報道部畑中デスクの独り言

東京・丸の内の最新鋭ビルは新たな“防災拠点”【みんなの防災】

「報道部畑中デスクの独り言」(第100回)では、ニッポン放送報道部畑中デスクが、「丸の内二重橋ビル」内覧会・竣工式の模様と、防災への取り組みについて解説する。

完成した丸の内二重橋ビル

小欄も今回で連載100回を数えました。いつもご覧いただき、ありがとうございます。今後とも徒然なるままにしたためてまいります。
今回はニッポン放送の近く、東京・丸の内の一角に新しいビルがお目見えしたという話題です。

ビルからは皇居などが一望できる

「丸の内二重橋ビル」…富士ビル、東京商工会議所ビル、東京會舘ビルの跡地が1つのビルに統合した形です。「二重橋スクエア」と呼ばれる商業ゾーンはすでに開業しているところもあります。内覧会と竣工式が先日行われ、ニッポン放送の“ご近所”ということもあり、足を運びました。

霞ヶ関方面を望む うっすらと富士山が見えるが、天気のいいときはより鮮明になるそう(右)

東京商工会議所は日本の資本主義の父・渋沢栄一が初代会頭となり、1878年に設立された東京商法会議所を前身とします。今年でちょうど140年、今回のビルは4代目にあたります。東京會舘は1922年に初代本館が開場して以来、96年の長い歴史を誇り、今回が3代目。今回のビルは最新の建築技術が導入されていますが、それぞれ旧館の由緒ある備品などは一部で残されました。

東京會舘ローズルーム 最大2,000人収容可能で、最新鋭のスクリーンも完備

東京會舘の大宴会場となる3階のローズルーム、500インチのスクリーンを備え、最大2,000名を収容できます。もちろんパーティションを施すことで披露宴会場にも使用できます。まさに最新のホールですが、ひとたび出ると、豪華なシャンデリアが目を引きます。1922年以来代々使用されているチェコ製のもので、新館にも“移植”されました。
さすがガラス産業で名高いチェコです。重厚な歴史を感じるもので、親子3代にわたって結婚式にこのシャンデリアの前で記念撮影をする家族も多いと言います。

東京商工会議所の入口 ロビーには警備ロボットが…(右)

東京商工会議所の入口には、人の代わりに警備ロボットが! ウィーンウィーンとかわいらしく動いていました。液晶画面で館内施設の案内も可能になっていて、これにより警備員の数も削減できるということです。警備業は、有効求人倍率が7倍近くに上るというデータもあるほど人手不足は深刻で、昨今の「働き方改革」と合わせ、時代の象徴をこのロボットにみました。

500人収容可能な東商グランドホール 旧館の大理石の壁は”移植”された(右)

5階には国際会議の舞台としても期待される「東商グランドホール」。旧館の「東商ホール」では2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まったとき、大歓声に包まれたことを思い出します。あれからはや5年が経ちました。一方で、旧館にあった大理石の壁は残されました。

このように様々な表情を見せるビルですが、最も重要と感じたのは防災への取り組みです。館内には帰宅困難者1,750人・3日分の食料が備蓄され、館内入口ロビーのほか、東京會舘の宴会場、東京商工会議所の会議室が避難場所として機能します。

洞道への接続部 まさに防災の要だ

また、5,000kW分の非常用発電機が用意され、災害時でも業務を継続できる他、発電による電気は「洞道」と呼ばれる丸の内仲通り地下のトンネルを通じ 、周辺の帰宅困難者受け入れ施設(新東京ビル、国際ビル、新国際ビル、新有楽町ビル、有楽町ビル)に供給するライフラインとしての機能を果たします(洞道は2020年12月竣工予定)。内覧会ではビルから洞道につながる接続部を見ることができました。

竣工式のもよう 乾杯は東京商工会議所の三村明夫会頭

丸の内仲通りは千代田区の区道です。石川雅己区長は竣工式のあいさつのなかで、「多分、日本の街づくりのなかでこのような道路で地下の空間を使ったのはファーストケース」と胸を張ります。その上で「都道、国道でも取り組んでいただくことを期待する」と述べました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に都心部では開発が急ピッチで進んでいますが、華やかな一面だけでなく、いつか起きるかもしれない大規模災害への地道な対策が街を支えます。災害時には犠牲者ゼロに…目指す目標に向けて、防災メディア・ラジオとしてもこうした取り組みはしっかり伝えて行きたいと思います。(了)

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