JOC竹田会長の退任~危機管理に失敗したJOC

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月20日放送)に元航空自衛官・評論家の潮匡人が出演。退任表明をしたJOC竹田会長について解説した。

JOC竹田会長の退任~危機管理に失敗したJOC

JOC・竹田恒和会長 東京五輪招致疑惑について会見 =2019年1月15日 写真提供:産経新聞社

JOC竹田恆和会長が今年6月の退任を表明

竹田JOC会長)次代を担う若いリーダーにJOCを託して、そして東京オリンピックを通じて日本の新しい時代を切り拓いてもらうことがもっともふさわしいという思いにまとまりました。

2020年東京オリンピックの招致をめぐり、フランス司法当局から贈賄容疑で捜査を受けている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長が退任を表明した。任期満了となる6月いっぱいで退任となる。

飯田)2020年東京オリンピックまでの続投をご本人は当然望んでいたわけですけれども、退任ということになりました。IOCからも圧力があったとも報じられています。

潮)今回のことについては産経新聞から朝日新聞まで、今朝の朝刊で批判しています。先程の会見もそうですし、発端となった疑惑報道を受けた当初の会見のときに、質疑を受け付けなかったこともこうした展開に至った1つの要因だろうと思います。結局はJOCあるいは竹田会長を含めて、危機管理に失敗したという側面は否めないのではないでしょうか。

JOC竹田会長の退任~危機管理に失敗したJOC

2020年東京五輪組織委員会・第28回理事会 竹田恒和理事=2018年10月23日 写真提供:産経新聞社

中途半端な対応が悪化を招いた

飯田)7分間で質疑無しで、記者が追いすがるという映像が流れてしまうと、どちらが悪者だと思います? ということになってしまった。贈賄疑惑に関しては、もしかしたら釈明の余地もあるのかもしれませんが。喋れなかったのですかね?

潮)事情があると言う主旨の釈明をされましたが、疑惑は無い、違法ではないということであれば、退任をする必要は無いはずだという見方を国際的にもされます。何らかのことはあったのではないかという印象は残ってしまう。会見をして否定するのであれば、きっぱり否定をし、そうした態度を貫くべきだったでしょうし、最終的に退任ということであれば、各紙の社説で書かれている通り「どうして、いますぐやめないのだ」と批判も出ます。中途半端な対応が悪化を招いた要因ではないかと思います。

飯田)週末に総理と森オリンピック準備委員会の会長が会談をしていましたが、竹田さんの身柄についてではないかと報道されています。やはりいろいろな力が渦巻くところなのですかね?

潮)フランスの法律に違反したということなのか、仮にそうだとしても、そのことが直ちに国際的な役割の信用を失うことになるのかどうか。法的にはどこの国の法律が適用されて、どこの国の裁判所で裁かれるのかが重要なポイントになります。しかし、そうした精緻な議論はされずに、印象でここまで事態が悪化してしまった。
その印象論で言うと、竹田会長がいわゆる旧宮家の方であることも広く知られているということです。先日の国会でも、旧宮家の復活を含めて皇位の男系継承をどう考えているのかと言う質問に対して、総理は男系で継承されて来たことの重みを踏まえた形で答弁をされました。今回のこの事件が後世、「あれがなければ、旧宮家の復活という形で男系の継承について議論がきちんとされていたはずなのに」という展開にならないように、その被害を最小限にとどめていただきたいと思います。

飯田)別の意味で、大きな問題でもありますものね。

潮)そうですね。乱暴に分かりやすく言ってしまえば、「JOCの会長に不適任という方が皇族、天皇で良いのか」ということになってしまうと思います。ですので、様々な観点から本当は冷静な議論をすべきだったのだろうと思いますけれどね。

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