マクロン政権に対するデモが収まらない理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月10日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。フランスで政権抗議デモが起きている理由について解説した。

パリ 抗議デモ デモ フランス マクロン 政権 大統領 ドイツ 兵隊 警察 拘束

パリのシャンゼリゼ通り付近で、炎の中を進む憲兵隊の装甲車(フランス)=2018年12月8日 写真提供:時事通信

フランス全土でマクロン政権抗議デモ~1,723人拘束

週末4週連続となるマクロン政権に対する抗議デモがフランス全土で行われ、8日のデモ参加者は13万6,000人。フランス全土で1,723人、パリでは1,000人以上が拘束された。本来なら12月は小売店にとって最大の書き入れ時ですが、週末は多くの店がデモを警戒して店を開けられず、経済面でも大打撃となっている。

飯田)もとは燃料税の引き上げ反対についてでしたが、政権側はこれを取り下げた。しかし、デモは収まらない。

須田)もちろんです。これの背景にあるのは燃料税の引き上げではありません。やはりマクロン大統領に期待されていた公平公正さが、蔑ろにされたことです。

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エマニュエル・マクロン – Wikipediaより

富裕層を優遇し過ぎた政策に怒りが爆発

須田)もっと言えば、富裕層に対してプラスになるような政策が目白押しなのに、燃料税に代表されるように中間層や貧困層に対してはかなりキツい政策です。「あまりにも富裕層に対してサービスしすぎじゃないか!」という部分から怒りが爆発したのでしょう。
フランスは鉄道網もそれなりに発達していますが、パリなどを除くと農村地帯も多いのです。すると、自動車を使用するケースが多いから、燃料税が直撃して来ます。「自分の払うお金が増えていく。その税金は富裕層へ回る」という連想ゲームが働き、そこがきっかけとなったのだと思います。

飯田)マクロンさんは投資銀行出身でもあるし、経済界にも非常に近い。一時は社会党にもいましたが、その辺はやはり「信じていたけれど本性を現してきた!」みたいな裏切られた感じがあるのでしょうか?

須田)そうですね。だから、燃料税の引き上げを取り下げたところで、おそらく収まらないと思います。ずっと蓄積されて来たのですよ。だから、富裕層に対して、ダメージという言葉は語弊がありますが、増税するとか、負担を課すとかしない限り、納得しないと思います。

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ドイツに飛び火した場合、収拾がつかなくなる

飯田)この構図はトランプさんが出て来たアメリカや、ブレグジット(EU離脱)に投票したイギリスに似た感じがある気がします。

須田)各国の経済状況を見ていると、「富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなって行く」という二極化がどんどん加速して行くことに対する怒りが爆発した。
なぜそちらの方に目を向けて来なかったか。やはり目を向けすぎるとポピュリズムが入りますが、そこに対する一定の配慮がないと政権は安定しないと思います。

飯田)これはフランスだけでなく、ベルギーやオランダにも飛び火して来ていますね。

須田)似たような状況と言うか、EU全体がそういう状況にありますから。私が飛び火について心配しているのはドイツです。ドイツ国民がこの動きをどう見ているのか。もしドイツに飛び火した場合、収拾がつかなくなると思います。

飯田)EU全体が壊れて行くのですね。今後も注目したいと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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