新行市佳のパラスポヒーロー列伝

”殺人球技”の強烈タックルに驚愕! ウィルチェアーラグビーを新行市佳がレポート

ニッポン放送アナウンサーの新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見するための連載企画「パラスポヒーロー列伝」。今回は、「ウィルチェアーラグビー」についてレポートします。

いよいよ年の瀬も近づいてきましたね。
気が早いですが、来年は「ラグビーワールドカップ」が日本で開催されます。
もう一つ忘れてはいけないのが「ウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019」
ラグビーワールドカップと同時期にウィルチェアーラグビーの大会も日本で開催されます。
来年盛り上がること間違いなしのウィルチェアーラグビーの魅力を、先日観戦してきた「ウィルチェアーラグビー日本選手権大会<第20回記念大会>」(12月14日(金)~16日(日))の模様と合わせてお伝えします。
ウィルチェアーラグビーは、競技用の車椅子に乗って行われます。ラグビーとは違って前方にパスが可能、男女混合の競技で1チーム12人、コート上は4対4で試合をします。
コートはバスケットボールと同じ広さで、ボールを持った選手がゴールラインにタッチするか越えれば点数が入ります。

得点シーン

障害の程度によるクラス分けがあり、0.5~3.5まで0.5刻みで区分され、数字が小さいクラスの選手ほど障害が重く、大きいほど障害が軽いということになります。
4人の持ち点を合わせて8点にしなくてはいけないというルールがあり、そうすることで障害が重い選手も軽い選手も活躍できるスポーツになっています。
※障害の程度が重い選手をローポインター、軽い選手をハイポインターと言います。

持ち点表記

タックルが認められており、ぶつかる瞬間「ドーン!」と凄まじい音が鳴り響き、試合中の転倒やパンクは当たり前です。それゆえに「マーダーボール(殺人球技)」とも言われています。私も体験したことがありますが、車椅子ごと宙に浮く感覚でした。その激しさもウィルチェアーラグビーの魅力なのですが、チームワークも大切な競技です。転倒やパンクがあるとチームスタッフが飛んできてすぐに処置をします。

タイヤ交換の様子

転倒から起き上がる様子

また、競技用の車椅子はディフェンス用とオフェンス用があり、主にローポインター(障害の重い選手)がディフェンス、ハイポインター(障害の軽い選手)がオフェンスを担うことが多いです。

ラグ車の違い 左:ディフェンス 右:オフェンス

ローポインターが相手選手を止めたり、スペースを作るといったプレーをすることで、ハイポインターが得点を決めやすくなります。そういった選手同士の連携プレーや戦略もウィルチェアーラグビーの面白さです。観戦されるときは、是非!ボールを持っていない選手の動きにも注目してみてください。

連携プレー 相手のエースを囲んでマーク

ウィルチェアーラグビー日本代表はリオパラリンピックで銅メダル、今年8月の世界選手権では金メダルに輝き、めきめき実力をつけている真っ最中です。

世界選手権メダル、カップの展示

今月12月14~16日にかけて千葉ポートアリーナで行われた日本選手権は、日本一のクラブチームを決める大会。日本代表選手もそれぞれのクラブチームの選手として出場しているので、各試合とてもハイレベルな戦いが繰り広げられました。

漫画家 肥谷圭介さんが描いた大会ポスター(「マーダーボール」連載中)

決勝戦の前には、日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーター稲垣吾郎さんがイベントに出演され、実際に競技用の車椅子に乗ってタックルを実際に体感。
「これはすごいですね!試合では当たり前なんですもんね。」とその迫力にびっくりされていました。

稲垣吾郎さん

稲垣吾郎さん、若山英史選手

決勝戦は2連覇中の「沖縄Hurricanes」と「Freedom(高知)」の対戦となりました。
残り11秒、47-47の同点から仲里進(なかざと・しん)選手(沖縄)がトライを決めて逆転。大接戦の末に、47-48で沖縄Hurricanesが3連覇を達成しました。

仲里進選手

大会MVPに選ばれたのは沖縄Hurricanesのマット・ルイス選手。
オーストラリア代表としてリオで優勝を経験、今年代表を引退して来日、沖縄Hurricanesのメンバーとして3大会連続で出場しました。パワフルで攻守の切り替えが早いプレーで貢献しました。

マット・ルイス選手

「MVPに選ばれて、愛するチームで勝つことができて信じられない気持ちです。」と喜びを語り、日本のウィルチェアーラグビー選手について「日本のチームには良い選手が多いですし、徐々にレベルが上がっていて強くなってきているなと感じています。東京パラリンピックにも期待しています。」

日本代表チーム

表彰式の後には世界選手権の報告会が行われ、キャプテンの池透暢(いけ・ゆきのぶ)選手が今後の抱負を語りました。
「これから2020年に向けてコツコツと小さな準備を積み重ねて、東京パラリンピックの会場で大歓声の中、皆さんに感動を与えたいと思っています。ウィルチェアーラグビーの価値をさらに高めていけるように、皆さんに魅せるラグビーを続けていきますので、応援よろしくお願いします。」

池透暢選手(Freedomでもキャプテン兼ヘッドコーチ)

来年開催される「ウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019」は日本を含む世界の上位8か国が東京体育館で闘います。東京パラリンピックの前哨戦といっても過言ではないこの大会、日本代表の今後の活躍から目が離せません。

【新行市佳のパラスポヒーロー列伝 第7回】

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