中央防災会議~自然災害は「有事である」という意識を持って対応を

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月13日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。自然災害に関する警報や避難勧告を国民がどう受け止めるべきか解説した。

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中央防災会議の作業部会=2018年12月12日午後、東京都千代田区 写真提供:共同通信社

中央防災会議~危険度に応じて警戒レベルを分ける報告書案をまとめた

政府の中央防災会議の作業部会は昨日、洪水や土砂災害が発生したときに、複数の行政機関から出される警報や避難勧告などの情報を、危険度に応じて5段階の警戒レベルに分ける報告書案をまとめた。警戒レベルごとに住民が取るべき行動も併せて示されている。

飯田)奇しくも「今年の漢字は災害の『災』である」と昨日発表されました。鈴木さんも、平成最大のニュースで災害について言及されましたね。

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地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ。広範囲で土が露出している=2018年9月6日午前、北海道厚真町 写真提供:産経新聞社

自然災害は多くの人命を奪う「有事」の出来事である

鈴木)私の持論ですが、自然災害は有事だと思います。つまり、戦争です。普通の戦争は相手国とその指導者がいて、意図的に戦いを仕掛けて来ます。逆に言えば、相手も人間だから、いろいろ交渉すれば戦争は回避できるかもしれない。
しかし、自然災害という敵は、いつ何の目的で何をやって来るか分からない。そして、国民の生命や財産、故郷を容赦なく、いきなり奪う。これを有事と呼ばずに何と呼ぶのか。だから、「自然災害は有事、つまり戦争だ」くらいの心構えで政治はつねに構えて考えて対策を取らなければいけません。
平成という時代は阪神大震災に東日本大震災など、非常に大きな自然災害がありましたよね。新潟中越地震に、北海道胆振東部地震、熊本地震。それから、異常気象による信じられないような豪雨。そして猛暑でも人が亡くなっている。自然災害でどれだけ人命が奪われているのか。それに対して、対応しなければならないのです。

避難指示に対して国民も意識を変えていかなければならない

鈴木)今回の中央防災会議の「警戒レベルや避難レベルをきっちり5段階に分けて、定義し直しましょう」ということについてです。私が見た感じ、まだ複雑です。被災地や災害関係の取材をするたびに思うのですが、避難命令などの情報に関しては「できる限りシンプルに」が重要です。一方で、同時にシンプルな指示に対して、国民も先述したように「有事である」と意識を変えなければいけないと思います。
「シンプル」についてですが、例えば5段階中の1、2段階のときに「どうすればいいのかよく分からない」とか、第3段階の『避難準備』を「準備だけでいいのか。動かなくていいのかな?」となってしまう。極端に言えば、例えば「気を付けてください」、「準備してください」、「避難してください」の3段階にすれば分かりやすいですよね。しかし、シンプルにして行くと、国民から「避難したけれど、大したことなかった。避難する必要なかったじゃないか」とか「おかげで仕事できなくなったじゃないか」とか、そういう不満が出る。だから国民も意識を変えなければいけない。そんなことが、ここから考えなければいけないことだと思います。

飯田)「空振りは覚悟で、とにかく避難をする」としなければいけないのですね。

鈴木)命の問題ですからね。

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