G20~来年の開催地・大阪の抜け目ない利用法

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。G20の実情と、早くも反応する来年の開催地・大阪について解説した。

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アルゼンチンで開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議に参加した首脳らの集合写真。議長国アルゼンチンのマクリ大統領(前列左から8番目)の左隣が安倍晋三首相(アルゼンチン・ブエノスアイレス)=2018年11月30日 写真提供:時事通信

G20~反保護主義の文言入らずに閉幕

アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていたG20は、昨日未明に首脳宣言を採択して閉幕した。
アメリカの反対で、去年の首脳宣言にあった「保護主義と闘う」という文言が消え、WTO(世界貿易機関)の改革を推し進める部分では一致した。

飯田)11月のAPECでは米中が対立して首脳宣言が採択されなかったことがありました。今回は各国が妥協を重ねた部分もあり、一応、首脳宣言は出したようですね。

須田)G20の役割について考えてみました。元はG7、あるいはG8という先進国、大国の枠組みのなかで世界情勢は決まっていた。
ところが、当時はBRICsと呼ばれていた新興国が登場したことにより、G7だけでは物事が決まらなくなりました。そこで、G20に拡大したのです。
当時はリーマンショックなど、各国が共通して取り組む必要のある多くの課題が山積みでした。しかし、それが終わってみると、G20は利害当事者がたくさん増えてしまったため、呉越同舟で物事が決まらないのです。今回や前回のケースを見ていると、本当にそう思います。価値観を共通している根幹の部分である「自由貿易主義の推進」、「保護主義への拒否」すらも危うくなって来ました。だから、G20は意味があるのかな、と今回つくづく思います。

飯田)ただ集まるだけ、みたいになってしまいましたね。

大阪府警は来年のG20をあらゆるイベントへ向けての予行演習にしている

須田)これは笑い話みたいですが、違った意味合いも出て来ています。今年の8月に、私が大阪でタクシーに乗ったときの話です。いつもは車内に「北新地にはタクシーは入れません」みたいな法規があるのですが、そこに「来年G20は大阪で開かれます。そこで交通規制などの対応が行われて、渋滞する可能性もあるからよろしくお願いします」というような大阪府警からのお知らせが貼られていました。

飯田)1年後のことを、もうやっていたわけですか。早いですね。

須田)気になって大阪府警の人に聞いたところ「このようなことを1つのきっかけに、いろいろな国際会議やイベント、万博をやる場合、どのように安全を守ればいいのか、そのシミュレーションができる。だから、1年前倒しして、そういう表示を出して、いつでも練習している」と言っていました。

飯田)確かに大阪万博や東京オリンピックなど、大きなイベント前の予行演習には、ちょうどいい規模かもしれませんね。

須田)G20なら誰も文句を言わないですからね。

飯田)それを目がけて、いろいろ新しい設備を導入して試したりできそうですね。

須田)あとは公安の部分です。デモなどに対しても、それだけを訓練する場合はいろいろ軋轢が出て来ます。そこを「G20対応」とすれば、その辺について市民の理解も得られる。

飯田)そういう副作用というか、効能があるのですね。しかし、各国で事情は違いますが、日本以外もそういう対応は必要ですよね。

須田)こうした地域にG20首脳が集まること自体、かなりリスクを抱えるわけですからね。それだけのコストをかけているのだから、きちんと結果を出してほしいですね。安倍さんを批判するわけではないですが、2025年の大阪万博が決まったことについて「大阪の人々のおもてなしを楽しんでほしい」と言っていましたが、G20については「おもてなしはいいから、話し合ってくれ!」と思います。

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