アマゾンジャパンのポイント還元~地位の濫用となる可能性も

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月27日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ネット通販アマゾンジャパンのポイント還元について解説した。

Amazon アマゾン ジャパン ポイント還元 世耕経済産業大臣 公正取引委員会 出品者
ネット通販アマゾンジャパンのポイント還元

ネット通販大手のアマゾンジャパンが5月下旬から出品者の負担でポイント還元を行う方針を示したことを受け、世耕経済産業大臣が公正取引委員会に調査を要請した。世耕大臣は中小企業に負担を強いることがあれば大きな問題だとしている。

飯田)5月23日から全商品を対象に1%以上のポイント還元をやる。しかしこれを、出品者の負担でやるということを発表した。アマゾンが直販している商品はアマゾンがやるのですが、外部の出品者が販売する部分は外部にそれを強制するということです。

高橋)独占禁止法というものがあって、私は役人のときに公正取引委員会で働いていたことがあります。財務省から出向していて2年間。

飯田)そういう出向があるのですか。

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独占禁止法の優越的な地位の濫用となる可能性

高橋)これは典型的な、優越的な地位の濫用です。金融機関と普通の人では情報の格差があるから、金融機関が地位の濫用をするパターンと、小売りとの力関係で押し付けるパターンとあります。これは小売りの典型的なパターンです。

飯田)昔だったらメーカーがこの値段で売れとか、要請と言うか、強制するようなことがありましたが。

高橋)そういうものに対して独占禁止法の優越的な地位の濫用はだめだし、あと下請けの人が不利益にならないようにしなくてはいけないので、どちらかで引っ掛かって来る。ただeコマースでしょうから、下請法の適用はアマゾンでは難しいので、これは独占禁止法の優越的な地位の濫用になると思いますけれどね。とにかく強要したらアウトです。「これに従わないと入れませんよ」なんて言ったら、優越的地位の濫用になります。

飯田)アマゾンがここまで浸透している以上は、ここで売らないとなかなかさばけないという中小企業がたくさんあります。

高橋)下請けと一緒でね、そういうときに泣かされているところも多いのではないでしょうか。世耕大臣も中小企業の擁護という立場ですから。普通、経産大臣は企業の立場だから、どちらかと言うと公正取引委員会とは敵対することが多いのですが、ここはタッグでやっているので、高い確率で優越的地位の濫用になりそうですね。

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厳しくなるGAFAに対する締め付け

飯田)アマゾンも含めて、ネット大手、GAFAと呼ばれる企業に対しての締め付けも、世界的には厳しくなっているのですか?

高橋)そうですね。強くなりすぎて競争条件が保たれていないとか、情報の管理がずさんだとか、いろいろと問題が出ているのではないでしょうか。

飯田)その辺のデータの管理では、EUが先行していると言われていますが、日本もそれに歩調を合わせているのでしょうか?

高橋)アメリカはGAFAの親元みたいなところなので腰が引けるのでしょうが、日本の場合はEUに近くなると思います。

飯田)そうすると、ある一定の競争条件は確保しろよ、と。

高橋)ある程度は競争条件を確保しないと、きちんとした競争ができないレベルになる。

飯田)かつてのメーカー規制のように、市場のシェアなど、はかりづらいですよね。

高橋)だから、結果的にはこのように契約がどうなっているかで捉えて行く。

飯田)日本にはeコマースの会社はいっぱいありますが、今回はそこも、楽天なども含めてやるということですよね。

高橋)楽天などに出品したことで、不利な状況を飲まされたというところもあるのではないですか。そういう苦情も多いのだと思いますよ。

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