知的障害を持つアーティストと社会をつなぐ「全日本仮囲いアートプロジェクト」

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、株式会社ヘラルボニー松田崇弥・松田文登が出演。知的障害を持つ方と社会をつなぐヘラルボニーの現在進行中の仕事について語った。

知的障害を持つアーティストと社会をつなぐ「全日本仮囲いアートプロジェクト」
黒木)今週のゲストは株式会社ヘラルボニーの松田崇弥さんと松田文登さんです。
いまやっていらっしゃるプロジェクトはどういうものがあるのでしょうか?

文登)「CAMPFIRE」と言うクラウドファンディングのプラットフォームサービスがありますが、そちらでいろいろな方々から商品を購入してもらう、というようなページが立ち上がっています。福島県にある「はじまりの美術館」と言う、知的障害のある方が描くアート作品を飾る美術館とコラボして、ネクタイやTシャツなどを出している最中です。

黒木)新しい物が展示されて販売されているということですか?

文登)そうです。

黒木)ここにネクタイがありますが、ネクタイの裏にデザインしたアーティストの名前と似顔絵が書いてあるのですね。

文登)私たちは作品名もですが、商品名にも全部名前を付けています。

崇弥)「知的障害のある方のヒーローを作りたい」というものが最初のコンセプトですので。

黒木)これからどうしますか? やりたいことがたくさんあるのではないですか。

崇弥)そうですね、たくさんありますね。「全日本仮囲いアートプロジェクト」というものを提案しているところです。

黒木)建設中に命を守る囲いに、障害者の方々の才能豊かなアートを載せましょうというプロジェクトですね?

崇弥)民間企業や行政に働きかけていますが、“私たちは全日本仮囲いアートプロジェクトに協賛しています”というかたちで、協賛企業の方に仮囲いのアート作品を販売しています。

黒木)障害者の方々と社会をつなげるための架け橋のようなお仕事をされている。お2人の熱い思いはお兄さんの存在があったからです。いまお兄さんは何をしていらっしゃるのですか?

崇弥)兄はいま、週に3回生活介護に通っていて、そこで支援を受けています。週に4回は家族と過ごしています。

黒木)もういまは喧嘩しないでしょう。

文登)そうですね、兄とは全然しないですね。一緒に言葉遊びをよくやっています。

黒木)言葉遊びとはどういったものですか? “ヘラルボニ-”もお兄さんの頭のなかにある言葉でしたが。

崇弥)言葉遊び、本当に謎だよね。

文登)謎。

崇弥)例えばここにネクタイがあるとしたら、「ネクタイある? ネクタイある?」と聞かれるのですよ。それで僕たちが「ない」と言うと、すごく笑うのですよね。

文登)「あるじゃねえか」と思っていると思うのですが。

崇弥)この場にあるのに「ない」と言われているから楽しいのですかね。もう何パターンもあります。10パターンくらい。

文登)「お蕎麦にしましょう。ご飯にしましょう」と兄が言って、「ご飯にしましょう」とこちらが言うと、「いやいやお蕎麦にしたいよ」ということで笑うのかもしれません。謎なのです。

黒木)どこでヒットするか。パターン化がないのですね。

崇弥)そうなのです、ないのですよ。兄の頭のなかではロジックがあると思うのですが、「何が面白いのか」、家族でもそのロジックを解明できないのです。

黒木)統計を取ったらどうですかね。これは笑う、とか。そうするとお兄さんのロジックが分析できるかもしれない。

知的障害を持つアーティストと社会をつなぐ「全日本仮囲いアートプロジェクト」
松田崇弥&松田文登 株式会社ヘラルボニー / ブランド「MUKU」代表

■ともに1991年5月8日生まれ、岩手県出身。27歳。
■松田文登(兄)、東北学院大学共生社会経済学科卒業。MUKUでは、新規営業開拓・契約等を担当。
■松田崇弥(弟)、東北芸術工科大学 企画構想学科卒業。大学卒業後は、小山薫堂が社長を務める企画会社オレンジ・アンド・パートナーズに入社。退社後、「株式会社ヘラルボニー」を設立。MUKUの企画・プロデュース全般を担当。
■知的障害を持つアーティストたちの作品を製品化し、社会に提案するプロジェクト「MUKU」を立ち上げ、美術館やアートイベントなど数多くの企画に参加。知的障害を持つ方たちの創作活動の魅力、パワーを社会に発信している。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

番組情報

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毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

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毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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