな手法なのか。

富坂)そんなことが本当にできるのかとかね。よくフェイクニュースのいろいろな世論形成の仕方が出て来て、そう言うものを我々は見ていますよね。フェイクニュースを作るとそれを打ち消すまでに時間がかかるので、1つの選挙の勢いや流れを作り出すことができるのは知っていますが、もっと直接的な関与があったのかどうか。グレーゾーンに至るまでにどういう手法をやったのかも知りたいですよね。しかも、やはり私の頭のなかで言うとサイバー大国はアメリカなので、そういう意味で言うとロシアがそんなことをやるということは…と思いますよね。

飯田)その手法とは少し異なるかもしれませんが、映画「スノーデン」ではその辺りのことが一部、出て来ていますよね。こんなところまで知っていたのか、みたいな。当然日本の総理の電話も盗聴しているという話が出たり。

富坂)そうですね。情報開示の話で言うと、日本だってかつてありましたけれどね。撃墜された飛行機の情報を開示してしまうと、どこまで日本が知っているかという話が出てしまう。守るも攻めるも安全保障の場合は一体化しているので、ここでどこまでの疑惑を解明したと言うとしたら、アメリカのセキュリティの実力を見せてしまうところもあるのかもしれないし、そこも気になって気になって仕方がない。

飯田)そう考えると、そもそも全部がオープンになることはあり得ない話だし、あってはいけない話なのですね。

富坂)そのような気がしますね。だから、ロシアが本気でやればやる程、両方共に開示できない感じがしますよね。それだけに知りたい、というところがあります。

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ニューヨークの連邦地裁を出る、トランプ米大統領の長年の個人弁護士だったマイケル・コーエン氏(中央)(アメリカ・ニューヨーク)=2018年11月29日 写真提供:時事通信

これまでロシアが果たして来た役割が中国になりつつある

飯田)その一方で大統領を追い詰めたい、特に民主党、マジョリティを取っている下院の側はとにかく情報を全部出せと。そしてモラーさんの感触みたいな、大統領は黒とは言えないけれど、どこまで黒に近いのか、後は私たちが捜査してやると、そんなところまでも視野に入るみたいですね。

富坂)そうですね。今年の秋くらいからは、次の大統領選挙の対抗馬がいろいろ出て来る流れに入りますよね。それまでの間にできるだけダメージを付けることが戦略としてあるのかなと思います。

飯田)アメリカとしては、内政がもう完全にプライオリティになって来ると。

富坂)だと思います。私は、基本的にアメリカの人はあまり海外のことに興味が無いと思います。世界チャンピオンの国に生まれたのですから。そうすると、アメリカの国民にどう見られるかが政治家にとっていちばん大切なことなので、中東とかヨーロッパの大分後にアジアの関心が来るという感じで、私はいつも見ています。そういう意味では、海外に目が向きにくい国だと思います。しかしロシアは別です。国内政治における1つのポジションがもう決まった形であって、そのポジションに中国が段々とはまりつつある。その中国を叩いて国内で人気が出る。中国の役割をこれまで果たして来たのはロシアです。だから横綱としてここに出て来るわけですけれども、いわゆる海外物として扱うべきかと言うと、ほとんどアメリカの内政になっていると思いますね。“対ロシアにおけるロシアの退路”というものが問われることがあるのですね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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