米中首脳会談に向けた次官級協議~本質的な問題解決は難しい

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月7日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。本日より開かれる米中次官級協議について解説した。

米中、きょうから次官級協議、首脳会談の早期開催を目指す

米中両国は、きょうから北京で貿易問題をめぐる次官級協議を開く。両国は共に自国の景気の下振れを警戒していて、関税合戦の打開を模索するためにトランプ大統領と習近平国家主席が今年前半にも再会談する方向で調整を始めている。

飯田)今回は財務次官と通商代表部の次席代表が訪中して協議をする。これは露払いみたいなものでしょうか?

須田)今回の協議での最大の狙いは、アメリカが対中国に抱えている膨大な貿易赤字、あるいは中国側の対米の膨大な貿易黒字。こういった問題をどうするのかというところが協議のポイントであり、それに終始すると思うのです。それが万が一解決したところで、米中の貿易戦争は収まらないのではないかなと。先端技術やファーウェイの件を含めた問題を解決することができなければ、ここでいくら議論が前進したところで、本質的な問題解決にはつながって行かないと思います。

ダボス会議でトランプ大統領と王岐山国家副主席が会談の可能性

飯田)スイスで開かれるダボス会議、これは国際的な経済会議ですが、ここにトランプさんも行って中国の王岐山国家副主席と会談する可能性があると、香港のサウスチャイナ・モーニングポストが報じています。王岐山さんと言うと、習近平さんの懐刀みたいなことを言われますよね。

須田)ずっと外務大臣をやって来られた方ですから、外交のところでは習近平さんの懐刀ということでしょう。ただ国家対国家、組織対組織のぶつかり合いになっていますから、政治家の個人的な協議のなかで問題解決が図れるようなレベルではなくなって来ているのですよ。中国としてはどうしたら問題収束に入れるのかと言うと、例えば米中間で技術盗難などの問題が起こったときに、第三者機関のようなところで裁定を得て、両国が従うような仕組みを作らない限り問題解決には至らないのではないか。これが最大のポイントだと思います。ただ、いまの中国共産党一党独裁のなかで、共産党の権限が及ばない機関に権限委譲するのは中国共産党としてはとんでもなくハードルの高いことです。

飯田)そもそも通商間の揉め事が国営企業だと、ほぼ中国政府そのものと考えて良いわけですものね。

須田)ですからそういった機関を仮に設けたとしても、中国共産党がその訴状に乗るということですから、これは呑めない話だと思います。

飯田)そうすると長引くということですね。

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