安倍総理「軽いUターン」とは消費増税のUターン?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月8日放送)ジャーナリストの有本香が出演。昨夜開かれた経済三団体賀詞交換会での安倍総理はじめ、企業トップたちの発言について解説した。

今年の景気は~経済団体の新年会で各企業のトップたちが語る

安倍総理)昨年5年連続で、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが続きました。ありがとうございます。おかげさまで賃金が上がり、今年もおそらく上がっていくでしょうから、経済の好循環をしっかり回していきたい。

昨日都内で開かれた経済三団体賀詞交換会、総理出席のご挨拶の模様。安倍総理は春闘での賃上げ実現に期待感を示し、また今年10月の消費税率10%への引き上げに向け万全の対策を講じ、デフレ脱却を確かなものにしたいと語った。

飯田)昨日の祝賀会、賀詞交換会ですけれども、基本的に大企業のトップが集まるところで、そこでいろいろな企業トップたちが今年の経済について語ると。

有本)恒例ですね。飯田さんも取材にいらっしゃったのですよね?

飯田)私含め、報道部で記者を出して取材したのですが、いろいろトップの方からコメントをいただきました。まずは、トヨタ自動車、豊田社長でございます。

豊田)リアルな業務を持った会社がしっかりと道を誤らないようにやっていくことだと思いますね。

記者)トランプ大統領の発言はどうですか?

豊田)いろいろありますけれどもコントロールできませんから。

記者)米中の摩擦はどうですか?

豊田)これもコントロールできませんから。

飯田)今年の景気については曇りだとおっしゃっていたのですが、コントロールできないことはもう仕方がない。受けて立ってどうマネジメントして行くか、という主旨でありました。
では、続いてサントリーの新浪剛史社長でございます。

記者)日本経済のキーワードは何でしょう?

新浪)70歳になっても働いている社会づくり。ただいちばんの問題は中国とアメリカの関係がどうなるかという。これはみんな悪くなると思っているから。私はいまより良くなると思っているのですけれどね。

米中関係は簡単には良くならない

飯田)米中関係が悪くなると答える企業経営者が多かったのですが、そのなかで新浪さんはじめ数人の方が良くなるとか、どこかのタイミングで落としどころを作らざるを得ないのではないかと発言しています。明治安田生命の根岸社長にもお話を伺ったのですが、根岸社長もそのようなことをおっしゃっていました。

有本)新浪社長は比較的親中的な経営者のおひとりですからね。意地悪な言い方をすると、希望的観測もあるのではないでしょうかね。私はもうちょっと悪くなると思います。もちろんどこかで落としどころはあると思いますが、そんな簡単にいまが最悪でこれから良くなるということはない。

飯田)経済だけの話ではないですからね。

有本)台湾での産業スパイ的な逮捕案件のニュースがありましたよね。アメリカも中国企業に対して半導体関連の機密が漏洩してしまうことに関しては、去年の秋も中国人と台湾人が逮捕起訴されていますよね。アメリカはとても神経を使っていて、中国の産業スパイ、特に半導体等の分野に対して特別チームを編成しているのですよ。日本に対してもいろんな働きかけがあるようですから、そういう問題も絡んで、技術をどう守るか。そしていろいろな分野での覇権争いをどうするか…。そんな簡単な事ではないですね。

飯田)まだ報道一報ベースですが、非常に示唆に富むなと思ったのは、逮捕されたのがBASFというドイツ科学メーカーの台湾子会社です。

有本)しかも「科学メーカーでなぜ半導体?」という感じなのですけれどね。アンモニアの生成技術ということですよね。いろいろなことが入り組んでいるので、楽観視はどうかと思いますけれども。サントリーグループとしてはあまり関係ないのかもしれないですね。

飯田)全世界でビールを売って行くことを考えると、あまり関係ない。

有本)トヨタの豊田社長がリアルな業務を持っている会社とおっしゃっていたではないですか。それは経済三団体の祝賀会だからそう言っているのか、分かりませんけれどね。確かにリアルな業務を持っている企業が日本のなかで、いま以上にもっと元気になっていただく。いまももちろん雇用環境は良いわけですけれど、将来に向かって働く人たちみんなが明るい展望を描けるような、そういう雇用もできて行くといいですよね。リアルじゃない業務を持っている会社が悪いということではないけれども、そういう業務があることによって安定した雇用の形ができて行くことが良いと思います。

経済三団体 賀詞交換会 安倍 トヨタ 豊田社長 サントリー 根岸社長 中国
安倍総理の「軽いUターン」は消費増税を指してのUターンか

飯田)総理の昨日の発言、挨拶のなかでのジョークについて気になっているというラジオネーム“瀬戸は夕凪”さんからのメール、「『時にはちょっと軽いUターンをしつつも、また前に進んで行く。今年はいのしし年ということで猪突猛進だと思われるけれども、ひらりひらりと障害物をかわして行く』という一節のなかで、ん? 軽いUターン? いったい何を指してUターンするのだ?」。この方も含め、消費増税を念頭に置いているとは思うのですが。

有本)と、思いたいですよね。仮にですよ、これで消費増税がひらりひらりと回避する、凍結とかですね。そうなったときに反対する人はいるのでしょうかね?

飯田)我々庶民にとってはありがたい以外の何ものでもないですね。

有本)ただマスメディアは「10%値上げやむなし」みたいなことを言っていて、新聞とかは自分たちは軽減税率の対象になるから、当事者意識のないような論調が目立ちますけれど、でもそれは一部の日本社会のエスタブリッシュメントと言われる人たちだからです。いわゆる中流層、もうちょっと上の層だって、消費増税10%になることに対して、納得するということはないと思いますよ。それで景気が冷えることは誰の目にも明らかですからね。そういう意味では期待したいですよね。

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