ゴーン容疑者告発は、ルノーから逃れる日産のシナリオか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月26日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。カルロス・ゴーン容疑者が日産自動車の会長を解任された背景を解説した。

カルロス・ゴーン 日産 ゴーン会長 80億 10億 ルノー 逮捕 虚偽

2017年1月、米ラスベガスの家電見本市「CES」で、基調講演する日産自動車のカルロス・ゴーン社長(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

日産ゴーン容疑者、容疑否認も80億円退任後に受け取る契約

金融商品取引法違反容疑で逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、東京地検特捜部の調べに黙秘することなく「不正は行っていない」などと主張し、容疑を否認していることが明らかになった。一方で、ゴーン容疑者が記載していなかった年間10億円、8年間で合計80億円の役員報酬は、退任後に日産から慰労金などとして受け取る契約になっていたと疑われている。

飯田)須田さんにはこのコーナーのなかで、事件発覚の直後である先週の火曜日に電話でつないだ際、お金のやり取りについて指摘していましたね。

須田)裏金として、何かの形で現金を貰ったわけではない。この場合の現金はリアルキャッシュという意味で、ゴーン容疑者の手の上にお金が乗ったわけではなく、別の形でストックされている、という話をしたのです。この慰労金についても、退職慰労金はそもそも何かというと、普通の位置付けとしては後払いの給与なのですよ。だからそんなに違和感はないのだろうなと。
問題なのは、払うことについて違法性はないのですが、どうやってそれを払うことが決定されたのか。そしてそれを支払うこと自体に違法性があるのかがポイントになって来るのだけれど、本当に金融商品取引法違反、有価証券虚偽記載という形になるのかどうか。この慰労金そのものも、普通だったら開示するのが一般的なのですよ。あるいは、株式など有価証券の類で分配することも掲載するのが一般的なのに、そこが記載されていない。しかし、それをもって違法なのか、悪意があったのかが今後のポイントになってきます。ですから、針の穴に糸を通すような作業になると思います。

カルロス・ゴーン 日産 ゴーン会長 80億 10億 ルノー 逮捕 虚偽

記者会見する日産自動車の西川広人社長(中央左)=2018年11月19日、横浜市西区 写真提供:時事通信

罪に問うのは難しい?

飯田)公判維持は難しい、立件まで行くかどうかも微妙だと書かれている方もいらっしゃいます。退職金ということであれば、支払うときにも株主総会などにかかるわけですよね。株主に対して開示されるのだから、途中段階で禁止法に問えるか微妙だという指摘もありますね。

須田)支払う段階においての納税ですから。

飯田)税金逃れには当たらないということですね。

須田)そうすると何が動機だったのか、なぜ悪意がある、犯罪性があるのかと言うと、唯一の理由が「10億円以上報酬を払ってしまうと、世間一般や株主から批判を受ける」となります。それはいくら何でも弱過ぎないかというのが私の考えです。

カルロス・ゴーン 日産 ゴーン会長 80億 10億 ルノー 逮捕 虚偽

【日産、カルロス・ゴーン容疑者逮捕】日産自動車グローバル本社=2018年11月22日 写真提供:産経新聞社

日産のクーデターか

飯田)この3社連合の行方ですけれど、一部にはクーデターのような形で、「ルノーがこれから進駐軍のように来るから、それを避けるためにやむを得なかった。日本の企業を守るためだ」というような報道もあります。

須田)それについては、先週イギリスのフィナンシャル・タイムズが「ルノーと日産の合併が前提としてあって、それを実現させたくないために日産がクーデターを起こした」というような記事を書いたのですが、私が取材してみると、その記事はどうもガセに近いのです。全面合併というのは、具体的なプランとして挙がっていたわけではないようですね。ただし、いつでもそれは机の上に乗って来る可能性があったのではないかとも思います。
日産サイドから取材をしていると、カルロス・ゴーンさんはとんでもない守銭奴で、「金をよこせ」というようなことをやっていたらしいのですが、逆のルノーサイドから見ると、全く違った風景が見えて来ます。ルノーは「ゴーン会長が違法行為を起こしたから会長の座を追われた、捜査当局に逮捕されたわけではなく、座を追うためにありとあらゆる情報をかき集めた」と。目的はそちらにあるというのがルノーサイドの見方なのです。ですから陰謀論だと言われていますが、ゴーン前会長を追い落とすためだったというのが普通の見方ではないかなと思います。

日産の描く今後のシナリオ

飯田)そうなって来ると、会長を解任したのはシナリオ通りかもしれないですが、その先の展望を日産がどう描いているのかということですが……。

須田)ルノーサイドはCEO兼会長というポストを維持したままですからね。

飯田)いまは代行を置いている状態です。

須田)そして日産、ルノー、三菱自動車の3つの会社を統括運営する会社がオランダにあるのですが、そこの代表は未だにゴーン会長です。日産としてはルノーやゴーン会長の頸木(くびき)から逃れたいのですが、その目的はまだ途中かなと思います。

飯田)世界の自動車産業を考えたときに、日産が単体に戻って太刀打ちできるかということを考えると、そこは難しいのでしょうか?

須田)日産は自信があるのでしょう。将来的には完全に電気自動車の時代を迎えるわけです。日産は同業他社と比べても、リーフという切り札を持っている。だから単独でもやって行けるという気持ちが強いのだと思います。むしろルノーの方がそれに乗っかって来ているという意識だと思いますね。

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