あけの語りびと

『世界一孤独な日本のオジサン』にならないように~人生は生涯学習

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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

先日、番組に大きな封書が届きました。送り主は、大田区池上にお住いの桶谷吉隆さん
(何だろう?)と開けてみると、A4の紙で4枚……まるで企画書のように、ポイントがしっかりとまとまっていて、人柄が伝わってくる丁重な文面のお手紙が入っていました。

ニッポン放送に送られたお手紙と封筒

要約しますと……、72歳の桶谷さんは、70歳でリタイア後、大田区が主催する「生涯学習リーダー養成講座」を受講され、生涯学習リーダーとなって、このほど公開講座を企画……。しかし、定員70名が集まらず、1人でも多く参加してほしいと、番組でPRしていただけないか、という内容でした。

番組にお手紙をくださった 桶谷吉隆 さん

公開講座の資料も入っていて、講座のタイトルが……『人生100年時代をどう生き抜くか〜世界一孤独な日本のオジサン〜』
実は、桶谷さんも〝孤独なオジサン〟の1人だったそうです。

桶谷吉隆さんは、昭和21年、富山県生まれ、72歳。石油化学メーカーに勤め、管理・営業・人事の仕事をしてきました。
若い頃は9時10時まで残業し、それから飲みに行き、「電車があるうちに帰る奴は酒飲みじゃない!」と毎晩〝午前様〟。上司と意見がぶつかり、左遷されたこともあったそうです。
ゴルフが趣味でしたが、40代後半に腰を痛め、いまはやっていません。浴びるように飲んだお酒も、体調を崩してからはお付き合い程度に。

そんな桶谷さんに、ヨガが趣味の奥さんがこう言います。「おとうさん、趣味ないでしょう。囲碁でも習ってみたら?」
6年前、66歳から毎週日曜日、囲碁教室に通い始めました。

過去の講習会「地域おしゃべり講座2018新井宿地域」の様子

「難しそうで面倒くさそう、そんな思いが囲碁にありましたね。ルールを覚えて、最初に対戦した相手が小学2年生の男の子。子供って何も考えず、ポンポン打って来るんですよ。私はじっくり考え込むタイプ。すると先生から『下手の考え休むに似たり、さっさと打ちなさい』と言われて、結局、小学2年生に負けちゃったんです」

自分の頭の固さを思い知った、と言う桶谷さん。それでも囲碁を続けて、去年、初段を取りました。

70歳でリタイアした桶谷さんは、散歩と囲碁の毎日……。テレビや新聞で「高齢者の孤独死」が報じられるたびに、(あすは我が身か?)と思うこともしばしば……。そんなある日、大田区の「生涯学習リーダー養成講座」というチラシを手にします。

地域の支え合い活動についての講習会

「人は、生まれたときから死ぬときまで、ずっと学習だと思うんです。だから『生涯学習』という言葉に惹かれたのと、人と接することも大事だと思って、講座を受けることにしました。生涯学習リーダーは、アクティブシニア向けの講座やイベントを企画・運営するボランティアのことで、私もサラリーマン時代、いろいろと企画書を書いて来ましたので、何か地域に役に立つかな? と思ったんです」

生涯学習リーダーになった桶谷さんが初めて関わった公開講座が、10月30日に元・読売新聞の記者で、オジサン研究家の岡本純子さんを迎えて、『人生100年時代をどう生き抜くか〜世界一孤独な日本のオジサン〜』というタイトルで開かれます。
まさに、桶谷さんのこれからの人生に重なるテーマです。

『人生100年時代をどう生き抜くか〜世界一孤独な日本のオジサン〜』のチラシ

「会社では上司の命令に部下は従いますが、それをコミュニケーションと思ったまま定年を迎えると、誰からも相手にされず、孤独になりがちです……家ばかりいないで、仲間をつくるつもりで、ぜひこの公開講座に参加してほしいですね」

サラリーマン時代は、深酒、腰痛、不健康な毎日だった桶谷さん。70歳を過ぎた今は……「池上本門寺の96段の石段を息も切らずに上がれますよ!」と言うほど、気力も体力も充実した毎日を送っています。

人生100年時代……桶谷さんの人生・第2ステージは、始まったばかりです。

上柳昌彦 あさぼらけ
FM93AM1242ニッポン放送 月曜 5:00-6:00 火-金 4:30-6:00

朗読BGM作曲・演奏 森丘ヒロキ

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