拉致問題~ストックホルム合意時、北朝鮮の情報を日本政府が発表しなかった本当の理由

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ニッポン放送「鈴木哲夫のOK! Cozy up!」(2月21日放送)に国民民主党代表の玉木雄一郎が出演。第2回米朝首脳会談と、日本の北朝鮮に対する外交体制について解説した。

日米首脳が電話会談、拉致解決へ連携確認

来週27日、28日に予定されている2回目の米朝首脳会談を前に、安倍総理は昨日夜アメリカのトランプ大統領と電話会談を行った。安倍総理が拉致問題解決に向けた自らの考えを伝えたのに対し、トランプ大統領は「私も拉致問題を重視する」と述べ、今後連携することで考えが一致した。

鈴木)玉木さん、今度の2回目となる米朝首脳会談、どういう内容でどういう見通しだと見ていらっしゃいますか。

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金正恩氏、陸路で訪越も? ベトナム・ハノイのホテルを出る北朝鮮のキム・チャンソン国務委員会部長(中央)=2019年2月17日(共同) 写真提供:共同通信社

日本が注意しなくてはならないのは北朝鮮の中距離、近距離ミサイルの問題

玉木)すごく心配しています。2020年にアメリカの大統領選がありますから、国内で様々な問題を抱えているトランプ大統領にしてみれば、多分、米朝関係だけが唯一得点を稼げるものです。得点とは何かと言うと、アメリカ国内の得点を取ればいいのです。心配なのは、非核化と言いながら「実験しなければOKですよ」とか、段々基準が下がって来ていることです。日本が気をつけなければいけないのは、拉致問題もそうですが、東京に届く中距離ミサイル、ノドン。西日本を射程に入れているスカッドERという近距離ミサイル。この中距離、近距離はトランプさんからしたら関心がないのです。むしろ残っていた方がイージス・アショアを売りやすくなります。
日本にとって本当にプラスになる合意が結ばれるのかは、アメリカの国益と日本の国益はズレますから、そこはしっかりチェックすることが大事です。

鈴木)電話会談で、日本の拉致問題も抱えていて、取り上げると言っていますけれども、はたしてどれだけこの会談のなかでトランプさんが重視しているのか、もしくは北朝鮮が重視しているのか。この日本の存在、扱い方はどう見たら良いのでしょうか?

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横田早紀江さん(右)と横田めぐみさんの写真を見る菅義偉官房長官=2018年10月8日、神奈川県川崎市中原区 写真提供:時事通信

拉致問題は日朝で直接交渉しなければ解決しない

玉木)もちろん拉致問題について、全員一括で帰って来て欲しいと思いますが、共同通信がかつて報道していた2014年時、田中さん、あるいは金田さんの生存確認があって、北にいるのではないかという情報はちらほら出ていましたが、最近改めてこういう情報が出て来ています。2014年5月のストックホルム合意のときに日朝で特別調査委員会を作って、調べようということになった。それが仮に北が調べて日本に提示していたら、なぜ日本政府はそれを無視したのか、その情報を日本人の皆さんにお伝えしなかったのか。それがある種、不都合な真実だったからではないかと思うのです。つまり「北朝鮮にいるけれど、彼らは帰りたくない」と言っていて、それでは政治的インパクトが無いから発表しなかったということが背景にあったとしたら、私はやっている感だけ出して本当に1人でも2人でも帰って来て欲しいという思いで取り組んでいるのか、そこは本当に疑問に思います。
今回は是非トランプ大統領にも強く北に訴えかけてもらいたいですが、日本政府がどうするのか。最後は日朝で直接やるしかないわけですから。ただ、いま交渉ルートがあるのか無いのかわからないという状況のなか、米朝会談で「とにかく一緒に頑張りましょう」ということだけでは、何かが進展するとはとても思えないですね。

鈴木)外交にもしたたかさが必要ですよね。日本にもいまそれが試されていませんか?

玉木)そうですね。安倍さんは世界中を回っていて、各国の首脳との関係を築いているのは素晴らしいと思います。ただ、いちばん近くの難しいところを避けるというか、遠くから鉄砲を撃っているような、本当に向き合うべきところに向き合っていないような気がします。

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